第10話 疑心暗鬼
1 平「前から気になってたんだけど。」
「パンダ部屋って換気どうなってるの?」
2 沢渡「密閉室で循環だよ。仕様書見てないのか?」
3 折田「定期的に窒素と酸素入れてるじゃん。」
4 市城「観葉植物とか置いて光合成させればいいのにね。」
5 平「だめだな。課長が草を食う。」
6 市城「空気感染するなら」
「最初の時点で僕達感染しているよね。」
7 折田「そうだよな。普通に換気扇でいいよな。」
8 沢渡「元々人が入らない場所だから。」
9 折田「何それ。」
10 沢渡「見たことないかな。」
「ガラスに手袋付いてて手だけ入れられるの。」
11 折田「知ってる。」
12 沢渡「設備が古くなって」
「遠隔アーム導入予定だったて聞いた。」
13 折田「沢渡来た時ってどうなってたの?」
14 沢渡「仕切りが外されて一つの部屋になってたな。」
15 折田「課長がこうなって工事出来なくなったのか。」
16 沢渡「いやアーム導入に反対意見が出た。」
17 折田「なんで?便利じゃん。」
18 沢渡「故障に対応できない場合がある。」
19 平「デシタルよりアナログのが便利な事もあるってな。」
20 沢渡「どっちも使えるようにしろって話しだけどな。」
「予算の都合もあって工事が伸びた。」
21 平「で、課長が入り浸っていたと。」
22 折田「じゃあ課長がゾンビになったのって」
「会社に問題あるって事じゃね?」
23 沢渡「いやいや仕事中にエロサイト見る課長が悪い。」
24 平「本当にエロサイトウイルスに感染したならな。」
25 沢渡「お前が言い出したんだろ。」
26 平「課長はTウィルスを開発したとしたら?」
27 市城「Tウィルスって何だっけ?聞いた事あるけど。」
28 折田「無視していいよ市城。」
29 平「俺達で解毒剤を調合しようぜ。」
30 市城「解毒?調合?」
31 平「この部屋でハーブを育ててだな。」
32 市城「それって合法の?」
33 折田「さあ何から手を付ける?」
34 沢渡「まずは逃走経路の確認だろうな。」
35 市城「課長さんがあの部屋から出た場合だね。」
36 平「そんな事起きるかな。」
37 折田「あり得ないなんてあり得ないんだぞ。」
38 平「何処の錬金術師だ。」
39 市城「逃げるって言ってもドアが一つなんだよね。」
40 沢渡「集中して混乱しないように予め順序を決めておく。」
41 市城「じゃあ一番は沢渡さんが。」
42 沢渡「平ぁ。これが心遣いだ。お前も見習え。」
43 平「でもお前の席一番遠いじゃん。」
44 折田「だからこそだろ。」
45 沢渡「いや。私が一番最後ね。」
46 市城「え?」
47 沢渡「責任者がとっとと逃げるわけにいかない。」
「私に構わず逃げなさい。」
48 平「かっけぇなお前。でもそれフラグ立つぞ。」
49 折田「いや、後でひょっこり現れるタイプだ。」
50 沢渡「逃げ出した後の役割を決めましょう。」
51 折田「一番先に逃げられるのは平だな。」
52 平「俺が出たら即ドアを締め課長を封じ込める。」
「お前達の犠牲は無駄にはしない。」
53 折田「うわ最悪。」
54 市城「最低だね。」
55 沢渡「お前には何も期待していない。」
56 折田「次は俺か?市城か?」
57 市城「場所的には折田君だよ。」
「ドアが開いて最初に狙われるの折田君だし。」
58 折田「俺の後ろだもんな。ドア開いたら教えろよ沢渡。」
59 沢渡「なんで?」
60 折田「なんで?ドア見えるのお前と市城じゃんよ。」
61 沢渡「だから?」
62 折田「うわっこいつ黙ってるつもりだ。」
63 平「心配するな折田。」
「ドア開いたらこいつはきっとニヤニヤするから判る。」
64 沢渡「そうね。事前に何度かドッキリ仕掛けようか。」
65 折田「は?」
66 沢渡「あっ。」
67 折田「えっ?」
68 沢渡「ちゃっちゃちゃーん。ドッキリでしたー。」
69 折田「止めて。マジ止めて。」
70 市城「折田君が出て次に僕で、何すればいいかな。」
71 平「とりあえず俺にお茶をだな」
72 沢渡「一番近い部署に行って報告と連絡。」
「その前に火災報知器鳴らすか。」
77 平「俺それ押したいっ。押したいっ。」
78 沢渡「じゃあ押せ。」
79 折田「あ、端末は個人のロッカーじゃなくて」
「一箇所に置いて管理するのどう?」
80 沢渡「手提げ金庫にでも入れてロッカー室の隅に置くか。」
81 市城「1.端末持って外へ。」
82 折田「2.火災報知器を押す。」
83 平「3.着替えて歯を磨く。」
84 市城「4.他部署への避難指示。あれ?」
85 平「監視されている可能性があったから」
「会社じゃ言えなかったけどさー。」
86 折田「どうした。早く聞かせろ。」
87 平「課長があの部屋から出たと同時に」
「お前の言った事が本当に起きたらどうするよ。」」
88 折田「何それ。もう少し詳しく。」
89 平「詳しくって言うかそのままだけど。」
90 折田「は?」
91 平「だから俺達閉じ込められた状態で」
「課長が出てきたらって話。」
92 折田「金属バットで課長の頭潰すしか無くね?」
93 平「お前それ出来る?そもそもあれって俺専用だろ?」
94 沢渡「もし本当にそうなったら?」
95 市城「うん。」
96 沢渡「カメラに向かって叫ぶ。」
97 市城「助けてって?」
98 沢渡「頭を潰されたくなければとっとと開けろって。」
99 市城「え?」
100 沢渡「意図的にそうさせないための金属バットよ。」
「貴重なサンプルを無駄にしたくはないでしょう。」
「事故なら躊躇無く課長の頭潰すけど。」
101 市城「え?金属バットって平君用に」
102 沢渡「まさか。ちょっとこっち来て。」
103 市城「うん?」
104 沢渡「こっちの部屋、隠しカメラあるの。」
105 市城「ええっそうなの?」
106 沢渡「だから昨日申請出しておいた。」
107 市城「申請って何の?」
108 沢渡「万一に備えて私達の部屋にもカメラ設置して」
「本部で監視していただけると助かりますって。」
109 市城「え?ええ?」




