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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第四章エダ編
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「異星人の船長」

「異星人の船長」



ド・ドルトオたちから教えてもらった彼らの船長の話。

旅に出たまま消息をたったニ・ソンベ。

彼は英雄と呼べるほどの資質と能力をもっている!

だが疑問も。

***



 そして、もう一つの情報は<ラマル・トエルム>についてだ。

 帰り際、ふとド・ドルトオが祐次に言った。


「これは飽くまで可能性の話だが、<ラマル・トエルム>が地球の英雄の名称でない事は知っているね?」


「ああ。宇宙の魔人だろ?」


「ということは、命名したのは我々かゲ・エイルかパラリアンだ。しかしそんな超人的な地球人の噂は聞かないが、我らが<デダブ>、ニ・ソンベは特別な存在と言ってもいいかもしれない」


「一人旅に出た、アンタたちのリーダーか?」


「彼は有能なナンバー1だ。外見は我々同様、質量ホログラムで地球人の姿に偽装している。そして彼は旅に出る際、リミッターを外した<エノラ>で戦闘力を強化した。白兵戦でも地球人やゲ・エイルに引けは取らないし、地球の銃火器の技術も習得している」


「なんだと?」


「ニ・ソンベは強い。一人でも生き残っていると思う。そして宇宙科学の知識も豊富で、万能の人だ」


 祐次は目を見開いた。


 それが本当であれば、<ラマル・トエルム>の条件にも符号するし、<BJ>が接触していてもおかしくない。

 外見や人種はホログラムでなんとでも化けられる。

 何より世界をどうにかするため動いている。


「だが……ちょっと気にもなる。条件には合うが、彼が<ラマル・トエルム>と呼ばれるようになるかどうかは分からない」

「何故だ?」


「そうだね……地球人の君に分かりやすくいえば……君もかなり強く優秀でしょう? 英雄と呼ばれるに十分な素質がある。では地球人が君を称えて『<英雄ヘラクレス>と呼ぼう』と言い出したらどうする? 君は嬉しいかね?」

「成程。嫌だな」

 そんな徒名、つけられては堪らない。大仰だし大げさだし、何より恥ずかしい。むしろ小馬鹿にされていると思うだろう。まず「やめてくれ」と断るだろう。


 そういう事だ。ク・プリアンにとって<ラマル・トエルム>という魔人の名前はそういう存在で、その伝説をよく知る当事者が名乗るには、大仰な名前なのだ。


 しかし<ラマル・トエルム>を知らない地球人は、そう呼ばれても特に気にしないだろう。

とすれば、やはり地球人か?


 だが、そのニ・ソンベが特別な存在であることは間違いないようだ。

 そしてどうやら地球人の味方といっていいらしい。英雄と呼ばれるに足りる存在だ。



「はっきりと断言はできない。正直分からないがね」

 ド・ドルトオはそう言って苦笑し、話は終わった。


「ま……手がかりは手がかりだ。<デダブ>……ニ・ソンベというク・プリアンが、特別な事は分かったし、<ラマル・トエルム>第一候補だ」


「一応ド・ドルトオさんから、質量ホログラムの外見イメージを何パターンかもらってきたけど」


 JOLJUはラックトップを操作して、中に入っている画像データーを表示した。

 祐次は画面を覗き込む。


 年齢は20代から40代。髪はおそらく地球人でもっともベーシックな黒で、身長は180から195cm。ク・プリアンは基本背が高く痩せ型で体格はふくよかな体格ではない。肌はどちらかといえば白く、目鼻立ちや顔の彫りは深い。つまり白人系か、極東アジア系だ。

顔のパターンのサンプルは、10つほど画像を貰ったが、ド・ドルトオの話では、ク・プリかゲ・エイルの宇宙船に行く事があれば改良して変更することもできる。


「元、こんなの」


 JOLJUはポポン、とキーボードを叩いて3DCG画像を表示した。


 現れたク・プリアンの男こそ、ニ・ソンベだ。


「思ったより……若いな」


「デーラ年齢61歳だJO。ク・プリは地球やパラと<一歳>が違うし寿命も違うし、年齢の価値観が地球人とは違うから、一概にいえないけど……そだなぁ……地球の肉体年齢にするとしたら27歳くらいかしら?」


「若いな」


 言われて見れば、顔立ちや体格など、若々しい雰囲気がある。元々体力にも自信があったから、旅に出たのだろう。



「しかし何でニ・ソンベは一人で旅に出るんだ?」


「ク・プリは優秀な人間ほど行動的だしね。理由は分かんないみたいだJO。ド・ドルトオさんたちも、地球の調査と生存者の確認のためだと思ってたみたいだけど、なんか違うこともしているみたい。今では音信不通みたいだJO。だから生死も分かっていないみたい」


「そこは秘密か?」


「本当に知らないみたい。嘘はないと思うJO。ま、連絡手段も基本ないしね」


 地球人から見ればJOLJUはポケモンだが、他の異星人にとっては、JOLJUは高度な超生命体の神だ。騙せるとは思っていないし、JOLJUの機嫌を損なう事はしない。


「もし<ラマル・トエルム>候補なら、今回のAL襲撃に駆けつけて、窮地を救ってくれたりしてくれれば助かるんだけどな」


 そういうと祐次は洗い立ての清潔なシャツに着替える。

 これから病院だ。シャワーを浴びたのは気分転換でも汚れたわけでもなく、アリシアの診察をするためだ。感染症を持ち込まないために、アリシアと接するものは清潔に、というのは祐次自身が決めた命令だ。


「異星人の船長」でした。



今回重要なのは、ニ・ソンベさん。

果たして彼が<ラマル・トエルム>なのか!?


でも確かに「キミは英雄だ。<ヘラクレス>と呼ぼう!」といわれると嫌ですが、米国人はこのくらいのことはニックネームでいいそうですが。


そう、そもそも祐次たちは<ラマル・トエルム>を探すためにやってきたわけです。

今回のことは重要なヒントかも。


さて、この後病院に行く祐次。次回、祐次の独白回。


これから「AL」をよろしくお願いします。

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