第18話 今夜はスリラーナイト
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 第二企画室開発部課長対策係課長代理
平 同研究員 補佐
折田 同研究員 主査 広報担当(営業部より転属)
市城 同研究員 主査 事務担当(経理部より転属)
1 平「なんも変わらんね。」
2 沢渡「変わってたら面倒だ。」
3 平「物語的にはここいらで山が無いと視聴者が飽きるぞ。」
4 市城「視聴者って?」
5 平「カメラの向こうの本部の人達。」
6 沢渡「いやいや対処大変だろ。」
7 折田「中の照明消して無いだろ?」
「課長的には何も変わって無いんじゃね?」
8 市城「そもそも変化を与えても気付くかな。」
9 平「この避難訓練が思わぬ事態を引き起こすなんて」
「俺達は思いもしなかった。」
10 市城「平君が何か言っているよ?」
11 折田「見ちゃいけませんっ。」
12 平「明日あたりテーブルと椅子入るんだよな。」
13 沢渡「その時にレールの設置もしてくれないかな。」
「ちょっと頼んでくる。」
14 折田「俺やるのに。」
15 沢渡「一人じゃ大変だろ。」
16 折田「一人でさせるつもりだったのか。」
17 平「毎度毎度何処行って話付けてくるんだ?」
18 市城「室長のとこだよ。」
19 折田「トップに直訴?課長すっ飛ばして?」
20 市城「重要案件だから直接来いって言われたんだって。」
21 平「課長代理って言うより部長代理じゃん。」
22 折田「開発部長も面白くないだろうな。」
23 平「面倒なくていいんじゃね?」
24 市城「最初にお寿司に連れて行ってくれたでしょ。」
25 平「ああ旨かった。また連れて行って欲しい。」
26 市城「あの時室長と部長と沢渡さんで決めたって。
27 折田「あの時?何あいつ。こうなる事態想定していたって事?」
28 市城「多分違うと思う。」
29 折田「違うって?」
30 市城「想定していたんじゃなくて誘導したんじゃないかな。」
31 平「誘導って何それ超怖いんだけど。」
32 市城「今の状況って沢渡さんが作り出したんじやないかな。」
33 折田「何それ何それー。ちょっと詳しくー。」
34 市城「帰ってきちゃうからまた後でね。」
35 沢渡「折田っ資材買いに行くぞ。」
36 折田「ダメだったのか?」
37 沢渡「工事そのものの許可は出たけど
「資材の手配が間に合わな無いからこっちで買えって。」
38 折田「じゃあ軽トラいるな。総務に」
39 市城「それは僕がやっておくよ。」
40 平「じゃあ僕お留守番してるー。」
41 沢渡「余計な事するなよ。」
42 平「この時、パンダ課長がまさかあんな姿になろうとは」
「沢渡は思いもしなかったのである。」
43 沢渡「これ以上不快な姿にはならんだろう。」
44 折田「おいーす。」
45 市城「おはよう。」
46 折田「あれ?沢渡は?」
47 市城「室長に呼ばれたよ。」
48 折田「呼ばれた?自分からじゃなくて?」
49 平「おいーっす。あれ?沢渡は?」
50 折田「室長に呼ばれたってよ。」
51 平「呼ばれた?いや俺は何もしてないぞ?」
「昨日のはただのハッタリだからな。」
52 折田「お前が何も出来ない奴だってのは承知している。」
53 平「何っ俺だってやる時はやるぞ?」
54 市城「今やったらダメだよ。」
55 沢渡「ただいまー。おうオリタイラ来てたのか。」
56 平「名前まとめてんじゃねぇっ。」
57 折田「平はシラを切っているが何やらかした?」
58 沢渡「うん?今日の工事の打ち合わせに行っただけだよ。」
59 折田「それだけ?」
60 沢渡「他に何か心当たりあるのか?」
61 平「無いよ?本当に何も無いよ?」
62 沢渡「うわっ怖っ。」
63 市城「平君これはちょっとダメだよ。」
64 折田「流そうっこれは流出させようっ。」
65 沢渡「バカ過ぎる。」
66 市城「スリラー。だよね?」
67 折田「マイコーなの?これマイコーなの?」
68 沢渡「何でお前踊れるの?練習したの?」
69 市城「自宅でスリラーを踊る平君怖いよ。」
70 折田「夜な夜なDVD見ながら練習していたのか。」
71 沢渡「うわっターン出来てねぇ。」
72 市城「あ、こけた。」
73 折田「お前は課長をどうしたいんだ?」
74 沢渡「どうした慌てて、市城きゅん戻ったのか。」
75 平「見終わった?録画もう見終わった?」
76 折田「一応平を見てはいるんだな。」
77 平「かぶりつきだったぞ。」
78 沢渡「美味そうだな。とかじゃない?」
79 平「いやそれがさ、」
「ちょっと真似してるような感じもあったんだよ。」
80 市城「そうなの?」
81 平「少し戻せる?華麗なサイドステップ。」
82 折田「華麗?」
83 平「からの、ここ。ほら。少し追ってるの。」
84 沢渡「お前を追いかけているだけじゃん。」
85 平「いやいやホラ。盆踊りスタイル。」
86 沢渡「なにそれ。本当にそう言うの?」
87 折田「あ、いや。よく見ろ。俺今鳥肌立ったぞ。」
88 市城「そこまでのダンス?」
89 平「わざと?市城きゅんワザと俺を辱めている?」
90 折田「ちょっと戻すぞ。ここサイドステップ?よく見ろ。」
91 沢渡「だから何だよ。」
92 折田「んで盆踊り?判ったか?」
93 市城「あ、あれ?ちょっともう一回いい?」
94 沢渡「市城きゅんまで。何なの一体。」
95 折田「サイドステップ?から。ダルシムみたいなのからの。」
96 平「折田まで酷くない?」
97 折田「ここ。で、お盆。気付いたか?」
98 沢渡「うおっ身体の向き変えたっ。」
99 折田「サイドステップ?の時は正面向いているけど」
「盆踊りスタイル?の時は」
100 沢渡「一拍遅れるけど身体の向き変わってるな。」
101 折田「課長がマイコー?になった瞬間である。」
102 平「ねえ折田君。疑問形やめて。」
103 市城「でもあれだね」
「まったくスリルは感じないよね。」




