第2話 事の顛末と事後報告。そして。
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 同主任交渉担当
平 同研究員
折田 第二企画室営業部営業課
市城 第二企画室総務部人事課
1 沢渡「すんませーん同じのもう一杯っ。」
2 折田「人がエロサイトのウィルスに感染するとかあり得る?」
3 沢渡「本当だったら面白いな。」
4 平「お前は課長に残酷だ。」
5 市城「それでその、課長はその、お亡くなりになっているの?」
6 平「いい質問だ市城君。それは誰にも判らない。」
7 折田「最初から詳しく話せよ。」
8 平「作業中に突然倒れてヤバくね?ってなって。」
9 沢渡「平が駆け付けて息してねぇよって。」
10 平「沢渡が救急車呼ぶからって俺が心マして。」
11 沢渡「私が電話取る直前に平が突然叫んだ。」
12 平「ニ、三回マッサージしたら急に起き上がって。」
13 沢渡「平が夜這いされそうだったから蹴り飛ばした。」
14 折田「夜這い?」
15 平「また暴れたら困るからって椅子に縛った。」
16 市城「その時は動いていたんだよね?」
17 平「えーっと。気絶?」
18 市城「ええ?」
19 平「でもほら、あーとかうーとかは言ってたから。」
20 沢渡「さっきはどんなだったの?」
21 平「ちょっとだけジタバタしてた。」
22 市城「大丈夫なの?解いてあげたほうが良くない?」
23 沢渡「意識あったら自分で解いて帰るでしょ。」
24 平「え?ゾンビって帰巣本能とかあるの?」
25 市城「課長ってやっぱりゾンビなの?」
26 平「死んで蘇ったらゾンビじゃねぇの?」
「しかもエロサイトウィルスの感染者だし。」
27 折田「何その卑猥なウィルス。」
28 市城「え?あの、え?あれ?」
29 沢渡「どうしたの?」
30 市城「えーっと、何も解決していないよね?」
31 沢渡「そう?少なくとも飲みには来られたわよ。」
32 市城「それって現実逃避じゃない?」
33 折田「明日戻って誰もいなければオールオッケーじゃん?」
34 市城「オール?オールなの?」
35 沢渡「蹴り飛ばしたことさえ忘れてくれればいいわ。」
36 平「おいーっす。」
37 沢渡「早っ。怖っ。」
38 平「怖いって何。で?課長いる?」
39 沢渡「いるぅー。うぜえー。」
40 平「あー本当だ。縛られたままだけど動いているなぁ。」
41 沢渡「流石に報告するかー。」
42 平「だなー。その前に折田と市城と口裏合わせておこうぜ。」
43 沢渡「ヒラのくせに気が利くわね。あんた折田呼んで。」
44 折田「おいーっす。」
45 市城「おはようございます。」
46 平「おおうっ今呼ぼうと思ってたんだよ。」
47 折田「で?で?どうなった?逃げた?」
48 市城「あーまだいますね。動いてます?」
49 折田「あーとかうーとか言ってるな。」
50 市城「やっぱりゾンビになったの?」
51 沢渡「今から上に報告行くから口裏合わせておくわよ。」
52 折田「口裏って?」
53 沢渡「朝来たらこうなっていたって。」
54 平「不自然すぎね?椅子に縛られて。」
55 沢渡「課長ならあり得るでしょ。」
56 平「それで部長何だって?」
57 沢渡「上と相談するからそのまま待機だって。」
58 折田「信じたの?エロサイトウィルス信じたの?」
59 沢渡「さあ?突然暴れたのは事実だから。」
60 市城「警察とか救急とか呼ばないの?」
61 沢渡「それも含めて協議するんでしょ。」
62 平「いいのか?そんなんでいいのか?」
63 沢渡「知らないわよ。」
「様子がおかしいって事はちゃんと伝えたわ。」
64 折田「あ、企画室長。と開発部長。いえ営業部です。」
65 「企画の打ち合わせでたまたま居合わせただけです。」
66 市城「僕は課長の日報が無かったので確認に。」
67 平「俺はあれです。そのー。」
「あ、課長に飲みに誘われたのに来ないので。」
68 沢渡「お前ちょっと黙れ。」
「はい部長。そうです。いえ本当は昨夜です。」
69 平「いえ課長にこんな事して飲みになんて行ってません。」
70 沢渡「は?お昼ですか?」
「はい是非。お寿司ですか?はい好きです。」」
71 平「聞かれてませんが俺も寿司は好きです。」
72 折田「いやあ美味い寿司だったなぁ。」
73 市城「回ってないお寿司なんて初めてだよ。」
74 沢渡「いやーん市城きゅん子供みたーい。かわいいー。」
75 平「何でお前らまで。」
76 折田「まあまあ。でも良かったな。専門チーム来るって。」
77 平「これで肩の荷が降りるな。」
78 沢渡「何か載せていたのか?」
79 平「俺一人に責任押し付けようとしただろ。」
80 沢渡「何言ってる。」
「あのままだったら本当にアンタの責任にされたわよ。」
81 折田「お前本当に芝居下手な。笑い堪えるのキツかったわ。」
82 市城「結局全部言っちゃうんだもんね。」
83 折田「放置して飲みに行った事まで言いやがって。」
84 沢渡「殺意が沸いたわ。」
85 平「つい。」
86 市城「まあまあ。部長も許してくれたし。」
87 折田「アンタ達が特別チーム?」
88 市城「防護服とか着て来るのかと思った。」
89 沢渡「私は黒スーツにサングラスかと思った。」
90 平「え?はい。あの中です。縛ってあるので大丈夫です。」
91 沢渡「いえ私は噛まれていません。皆は?」
92 折田「俺も大丈夫。近くで眺めていただけだから。」
93 市城「僕も触れていません。」
94 沢渡「お前は?」
95 平「え?ああ、うん。大丈夫。噛まれてないよ。」
96 折田「お前それ噛まれた奴のセリフだぞ。マジか。」