第11話 誰かが何かをしたからこうなった
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 第二企画室開発部課長対策係課長代理
平 同研究員 補佐
折田 同研究員 主査 広報担当
市城 同研究員 主査 事務担当
1 平「なあ沢渡。」
2 沢渡「課長代理って呼べって言ってんだろヒラ。」
3 平「なあ課長代理。」
4 沢渡「何かねヒラ社員。」
5 平「ヒラ言うな。」
6 沢渡「で、何だよ。」
7 平「血液検査の結果とか来た?」
8 沢渡「来るわけないじゃん。」
9 平「え?なんで?」
10 沢渡「健康診断じゃあるまいし。」
11 平「異常が無いなら無いで教えてほしいじゃん。」
12 折田「異常あったらここにいないだろ。」
13 市城「今頃地下の研究所で切り刻まれてるよね。」
14 平「市城君て怖いことさらりと言うよね。言うよねー。」
15 沢渡「課長と同居ってパターンもあるぞ。」
16 平「シェアするには狭いだろ。せめて個室が欲しい。」
17 市城「間取りの問題?」
18 市城「こっち来るね。」
19 折田「見えているのは間違いなさそうだな。」
20 市城「見て来たって事は思考能力があるって事だよね。」
21 平「どうかな。考えなしに行動する人だし。」
22 折田「自身の分析が的確だな。」
23 市城「ただの反射行動って事?」
24 平「思考だとしても「食べ物だー」レベルじゃね?」
25 市城「それはそれで」
「幼児とか動物レベルの知能があるって事だよね。」
26 折田「実験するしかないな。」
27 平「迷路に入れてみたい。」
28 市城「食べ物に電気流すとか。」
29 折田「知能があるって判ったら次は躾。」
30 平「玉乗り仕込む。」
31 市城「人を襲わないようにするのが先だよ。」
32 平「襲うの?課長は人を食うの?」
33 折田「そういやお前課長に襲われたんだよな。」
34 市城「沢渡さんが助けてくれたんだよね。」
35 平「うーん。今となると課長は襲ったんじゃないのかも。」
36 折田「なにそれ。」
37 平「助けを求めて縋ってきたのかも。」
38 沢渡「来週カメラ付けるってよ。」
39 平「俺達監視されるのかっ。ここは監獄なのかっ。」
40 市城「僕達の安全面を考慮しての事だから。」
41 平「これで増々奴らの思う壺だ。お前手先だな?」
42 沢渡「奴らってのが上司の事なら私は手先かもな。」
43 平「貴様身体だけでなく魂まで悪魔に売り渡したのかっ。」
「社畜めっ。社会の畜生と書いて社畜っ。」
44 市城「突っ込まなくていいの?」
45 折田「見ちゃいけません。」
46 沢渡「自分の勤める会社を悪魔の巣窟呼ばわりって」
「お前もとうとう辞職する決意を固めたか。」
47 平「アホかっアホー。俺様は後の悪の帝王ぞ。」
48 市城「あれって」
49 折田「見ちゃいけません。」
50 沢渡「さあさあ図面広げて。」
「悪魔の前にせめて仕事の鬼になってくれ。」
51 市城「沢渡課長代理。総務から通知届きました。」
52 沢城「うん?何のタイミング?」
53 市城「課長の取説みたいですね。」
54 折田「取説?何それー。」
55 市城「本部が何をするのか書かれています。」
56 平「今更?」
57 折田「ようやくまとまった的な事じゃね?」
58 平「俺らに何か押し付けてきた?」
59 沢渡「いや。今まで通り監視業務だけ。」
60 市城「余計な事するなって意思表示かな。」
61 沢渡「それこそ今更。」
62 折田「なにか引っかかるのか?」
63 平「判ったっ。実は課長はまだ生きていて」
「俺達にそれを知られたく無いんだっ。」
64 市城「え?判ったて何が判ったの?」
65 平「市城君てたまにアレだよねー。」
66 市城「それと来週課長の部屋の改装が行われます。」
67 沢城「具体的な仕様載ってる?」
68 市城「部屋を仕切って手前に机と椅子を置くって。」
69 折田「何それー。何それ。ちょっと詳しく教えて。」
70 市城「手前の部屋にテーブルと椅子を設置。」
71 平「リビングとキッチンを分けるのか。」
72 市城「本当にここで食事させるつもりみたいですよ。」
73 平「マジかっ。本気で躾するつもりかっ。」
74 市城「これって折田君の言っていた実験じゃないのかな。」
75 沢渡「実験て?」
76 平「お前の留守中に画策をだな。」
77 折田「よせやめろっお前が言うとややこしくなる。」
78 沢渡「ならないよ。平の発言ごとき。で実験て何。」
79 市城「課長に知能テスト的な事ができないかなって。」
80 沢渡「知能?課長に?」
81 平「先ずはスプーンから始めて箸マスターまで。」
「そしてテーブルマナーも叩き込む。」
82 折田「確かに躾されているようには見えるな。」
83 平「早速ロードマップだ。」
84 沢渡「何の?」
85 平「箸マスターに決まっているっ。」
「テーブルマナーはそれが出来てからだな。」
「最初はやはり日本料理からだ。」
86 市城「平君は和食のマナー知ってるの?」
87 平「箸は右。茶碗は左。」
88 折田「平にこそ教育を与えるべきじゃね?」
89 沢渡「諦めろ。彼はもう手遅れだ。」
ボツネタ
折田「この世に神はいないのかっ。」
沢渡「あの世にいるからな。」
平「悪の帝王ならここにおりますぞ。」
市城「(見ちゃダメだ。見ちゃダメだ。)」




