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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第七章エダ編
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「特別VIP会議」1

「特別VIP会議」1



NYに集まった祐次、エダ、JOLJU、エリス、リー、ベンジャミン。

各異星人と地球のリーダーによる超VIP会議!

JOLJUが語る勝手な神たちが与えた試練。

その内容は、それぞれの種族の命運がかかっている重要案件!

***




 2月8日 NY サウスブロンスク。


 この日の昼……この世界でも屈指の特別なVIPが集まっていた。


 今朝早くNYに転送装置で戻ってきた祐次、エダ、JOLJU。NY共同体のリーダー、ベンジャミン、銀河連合の<レリシア>エリス。そしてク・プリアンのリーとド・ドルトオたち。


 エリスが計画してセッティングした秘密会議だ。


 外見はJOLJU以外、全員<人間>だが、地球人は半分。残りは異星人だ。



 ここで、JOLJUは全員の前で、もっとも重要な話をした。



「まずね。パラは地球に侵略しにきた。ただその方法とやり方は意見が分かれてね。で、決まらないうちに皆も知っての通り宇宙戦争も起きちゃった。そんで……オイラ含めて皆にとって厄介なだけの無責任な神が4人集まって、今後どうするか会議が行われたJO。まとまんなくて投票になって、五票あるうち二票は邪魔する存在は完全排除して地球を掌握するという意見。二票は大反対。これで票数が拮抗。で、最後に残った<BJ>は、中立」


 以前<BJ>から直接聞いた祐次以外の全員が息を飲んだ。

 この話は当事者であるリーも、銀河連合のエリスも知らなかった。



「反対は二票? 反対はJOLJUだけなのに?」とエダ。

「オイラLV2だから二票権利があるんだJO。偉いもん」

「偉い自覚があるのならば、もっと自重して下さい」

「むすーっだJO」


「そこで<BJ>は条件を出した」と祐次。


「全種族にね。ロザミィのパラにも、ゲ・エイルやク・プリにも、銀河連合にも、地球人にも。条件というより<試練>といったほうがいいかも」


「我々にも課せられているわけですか? ですがその試練がどういうものか<BJ>から伺っていません」とエリス。


「我々も聞いていない。第一JOLJU以外の神はこの星系では会っていない」とリー。


「我々パラ人ですら<BJ>と会ったことはない。ロザミア様くらいでしょう」


「パラの皇族は神と直接会えるのが特権みたいなものだJO。だから他の宇宙世界でもVIPだJO。ま、<BJ>はどこかの異次元で見てるだけじゃないかだJO?」



 <試練>の内容を、JOLJUは知っている。


 <勝手な神の会議>の中で、一番偉いのがこいつだ。



「エリスはともかくゲ・エイルとク・プリの<試練>は簡単だもん。もう言っちゃうけど『手段と方法は問わないからテラ星系から自力で脱出する事』だJO。だから星系を出たら、もう干渉しないし攻撃もしない。こんなこと、言われなくてもそうするじゃん。ただ<BJ>が<試練>として認定したから、神はその妨害はしないの。オイラ案件だから銀河連合に報告しても銀河連合本部は一切関与しないし。来ちゃったエリスたちはまた別」


「銀河連合の<試練>とは何ですか?」


 エリスたち銀河連合が関与するというのは既定路線ではなかったはずだ。一応雑とはいえ最初にJOLJUは銀河連合本部に「この案件はオイラがみるからほっといてー」と言い捨てている。これだけで銀河連合はもう手出しはしない。エリスたちが来たのは銀河連合というより、祖国のパラが大きく関係している事件で、エリスたちもパラ人。その責任を感じたのと他人事ではないと判断したからだ。ただ所属は銀河連合になっている。


 ただし、そのこと自体はJOLJUも計算していた。



「そっちとパラはちょっとリンクしてるトコがあって、絶対教えることはできないの。『自力で気づく事』も<試練>の一つだから。でも、パラと地球より難易度が遥かに楽だJO。厄介なのはパラと地球の<試練>だJO。こっちは難易度MAX! 直接リンクしてるのと、どっちも失敗すれば即全種族滅亡に繋がっているし、<試練自体に気づく事>、<その試練の答えを見つけること>、<試練を乗り越える>……そこまでやって、初めて<BJ>の意見は中立から『人類を滅亡させず別の道を模索する』に変わることになってるJO。ま……ク・プリ……リーたちには今言ったけど、ゲ・エイルはもう少し前に気づいたみたい。<BJ>は接触しない約束だから、そこは他の馬鹿たれ神が少しヒント出したのかもしんない。でなきゃあいつら単細胞だからもっと大暴れしてるだろうし」


「それが先日の事件の根本にあるというわけですか」とエリス。


「オイラ隠し事嫌いだし口軽いから言っちゃうけど」

「自重してください」


「気にしちゃダメだJO。ゲ・エイルは、惑星内活動拠点はなんとか維持できるまでになったけど、宇宙航行できる船がない。逆に、ク・プリの母艦<プレセ・ドガニク>は完全墜落しなかったから、艦内に装備してある緊急用脱出宇宙船<スベゼ・ギグン>ならなんとかなる目算がついたんじゃない? あれ、艦内にあったから宇宙戦争の被害は受けてないし、あれなら少人数で動かせるし宇宙航行だけならなんとか出来るでしょ? ただ、ワープできないけど」


 この事は黙っていたわけでも神の叡智で知っていたわけでもない。先日<パーツパル>をジャックした時、スキャンをして知った情報だ。



「それぞれあと一歩か二歩足りないわけですね」とエリス。


「でもその一歩か二歩は自力では難しいんだJO。簡単なら<試練>っていわないもん、仮にも<銀河LVの神の試練>だし。で、ここに基本中立の銀河連合の<パーツパル>がキーパーソンとして関係してくるわけだJO」



「大体分かってきた」


 祐次は腕を組んだ。


「パラ、銀河連合、地球人、ク・プリ、ゲ・エイル……今地球にはこの勢力がある。そしてすべての種族にそれぞれ<試練>が用意された。解決には現状どの組織も二歩か三歩足りていない。足りないのが二歩なら、三勢力が手を組めば……どれかの<試練>は一つ……一歩分は解決するという事か」


「クロベの読みは凡そ正しいと思う。現状だと銀河連合、地球人、ク・プリは共闘できる。これでク・プリの<試練>はクリアーできるかもしれない。この星系から脱出するだけだからな」とリー。


 自力……が条件だから、エリスの<パーツパル>で連れていくことは<試練>のクリアーにならない。


 多分、その時は<BJ>か他の神が邪魔をする。


 接触の必要はない。

 

<ハビリス>をもう一段だけ強化さけただけでエリスたちもテラ星系から脱出できなくなる。今でもギリギリ対応できる高次元科学だ。神の科学力ならば造作もないことだ。


 エリスが今持っている情報では、パラとゲ・エイルには銀河連合は協力できない。

 この両勢力はどちらも明確に銀河連邦法を犯している侵略者で、そして銀河連合の立場でいえば地球人救済もその職務に入る。ただし原則その存在を公然と知られるのはまずい。


 まだ地球人は宇宙に異星人の文明世界があることを知らない。

 ALは知力を持たない生物兵器で宇宙人の接触とは違う。



「今の話を整理すると……銀河連合と地球、ク・プリの共闘はク・プリ救済だけではなく、銀河連合と地球人の<試練>の一部も含まれている……と思われる」とエリス。


「多分な。<BJ>は明確な<試練>は何も言っていない。アレは<気づき、自分たちで道を見つけろ>と言った。そういう意味では正しく中立だ。どこにも贔屓はしていない」と祐次。


「パラには加担しているだろう。元々パラの守護神だし、他の神は明確にパラの陣営です。ロザミア様はおそらく全部知っている。だからJOLJUは我々にロザミア様と接触するな、と言ったのでしょう?」とエリス。


「贔屓は地球人にもちょこっとね。オイラが『不公平すぎる!』って猛抗議したし。オイラの関与を認めているだけでも、他に比べたらすんごい贔屓だし」


 とはいえJOLJUができる助けは<神>の力は使えず、<ただのJOLJU>としてだけで、神の力を使って<デウス・エクス・マキナ>で解決させることは色々な理由があってできない。



「まだまだ難題だな」


 エリスとリーは顔を見合わせる。


「地球人はどうなるやら。俺たちは完全な被害者だ。神も宇宙も自分勝手すぎる」


 祐次も面倒くさそうに呟く。



 だが……。



 初めてこの話を聞いたエダとベンジャミンの衝撃は、三人が受けたものとは比べ物にならないほど大きく、二人とも目を丸くしたまま言葉も出てこない。


 知的異星人の世界だけでも地球人にとっては驚愕モノなのに、そこに<異星人の神>まで絡んでくると、地球人にはどうやっていいか分からない。



 数秒の間の後、ようやくベンジャミンの口が開いた。



「お前ら……なんて話をしているんだ!? とても理解できん」


 神がいることも、その<試練>とやらも、さっぱり分からない。地球人に何ができるというのか。ALに抵抗するだけで精一杯なのだ。


 その点エダは多少祐次やJOLJUと一緒にいた分、もう少し現状が理解できた。



「地球人の力。……戦力として……ですか?」

「俺たちがか? エダ君」

「多分……」


「エダ君、断っておくが……本人の前でいうのも何だが、クロベは特別だ。こいつはもう地球人の規格じゃない<化物>だ。戦闘力も適応力も経験値も、こいつに匹敵する人間なんていない」


「同意だ」とリー。


「まったく同意する。テラリアンが全てクロベと同レベルならば、銀河連合本部も目の色を変えて飛んできて、本格的な生態調査が始まる」とエリス。


「俺を何だと思っているんだ?」と祐次。


「ゲ・エイル並の戦闘力があって、ク・プリレベルの科学知識はすでにあり、銀河連合レベルの科学知識にもついてこられる。何よりJOLJUを手懐けている。そんなものが種族でいるならば相当な特別種だ」


「うん。祐次は特別。だけど地球人は価値があるの」



 エダは祐次のことだけを言っているわけではなかった。



「特別VIP会議」1でした。



各異星人と地球人リーダー格が集まった超VIP会議!


ここでようやくJOLJUが公式にパラの侵略と神々の勝手な会議とそれぞれ試練があることを認めました。

祐次はすでにこの話を聞いているので驚きませんが、他の人間にとっては衝撃事実です。


神……といっていますが、全員パラの神でほかの異星人たちにとってはただ迷惑だけど絶対に勝てない超生命体たち。

実はこいつらが(<UFJ><FUJ>)には異星人に対して試験を与えられる立場も権利もないのですが、<BJ>には全種族に試練を与える権利があります。JOLJUもあります。

その<BJ>が、パラの侵略を一時停止する代わりに全種族に与えたのが<試練>。

この試練を乗り越えた種族だけは、<BJ>が保護してくれる……というのが正しい認識ですかね。


最難関は地球人とパラ人。

実はこの二種族の試練には<BJ>だけでなくJOLJUもかかわっているので、JOLJUも教えてくれません。ただ贔屓のヘルプはしてます。ただし<ただのJOLJU>でかかわることが条件で。


難易度は


ク・プリ、ゲ・エイル(脱出するだけ)>>銀河連合>>>パラロザミア>地球人


です。


この中で、特異点であり特別枠なのが祐次とエダです。

祐次はもう地球人代表というより全種族にとっての鍵!


そして今回ベンジャミンも呼ばれて、地球人も参加しました。

ベンジャミンも優秀ですが、そのベンジャミンですら絶句。

ちなみに時間軸は違いますが同じ立場が拓編の伊崎さんですね。

そう考えると、祐次には及ばずともエダくらいの認識に、自力に辿り着いている拓が特別なのも分かります。


ということで超VIP会議は続きます!


これからも「AL」をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] たしかに、他の試練と比べたら 手段方法は問わないから自力で脱出するは 難易度だけ見たら簡単ですよね 神の力抜きでもJOLJUがいるだけで 相当地球人組は助かってますよね 地球人としても代…
2023/03/13 18:01 クレマチス
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