第17話 インターミッション:ポッシブル
1 市城「大変大変。避難訓練やるって。」
2 折田「大変大変って部屋に入る人をはじめて見た。」
3 平「避難訓練の何が大変なんだ?」
4 市城「大変って言ったら大変じゃ無い感じがするかなって。」
5 沢渡「規模は?」
6 市城「今回のは消防署の人を呼ぶ訓練。」
7 折田「消防署の方から来るのか。」
8 沢渡「これどうするのかしらね。」
9 市城「指示書が届いたのでサーバーに入れました。」
10 平「今回のミッションは何だ?」
11 折田「おはようフェルプス君。さて今回の任務だが。」
12 平「課長を隠せって事だな?パーテーションかな。」
13 市城「覗かれたらバレない?」
14 沢渡「人が残っていたらダメなんだよね。人じゃないけど。」
15 平「酷い。課長に向かって人でなしだなんて。」
16 市城「ロッカーでも置く?」
17 沢渡「部屋のレイアウト的に不自然かも。」
18 平「化粧板でよくね?」
19 沢渡「本当にホムセン行かないとだめかもだな。」
20 折田「例によって君、もしくは君のメンバーが捕えられ」
「あるいは殺されても、」
「当局は一切関知しないからそのつもりで。」
21 沢渡「お前も当事者だけどそれでいいのか?」
22 折田「ついでに備品買ってこうぜ。」
23 沢渡「必要なものならな。何が欲しいの?」
24 折田「サバイバル用のアウトドア用品。」
25 沢渡「サバイバル?」
26 折田「外が課長で溢れた場合に備える。」
27 沢渡「そうならないための備えなら判るけど。」
28 折田「ガスは買いに行けないと困るから小さい焚き火台。」
29 沢渡「焚き火台?」
30 折田「バーベキューコンロになる小さいのがあるんだよ。」
31 沢渡「いやそれは知ってるけど、どこで使うん?」
32 折田「そりゃあの部屋だろ。外は課長だらけなんだし。」
33 沢渡「へやキャンするの?」
34 折田「外が課長で溢れたら
「社内で焚き火した程度じゃ怒られないだろ。」
35 沢渡「いやまあそうかもしれないけど。」
36 折田「それに付随したトングとかクッカーもほしいな。」
37 沢渡「調理器具なら食堂にあるんじゃね?」
38 折田「おっそうだな。あっデカイ冷蔵庫あるな。」
「食材ウハウハだな。」
39 沢渡「いっそ燻製器でも買うか?」
40 折田「いや作ろうぜ。せっかくキャンプするだし。」
41 沢渡「え?キャンプ決定?」
42 折田「日程合わせようぜ。」
43 沢渡「課長に相談してくれよ。」
44 市城「おかえりなさい。」
45 沢渡「ただいま。平、裏口だっ急げ。」
46 平「え?おう。」
47 市城「あ、僕も。」
48 沢渡「市城きゅんは課長監視業務に励んで。」
「隙きを見て精算お願いします。」
49 市城「判りました。レシートと、あとその荷物預りますね。」
50 折田「とりあえずここでいい?」
51 市城「そうだね。設置は直前だから。」
52 折田「でも一度シミュレーションしといた方がよくね?」
53 市城「それがいいかも。今から組んでみようか?」
54 平「工具とかは?」
55 沢渡「そこまでの大仕事にするさもりはないよ。」
56 平「倒れてこない?」
57 沢渡「上擦ってるから大丈夫だろ。」
58 平「止まるか?」
59 折田「とにかく並べてみようぜ。ダメなら何か考えよう。」
60 沢渡「そうだな。」
61 平「でっきるかなでっきるかな。」
62 沢渡「やっぱり上少し擦ってるな。」
63 折田「平、壁を登れ。頂上にサングラスがあるから。」
64 平「は?」
65 折田「そしたらやれやれ休暇は取り消しかって言え。」
66 平「お前はさっきから何を言っている。」
67 市城「そんな事よりちょっと抑えてもらっていい?」
68 平「おう。これ倒れてこないか?」
69 市城「消防の人が来ている時に倒れたらコントだね。」
70 沢渡「コントならそこで暗転してほしいわ。」
「もう少し押して。うん大丈夫。」
71 折田「ベコベコはするけど倒れる事はなさそうだな。」
72 沢渡「少しだけ斜めに立て掛けるようにするか。」
73 平「傾きに気付かれないか?」
74 折田「この程度でどうだ?」
75 沢渡「避難訓練て年2回?」
76 市城「うん。」
「セキュリティシステムのチェックも年2回あるよ。」
77 平「本部に言って雨戸みたいにしてもらおうぜ。」
78 折田「雨戸?上と下にレール付けるのか。」
79 沢渡「いいかも。総務からの依頼なら通るだろ。」
80 折田「今まで隠そうとしていなかったのが不思議だった。」
81 平「なんで?」
82 折田「バレたら大騒ぎになるじゃん。」
83 沢渡「この部署人は来ないから。」
84 市城「そう言えば来ないね。」
85 沢渡「部屋も端にあるし課長がいるから。」
86 平「沢渡も友達いないからな。」
87 沢渡「いても仕事中に行き来しないだろ。」
88 折田「友達いないのは否定しないんだ。」
89 沢渡「同僚の友人は色々と面倒だから。」
90 市城「面倒って?」
91 沢渡「立場とか姿勢とか。女同士って結構アレなのよ。」
92 平「お前は女だからどうとかって関係無いと思う。」
93 沢渡「どういう意味だ。」
94 平「怖いって。お前良くも悪くも仕事人間なんだよ。」
95 沢渡「だから?」
96 平「だからって、それだけだけど。」
97 折田「相手が女子だと気を使うってだけだろ。」
98 市城「男相手だと興味無いから気楽なのかもね。」
99 平「お前女と飲むより男と飲む方が楽しいだろ。」
100 沢渡「場合によるかな。」
101 折田「場合って?」
102 沢渡「仕事終わりで飲むなら男のが面白いな。」
103 平「プライベートは?」
104 沢渡「女子酔わせて本音を聞きたい。」
105 平「お前は俺か。」
106 沢渡「あっ。この会話録画されているのか。」
107 折田「このテープは自動的に消去される。」
108 沢渡「どうにかして本当に消してしまいたい。」
109 折田「健闘を祈る。」




