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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第七章エダ編
327/394

「戦闘警戒!」

「戦闘警戒!」



エダ奪還作戦!


潜入した祐次たち。だがそれはすぐに気づかれた。

戦闘準備をする祐次たち。

だが、まずはゲ・エイル本人は来ない。

特殊生物兵器<グビドン>とは!?

***




 だがJOLJUは難しい顔をした。

「この船には<グビドン>が装備されてるんだJO」

「厄介だな」


 リーは腹立たしそうに舌打ちした。

 祐次は分からない。



「<グビドン>?」


「簡単にいえば……ゲ・エイルの<AL>。つまり戦闘用人造生物兵器だ」

「何だと? そんなものがあるのかJOLJU? 宇宙じゃあ一般的なのか?」

「一般的じゃないけど珍しくもないJO。白兵戦争でも調査用とか偵察用とか、いろんなタイプの人工生物兵器を使うJO。宇宙も惑星も生命体にとっては過酷だもん。そういう特化した人工生物を利用することは違法じゃないし、便利だし」


「そういうときはロボット兵器とかじゃないのか?」


「そっちを愛用する文明もあるけど、機械のほうがローテクで汎用性ないんだJO。宇宙じゃあ簡単に壊れるし、回収もしないといけないし」


「<グビドン>はゲ・エイル専用の生物兵だ。兵といっても知力はあまり高くない。強さもALタイプ2くらいだ。ただ何種類かいる」とリー。


「十分厄介だ。タイプ2は人間の三倍は腕力がある。しかしそんな生物兵が沢山いてもALには勝てないのか?」


「ALのほうがよほど性質が悪い。とにかく物量が桁違いすぎる」



 ALの個々の強さは大したことはない。ALが恐ろしいのは科学に対する高い対応力とどんな環境も動ける性能、そして倒したら今度は倍増で増え、さらに強くなる特性だ。広大な大気圏がある惑星上ならば復活に時間がかかるが、密閉空間の宇宙船の中では復活はすぐだ。最後は対応不能になる。


「ここは完全密閉だから、ALが入ってきたら一気に増殖するから要注意だJO。宇宙船内だと自動的に<宇宙船制圧モード>に切り替わるから」

「ALは敵味方認識能力がないからな」


 ALはパラ以外の全てが敵だ。


「お前ら、好き勝手だ」



 三人はまっすぐ進む。


 5分ほど進んだとき、JOLJUは先頭にいる祐次のズボンを引っ張り、足を止めた。



「気づかれたJO」

「もう、か?」

「そりゃあ戦闘種族の拠点だし、探知装置や監視装置はあるし。そこまで馬鹿でもないJO」



 そういうとJOLJUは自分の四次元リュックの中から銀色の腕輪を取り出し、祐次とリーに手渡した。



「オイラカスタムの個人携帯用フォース・バリア発生装置だJO。これでビーム兵器やガス攻撃をはじき返してくれるJO。前から部品くすねてこっそり作ったんだけど、性能はク・プリやゲ・エイルのよりいいと思う」


 そこは30世紀の科学者だ。JOLJUが作るものは次元が違う。


「数はこれしかないのか?」

「だって元々祐次とエダ用に作ったんだもん。これだってバーモンドのゲ・エイル船でようやくエネルギー充電完了したばかりだし……宇宙物質だから地球ではエネルギー調達できんのだJO」


「白兵や物理攻撃は?」


「ガードするJO。でも物理攻撃の場合バリアの反発もあるから衝撃はくる。数回攻撃を弾くと相手も順応させてくるから油断はしちゃ駄目だJO? 突貫で作ったからあんまり出力もないけどないよりはいいJO」


「もっと強靭なバリアが作れるんじゃないのか?」


「科学力はパラリアン基準に抑えてるJO。これでもルールギリギリなんだJO? これク・プリにはオーバーテクノロジーで、エリスが激おこぷんぷん丸になるJO」


 エリスが煩いだけならいいが、やり過ぎると他の神が怒る。そっちがまずい。神同士の喧嘩になると一惑星くらい簡単に消し去ってしまうし、罪には問われない。



「分かった。防弾チョッキくらいのもんだと思って保険くらいに思えばいいんだな?」


「気にするなクロベ。そう特別なものでもない。個人携帯のフォース・バリア装置は宇宙戦闘では基本装備だ。だがこれで互角以上に戦える」



 リー……ニ・ソンベもク・プリの携帯フォース・バリア発生装置を持ってきているが、当然JOLJUカスタムのほうが性能は上だ。



「これ、小さいボタンがついてるでしょ? 本当にヤバい時はそれ押せば、10秒間は完全防御の最強レベルのバリアが張れる。何食らおうがここが核爆発しようが光子爆弾だろうが耐えられるけど、一回だけ。それでエネルギー使い切っちゃうから。通常使用だと基本最大2時間だJO」


 元々ク・プリの船もゲ・エイルの墜落船もエネルギー不足で難渋した。JOLJUの科学力を以てしてもこれが精いっぱいだ。先の大侵攻でも、JOLJUにとって一番頭を痛めたのは宇宙文明用のエネルギーで、地球のメインエネルギーである電気では到底足りない。


 なので量産はできないし一度使い切るとしばらくは使えない。



「ありがたいが、いいのか?」


「ルールなんて知ったことかだJO。怒られるのオイラだし。耳なんか貸さないし反省もしないけど。でも絶対他の人間には秘密だJO。リーは他のク・プリにも秘密~」



 怒られても屁とも問題ではないのは、さっき空港でエリスとのやり取りを見て分かっている。JOLJUを縛る法律はなく、良識と良心に訴えるしかない。


 というより、これがJOLJUの良心が許すギリギリの反則なのだろう。


 これまでもピンチは数多くあったが、ここまでJOLJUが力(権力)を使うのは初めてだ。アイテムだってク・プリですら持っていないもので、それだけ今回は特別なのだ。



「了解だ」

「完全バリアはALにも有効だけど、できればALには使わないでだJO。多分5度くらい弾いた後順応されちゃうから、今度はもっと強いバリアを用意しないと駄目になるけどさすがにオーバーテクノロジーすぎるし、それも結局順応してくるから無限ループに陥るJO。エリスはともかく<神>のあいつらにバレるとちょっと拙いんだJO」


 JOLJUがここまでオーバーテクノロジーのアイテムを出すのはこれまでなかった。

 よほど怒っているのか、それだけエダや祐次は特別なのか、こういうものがなければどうにもならないほどゲ・エイルは強敵なのか……おそらく全部だろう。


 二人で腕輪を付け終わった直後、船内に甲高い警告音のようなアラームが鳴った。


 祐次とリーはショットガンを構える。


 説明を受けるまでもない。侵入者に気付いたゲ・エイルの防犯システムか戦闘警告音だ。



「銀河連合か我らク・プリが攻撃を仕掛けてきたと判断したんだろう。しかし交渉も警告もなくいきなり戦闘だ。<グビドン>がすぐにでも来る」

「俺に用があったんじゃないのか?」

「まず相手をするに足るか見る気だ」


「JOLJU。ゲ・エイルの馬鹿とエダの現在地は?」


「ここから100mほど先にメインブリッジ。さらに50mほど先の2フロアー上に研究室があるJO! エダは研究所のほうにいるJO! 階段はなくてエレベーターみたいなものがメインブリッジにあるから、まずは目指せメインブリッジだJO」


「<グビドン>とやらを蹴散らせということだな」



 祐次はベネリM3の安全装置を外した。


 その直後だ。


 船内全域に高音の警戒音のようなものが響いた。



「艦内警報システムが作動した。俺たちのことがバレたようだ」とリー。


「エリスのパカンちんー!」

「もうとっくに気づかれてたんだろ?」

「不審な何かの反応を見つけたのと、敵と認識したは別だJO。もうここから戦闘カーニバルだJO」

「転送上陸を阻止されなかっただけでもエリスの功績だ。我々ク・プリだけなら到着した瞬間<グビドン>に取り囲まれているし、ゲ・エイル自身が駆けつけている。<グビドン>を差し向けたのは威力偵察だ」


 エリスは銀河連合の正式交渉人としてゲ・エイルのリーダーである<ミドレクト・エアラ>と交渉中のはずだ。ゲ・エイル側も対応を迷っているのかもしれない。エリスたちと一戦すれば銀河連合も敵となる。そうなればこの地球圏でゲ・エイルの味方はいない。白兵戦はともかく艦隊戦ではゲ・エイルには1%も勝ち目はないし、銀河連合と交戦となれば、他の宇宙域にいる他のゲ・エイル艦隊も罪に問われるかもしれない。エリスの見解ではそこまで愚かではない。


 しかしすでに交戦中のク・プリや協定外の地球人との戦闘は禁止事項ではない。


 心なし緊張を漲らせるリーに対し、祐次は落ち着いていた。


 祐次に宇宙世界の均衡や政治など関係ない。



 エダを拉致した。

 この瞬間、祐次にとってはALと変わらない敵だ。一切配慮などない。



 殲滅させる。攻撃してくるなら皆殺しにするまでだ。


 エリスと違って完全に敵と割り切った祐次は、完全に戦闘モードに切り替わり、激情は収まり逆に冷静になっている。



 単純に、敵が現れたら殺すだけだ。



「後ろは任せるぞリー。JOLJU、お前は俺のバックアップだ」

「了解」

「あいあいさーだJO!」


 三人は警戒態勢のまま、さらに30mほど進んだとき……それは前後に出現した。



 14体の<グビドン>だ。


 前方に8体、後方に6体いる。



「……こいつが<グビドン>か……」



 祐次は睨む。



 これが、祐次と<グビドン>……。



 いや、地球人とゲ・エイルの全面戦争の始まりだった。


「戦闘警戒!」でした。



ということで次回から本格戦闘編です。


祐次とリー……地球人最強&ク・プリ最強が組んだスーパータッグ! これでJOLJUとエリスがサポートにいるわけですから、ドリームチームだす。


今回の鍵はJOLJUのバリア。

万能ですが地球ではエネルギーが足りないので回数制限があります。

無人島で廃材利用するようなものです。


そして<グビドン>!

実は科学的に考えると……サイボーグやロボットは超科学文明同士だとあまり有効むではない、という事実。回収されて利用されたり分析されたりするし、宇宙は放射線やら磁気嵐もあるので。これは宇宙で戦争できるような超科学文明の話で、そんな超兵物兵器を開発できない文明は勿論機械兵など使っています。地球はようやくドローン兵器があるくらいなので、どれだけ科学の壁があるか……そして兵物兵器としても実はかなりチートなALです。馬鹿みたいに高い順応力と学習進化能力が反則なんです。地球にいるALは一応JOLJUがリミットつけてますが、実は<宇宙戦闘用>だとリミットは外れるのでこっちが本来の性能です。


<グビドン>とは何か! は次回。戦闘も次回です!


完全に宇宙SFです。


これからも「AL」をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ロボットなんかだと倒された後での回収もですが 改造されたら面倒くさくなりそうですし 生物兵器ならば万が一つかまったり改造されそうになっても自爆させたりや改造を受け付けないように 前もってプロ…
2022/11/14 17:13 クレマチス
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