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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第三章エダ編・後半
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「黒衣のサムライ」

「黒衣のサムライ」



銃をもった連中に囲まれる祐次。

だが祐次は余裕。

実は丸腰ではなかった。

取り出したのは、異星人の最新科学の剣!

それでも戦力差は30対1だが……!?

***



「何しやがった!! テメェ!!」


 スティーブは怒鳴りながらレイジングブルの銃口を祐次に向けた。

 祐次は恐怖するでなく慌てるわけでもなく、冷静にポケットから煙草を取り出して火をつける。


「おい!」


「俺の友人に変わったエイリアンがいる。そいつの仕業だ。ちょっと時間はかかったが」


「ふざけんな! なんだそりゃあ!! それが本当なら何故テメェは行かねぇ!!」


「俺は一人でも帰れる。さぁ、どけ。怪我はしたくないだろう?」


 そういうと祐次は悠然と出口に向かって歩き出した。


 最初は訳が分からず呆然としていたBandit(バンデッド)の連中も、祐次が動き出したのを見て慌てて銃を手に取り祐次を取り囲んだ。


 スティーブも後ろから近寄り、祐次の頭に銃を突きつけた。


「テメェ! 医者は殺さないとでも終わったのか!? もうお前を生かす理由はねぇーんだぞ!?」

「メリッサの出産があるし術後の処置もある。今俺を殺せば四ヵ月後に後悔するぞ?」

「そのくらいならリチャードのオッサンを拉致すりゃあ済むぜ」

「リチャードは、帝王切開はできないぞ? 薬害が出たら通常分娩は無理だ」

「煩ぇ!」


「銃もない相手に8人も……案外臆病だな、お前ら」


 祐次は周りを見回して人数を数えた。

 銃を持って取り囲んでいるのは7人とスティーブ。他の連中は遠巻きに見ているが、銃を手にしていないだけで、銃は近くにある。この倉庫内に30人はいる。


 30対1だ。


 だが祐次は全く恐れていない。


「根性があるのは好きだが、舐められるのは嫌いだ。俺の愛想もここまでだ。これ以上逆らうのなら殺す」


「分かった」


 そういうと祐次はポケットから折りたたみナイフを取り出し、それを投げ捨てた。


「これで丸腰だが、撃つか?」

「当たり前だ馬鹿野郎」


 スティーブはレイジングブルのハンマーをコックした。


「このクソガキを縛り上げろ! 大人の恐ろしさを思い知らせてやる!」


 祐次を取り囲んだ連中は接近し、銃を逆手に持ち殴る体勢を取った。袋叩きにする気だ。


「何で俺がエダだけを逃がしたか、分かるか?」

「は?」

「俺が人を殺すところを、あいつに見せないためだ」


 祐次の真後ろの男がショットガンを逆手にし、祐次の背中を殴りつける。


 それが当たる寸前、祐次は素早く身をかわすと、一瞬のうちに男の腕を掴み、投げ飛ばす。そして隣の男の腕も掴むと、腕をねじ上げてひっくり返した。そして倒れた二人の鳩尾を蹴り上げ気絶させた。


 一瞬の出来事だ。


 喧嘩の技術ではない。武道家の動きだ。当然だ。祐次は合気道3段の黒帯だ。



「貴様!!」


 スティーブは銃を向けた。


 振り向いた祐次の手には、奇妙な金属の物体が握られていた。そして振りかぶったとき、その金属から光の剣が出現した。


 スティーブの放った一発を祐次はかわすと、スティーブの懐に飛び込み光の剣を一閃した。剣はスティーブの腕と両足を切り、スティーブは何か弾かれたように激しい勢いで吹っ飛んだ。



 丸腰だった男が、手に巨大な剣を持っている!



 祐次はすぐに反転すると、取り囲む連中めがけて剣……ヴァトスを大きく一閃した。


 剣は一人で止まることなく、一閃で三人を薙ぎ倒した。


 突然のありえない反撃に、Bandit(バンデッド)たちは驚愕のあまり反応が遅れた。


 至近距離は、白兵戦の熟練者であれば銃より白兵戦のほうが速い。


 普通であれば、一人を相手にしている間に他の人間は反撃できる。刀でも剣でもナイフでも、人間一人の物体を殺傷するには数秒かかる。物体には抵抗力もある。


 だが祐次が手にしている異星人の剣<ヴァトス>の特殊ブレードは、人間の体など何の抵抗もなく、まるで紙でも切るかのように切り裂いていく。



 僅か4閃。それで祐次は取り囲んでいた8人を全員倒した。



「な、なんだあれは!!」


 連中の一人が祐次を指差す。


 祐次の手には、光の剣ではなく、銀色の巨大な剣が出現していた。刃渡りは120cmもある長大なもので、とてもどこかに隠せるサイズではない。しかもその剣は淡い光を放っている。



 これが<ヴァトス>だ。



 普段は剣ではない。その契約者の思考に反応して剣は出現する。そしてその刃は鋼鉄だろうが岩だろうが肉の塊だろうが簡単に切断する凄まじい切れ味を持つ、フェスト合金の刃を持った異星人の使う剣だ。その強度も長さも全て登録者の任意で形成できる。


「なんだあのサムライ野郎!!」


 ようやく周囲の連中も膠着から弛緩した。とにかく目の前に敵が出現したことは確かだ。そして周囲を取り囲んでいた近距離の連中は全員倒されたが、自分たちは距離が20mは離れている。


 彼らはすぐに銃を掴んだ。


 だが祐次も、こうなることは分かっている。


 ヴァトスを左手に持ち変えると、その刀身を最大に展開した。

 刀身が光った。そして次の瞬間、長さ2m幅60cmの巨大な剣が出現した。


 祐次はそれを地面に突き刺した。

 これは盾だ。この陰に体を潜ませる。


 連中は構わず発砲するが、弾丸は全て剣に弾かれる。拳銃弾だろうがライフル弾だろうがショットガンだろうが、どれだけ当たっても剣はビクともしない。


 Bandit(バンデッド)たちは10秒間、ほとんど狂ったように弾を撃ち込んだが、全て剣の盾に阻まれ、その一発も祐次の体に当たる事はなかった。やがて連中の弾は切れた。



「くそ! なんだ! そりゃあ!!」


 10人ほどの男が銃の弾を交換しながら接近する。角度が変われば盾の裏には隠れられない。


 祐次はブーツの内側にある隠しポケットからコルト・ディテクティブを抜くと、先頭を走る6人を狙撃する。

 弾は全て連中の銃に当たり、手から零れ落ちた。


 10mほどとはいえ、信じられない射撃の腕だ。


 祐次は撃ち終えたコルト・ディテクティブをポケットに入れると、ズボンに突っ込んで隠していたHK USPコンパクトを抜いた。


 そして残る4人の銃も、2秒で弾き飛ばした。

 見事に銃にだけ当てた。銃は吹っ飛び、手は痺れるが人体にはダメージはない。


 しかし信じられない射撃の腕だ。



「ば……化け物か!?」


 祐次は剣の影から半身を出すと、連中の足元に向け連続で威嚇射撃をする。


 すぐ足元で弾が跳ね、Bandit(バンデッド)たちは思わず凍りつく。


 祐次は全弾使い切ると、新しいマガジンに交換して構えた。



「俺の射撃の腕は分かっただろう? ちょっとでも動けば今度は頭を吹っ飛ばす」


 祐次の威嚇に、連中は完全に呑まれた。

 信じられない戦闘力を見せられた後だ。そして剣の盾に驚異的な射撃能力。祐次がその気になれば50m離れていても、的確に目玉を撃ちぬき殺せる。



 勝てない。

 いくら武器に差があっても、この化物相手に、勝てるはずがない。



「化け物か。なんだこのサムライ」

「本当に人間か!?」

「嘘だろ……」


 全員の戦意は萎んでいく。



「てめぇ……どこで銃を……!? それに何だ、それは!?」


 ボディーチェックはしたしバッグも調べた。剣も銃もなかった。


「秘密だ」


 祐次は先頭の男の顔面にUSPコンパクトの銃口を突きつけた。



 この銃はエダが持っていたものだ。エダの予備の銃で、左腰のカイデックス製インサイドホルスターに入れていたものだ。

 連中はエダのボディーチェックはしなかったのだ。

 ここに着いたときはアリシアが番犬のようにピッタリついて離れなかったし、どう見ても小柄な少女だし、基本ホルスターは右腰につけるものだし、レッグホルスターに銃があった。それを捨てさせたから、ないと思ったのだ。まさか11歳の少女が二丁も銃を持っているとは思わなかった。


 これがただの子供ならボディーチェックくらいはしたかもしれない。


 ただ……彼ら普通の大人の女が好きな連中から見ても、エダは特別上等な美少女だった。


 変にボディーチェックなんかやれば、思わぬ欲情が湧き出ないとも限らない。重要な人質で手篭めにはできないし、かといって率先して触りに行けば少女趣味の軟弱者と仲間たちに思われる。その見栄と理性が、エダにとっては幸運に働いた。


 インサイドホルスターで銃を携帯する案は、エダの作戦ではなく、偶然の産物だった。


 前日の射撃訓練で、エダが右腰のホルスターを時々邪魔そうにしていた。慣れていないからだが、それを見ていたアリシアが、カイデックス製のインサイド・コンシールドホルスターを薦めたのだ。ズボンの内側に入れるタイプのホルスターで、硬質のラバーが体の部分をカバーするからゴツゴツしないし見た目ほど重くもなく付けていても痛くも無いし、内側に入れるからシャツを着れば見た目では分からない。本当にたまたまの偶然で、テストとして使ってみたときこの事件が起きた。そして連中も気付かなかった。もし連中が言動のようにエダに猥褻な意図をもって扱っていたら見つかっていた。



 エダのバックアップは、祐次にとってのバックアップだ。

 今回の事件で、エダはこの祐次の言葉を嫌というほど痛感しただろう。


 この一丁が、祐次を救った。


 リボルバーは弾が6発しかなく、使い切れば脅威ではないが、オートマチック拳銃には10発以上弾が入っているし、マガジンチェンジも一瞬だ。



「銃を捨てろ。全員だ。でなきゃあ、弾の数だけ死体にする。今度は殺すぞ?」


 祐次のUSPコンパクトは最後のマガジン、残り13発しかない。だがそんなことを連中は知りようがない。

 現実はどこからともなく異様で巨大な剣を出現させ、銃を二丁も突然出現させたのだ。しかもUSPコンパクトは隠し持つような小型拳銃ではなくちゃんとした拳銃だ。祐次の化け物のような射撃の腕と戦闘力があれば、全員殺せる……連中はそう信じた。



 Bandit(バンデッド)たちは、銃を投げ捨てた。


 祐次が、この場を完全に制圧した。




「黒衣のサムライ」でした。



はい、祐次圧勝!

こいつ、化物デス。


まぁ……勝てた理由は三章前半に手に入れた特殊万能剣である<ヴァトス>と、エダが持ち込んだUSPコンパクトのおかげですが。

エダに二丁持たせて、エダのバックアップが祐次のバックアップ……というのは第二章の時の話で、その時の伏線がこの回ですね。連中もまさかエダが二丁も持っていて、一丁をインサイドホルスターで隠していたとは思ってもいなかった+エダが子供とはいえ美人すぎてちょっと遠慮+油断してしまった……という人間心理の裏をかいた作戦です。授けたのは祐次ですけど。


ということで祐次圧勝です。


これでこのエピソードも終わりか……と思いきや……なんとまだ続きます!

これから予想もしない驚愕の展開が!!

まさにエピソード・クライマックス!


ということでこれからも「AL」をよろしくお願いします。

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