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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第五章エダ編後半
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「JOLJU提案!」

「JOLJU提案!」


立ち往生するエダと祐次。

そこにJOLJUから連絡が。

祐次たちの危機を聞いたJOLJUは、こっそり用意していた策を提案する。

再びあの光子爆弾使用!

これが最後の一発!


***



「多いな」

「……そうだね」


 その時だ。祐次の無線機が鳴った。相手はJOLJUだった。



『やっふー♪ 順調かだJO? AL、やっぱ多い?』


 相変わらずJOLJUは暢気な声で聞いてきた。


「お前、もう通信できないんじゃなかったのか?」


『コレが本当に最後の最後だJO! いやあ~、今ヘリセンターに向かってるけど、ALがすごい数だから大丈夫かなーっと思って』


 JOLJUはALの大群の中を平然と飛んで移動している。もう周りはALだらけだが、JOLJUは攻撃対象ではないからALも反応はしない。



「大丈夫なワケないだろ? 俺が20人はいないと、こんな数突破できないぞ? スパニッシュ・ハーレムかアッパーイーストサイドのどこかの屋上で拾えないのか? ヘリコプターで来るんだろ?」


『えー!? 無理だJO! 普通のビルにヘリコプターは着陸できないし、ALに見つかるし! それに今こっち上空にタイプ4が2体飛んでて……ウロチョロしてると見つかっておじゃんだJO!』


 JOLJU自身は攻撃対象外でも、ヘリコプターは攻撃対象だ。


「セントラルパークは? あそこなら着陸できるだろ?」


『絶対ALに囲まれてるJO! 離陸してもすぐに撃墜だJO』


「なんとかしろ!」


『無理だJO! んー……そういえば共同体の皆は無事島への避難、終わったの?』


「ああ。残っている馬鹿は俺たちだけだ」


『んーんー……最終手段使っていいかだJO?』


「最終手段?」


 まだ何か手はあったか?

 そう、実はJOLJUは最後の手段を一つ残していた。



『イースト川のランカース島近くに<ケリン・レザド>撃ちこむJO』


「…………」


 祐次は思わず息を呑んだ。


 そうだ。<ケリン・レザド>……光子爆弾がまだ一つ残っていた。

 ほとんど戦術核と同レベルの破壊力を持つク・プリ星人の爆弾だ。

 さすがに物騒で扱いきれないので、『ロングアイランド殲滅作戦』の後、残った一つはJOLJUが持っていた。


 あれを街に撃つわけではない。ALには爆発の威力ほどは効果がなく、逆にNYの街のほうが崩壊する。第一祐次やエダが巻き込まれて生きてはいない。


 だから、JOLJUのプランは川のど真ん中に撃つ。


 目的は、爆風で川の水を舞い上げ、周辺を水浸しにする事だ。そして鉄砲水を発生させてNYを水で洗い流してしまう。水が弱点のALには有効な手だ。凶悪期でいつもより水に対する耐性は強いが、それでも弱点であることは変わりない。これは前回の作戦の時知った有効な対AL作戦だ。つまり人工的な雨と津波を起こすのだ。


 ランカース島は、NYのブルックリンとブロンクスの間……イースト川が湾のようになっている場所で、川幅は最大3km以上あり、水深もあり、水の量は膨大にある。島は今無人だ。


 祐次が感心したのは、JOLJUの地理の目の付け所だ。


 ここならば大きなロングアイランド島を挟んでいるので、皆が避難している反対側の大西洋側にあるロングアイランド湾やジャマイカ湾のほうに津波の心配は少ない。壊滅するのはブルックリン、ブロンクス、クイーンズ、そしてマンハッタンの東側で、今ならば住民に被害は出ない。いや、住人のいない今でしか使えるときはない。



「しかしお前、どうやってランカース島に撃ちこむ? お前がいるのはマンハッタンの島先だろ?」


 ヘリコプターセンターは、マンハッタン島の南端にある観光用飛行場にあり、JOLJUが今いるのはマンハッタン南部で、ランカース島は北部で10kmほど離れている。ヘリコプターに細工をしなければならないから、今すぐヘリコブターに乗って投下する事は出来ない。そもそもヘリコブターの用意が整うのが3時前のはずだ。


 その点、今回は時間もあり、しっかりJOLJUは計画を立てて準備をしていた。



『あー……大丈夫。実はク・プリの船の砲台を直して<ケリン・レザド>をセットしといたから、遠隔操作で撃つだけだJO。元々脱出のとき陽動の一つとして使う予定だったんだJO』


 元々ク・プリ星人の光子爆弾で、ク・プリの船の武装だ。ここから撃つのが本来の使い方だし、これを使えるようにするのは、JOLJUなら簡単だった。


 ヘリコブターがNYを脱出するときが一番危険だ。だからJOLJUは、脱出時の陽動のため、この爆弾を発射できるように細工をしていたのだ。


「お前、そんなことしていいのか? ルール違反じゃないのか?」


『そんなこと知ったことか、だJO! まぁそんなに反則じゃないJO。元々ク・プリの光子魚雷で、それをク・プリの船から撃つンだから、自然といえば自然だJO。うん、まぁ……距離も近いからそんなにエネルギーも使わないし、転送機も使わないことになったから、その分エネルギーを別に使えたし』


 つまりもう用意は終わっているということだ。


 祐次は決断した。

 もう40分しかない。



「10分後に撃て。その間に建物の中に避難する! 10分後だぞ!」


『了解だJO~! これで本当に3時まで連絡できないJO~!』


「ああ」


 祐次は無線を切り、懐に戻した。

 そしてエダに手短に次の作戦を説明する。


 エダは先月の『ロングアイランド殲滅作戦』の実戦には関わっておらず、祐次とJOLJUがやった<ケリン・レザド>を使った爆破作戦を見ていないから、爆発がどんなものか知らない。



「屋上は駄目だ。びしょ濡れになるし、爆風と衝撃波で吹っ飛ばされる。ビルや店も危険だ。衝撃波でガラスがみんな割れて飛んでくる。頑丈な建物で広い場所だ。それで近くだ」


 避難猶予は10分しかない。



「祐次! あそこは!?」


 エダが指差した先にあったのは、小学校だった。確か市立小学校だ。

 マンハッタンにある小学校で、郊外の小学校のように大きくはないが、建物は頑丈で中は広くシンプルだ。ガラス窓が多いのは気がかりだが、窓のない部屋や廊下側ならば被害は受けないかもしれない。


 あの爆発力だ。下手に防御力の低い弱い建物に入って倒壊して今度は出られなくなったら笑うに笑えない。だが学校であればそこそこ頑丈だし、いくつか出口があり、ある程度の広さの廊下は確保されている。


 何より今いる場所から、1.5ブロックほどで近い。

 問題は、そこまでどうやって行くか、だ。


 大通りを通らなくても行けそうだが、屋根を伝っては行けない。もうどこを見てもALはいる。蹴散らして行くことはできるが、弾が心配だ。今、祐次はJOLJU・カスタムのマガジンを付けた自動小銃があり、2500発ほど持っているが、これだけALがいると、乱戦になれば10分で使い果たす。学校が最終目的地ならば構わないが、そこから国連ビルまで移動しなければならない。


 しかし、ここまで来たらなるようにしかならない。



「爆弾でマンハッタンは水浸しになる。それで突破できるよう、祈るしかないな」


 祐次はバッグからM4カービンCQBとステアーAUGを取り出した。バッグをしっかり背負い、まだ使っていないステアーを背中に担ぐと、M4カービンCQBを握った。どっちの銃もJOLJUカスタムのマガジンが装着されている。


 戦いながら小学校まで駆けるしかない。



「走れるか? 10分しかないから、お前にとってはほとんど全速力だ。お前はとにかく走れ。俺が護衛しながら走る」



 エダは顔を上げた。



「祐次」

「?」

「4分なら……襲われずに移動できるよ!」

「何?」

「4分あれば、半分くらいは進めるんじゃないかな?」

「…………」


 そういうと、エダはセーターの上から胸に仕舞ったペンダント……<オルパル>を強く握り締めた。


 <オルパル>のAL避けは一日二度。インターバルは約30分。さっき使ってから一時間は過ぎたから、もう一度だけ使える。



 出し惜しみをしている状況ではない。



「JOLJU提案!」でした。


珍しく?JOLJU活躍!

ALには有効な街ごと水浸し作戦!

幸いNYは大きな川に囲まれています。

しかし爆発は核爆発級なので街もかなり吹っ飛びますが、今は住民も避難しているので巻き込む心配なし! ということで用意していた作戦です。

作中でもいっていますが、この爆弾では大してALは倒せないのて背、川に撃ちこみ津波を起こすのが一番効果があります。凶暴期なのですぐに対応しますが時間は稼げる!


しかしエダと祐次も避難しなければならない!


そこでエダの<オルパル>です!

すでにデズリーたちで使っているので、これが二度目です。

そして作中描写でしっかり描かれるのはこれが初めてです。

本当に<AL避け>になるのか!?

しかしどっちにしても時間はない!


これからも「AL」を宜しくお願いします。

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