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AL地球侵略編  作者: JOLちゃん
第三章エダ編・後半
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「誘拐犯たち」2

「誘拐犯たち」2



ついに祐次も連中の手に。

開放されたアリシアは、ベンジャミンと対策を相談する。

だが、いい手が思いつかない。

このままどうすることもできないのか!?



***





 きっかり3分後、一台のピックアップトラックでベンが現れた。


 ベンは車を祐次とスティーブの間に滑り込ませる。


「降りるなよ、ベンジャミン! アンタはただの運転手だ。手がハンドル以外のところにいけば二人を殺す」


「…………」


「じゃあエダの状況だ。用意は出来ているだろうな?」

「チャンネル8だ。かけろ」


 祐次はすぐに無線機のチャンネルを合わせた。

 そしてエダの名前を呼ぶ。

 エダが出たのは、三度目だった。


『祐次!? 本当に祐次!?』


「エダか!? 無事か!!」


『祐次!! 祐次!!』


 エダの声は怯え、涙声だ。祐次の背筋が一気に凍える。


「無事か!? 大丈夫か!?」


『大丈夫……アリシアさんが守ってくれて……今部屋に閉じ込められていて……怖い……ごめんなさい!』


「エダ。今から俺がそこにいく。心配するな。助けるから。お前には指一本触れさせない」


『祐次』


「俺が行くから待っていろ。誰かお前に危害を加えそうになったらこう言え。<危害を加えたら、患者を殺す>と。お前は待っているだけでいい。絶対助けるから」


『うん。分かった。祐次――』

 その時だ。通信が途絶えた。


 誰かがエダから無線機を取り上げたのだろう。完全に人質になっている。



「これで気は済んだか? ドクター」

「ああ」

「じゃあ次のステップだ。銃を捨ててこっちに来い」


「……分かった……」


 祐次はアリシアを一瞥すると、懐からHK45と予備マガジン、S&WMPコンパクトをアリシアに手渡す。そして二人は抱擁した。


 そこで祐次は小声で囁いた。



「…………」


 アリシアは僅かに目を見開いた。だが何も言わず頷くと、そっと祐次から離れ、ベンが乗ってきたピックアップトラックに乗り込んだ。


 アリシアが乗ると、ベンはすぐに車を発進させた。そしてそのまま最初の交差点で曲がり北に向かって去っていった。


 Bandit(バンデッド)たちにとって今こそ撤収の機会だ。ベンが安全圏に行くまでNY共同体側は動けない。


「よし。ドクターをボディーチェックしてから車に乗せろ。じゃあ付き合ってもらうぜ、ドクター」

「好きにしろ。ナイフはあるが治療で必要だ。後スマホを持っている。通信用ではなくて医療辞書の代わりだ」


「いまどきスマホなんてどうでもいい。好きにしろ」


 祐次は荷物を担ぐとアリシアが運ばれてきたセダンに向かって歩いていく。そしてセダンに乗り込む前、ボディーチェックを受ける。


「なんだこれは?」

 祐次の腰にぶら下がっている楕円形の奇妙な金属を見つける。

「診察器具だ。最新の、な。武器や無線機に見えるか?」

「えらくデカいバックルみたいだが、どう使うんだ?」

「検査だ」

「銃も他になさそうだ」


 その直後、男が背後に回り頭から麻袋を被せられ車に押し込まれた。


 そして彼らは動き出した。


 バイクの4人はしばらく残ってベンたちの追跡や尾行がないか警戒していたが、それがないと分かると連中も出発していった。





***





 ピックアップトラックは、そのまま北上し、NY共同体の領域であるイースト・ヒューストン・ストリートを超え、パーク街ストリートを北上していた。



 ここまでくればBandit(バンデッド)はいない。


 二人とも、表情は険しい。


「ごめんベン。完全に私のミス。気がついたときは武装した連中12人に囲まれて手も足も出なかった。UFOに入るところから見張られていたと思うわ。私とお嬢ちゃんが外に出たときには完全武装の連中が待っていた」


「クロベから話は聞いた。命があっただけでもよかった」


「エダのお嬢ちゃんはまだ連中の手の中。さらにドクターまで連中に拉致されるなんて!」


 アリシアは憤りを隠せない。


 捕まってしまった自分も。迷惑をかけた事も。何より以前の協定でこの手の犯罪行為は双方行わないという誓いを立てあったのに、それをあっさり破った連中に。本来ならばルール違反で戦争になっていてもおかしくない事案だ。


「医者を必要としている。エダ君は看護師だと念は押した。しばらくは無事だろう。問題は治療が終わったときだ」

「あの連中が二人をあっさり返す!? 返さないわ」

「かもな。こっちの報復を警戒しているのは確かだ。後2時間もすれば日が暮れる。夜じゃあ探すのが困難だし俺たちも対人夜間戦闘に慣れていない」


 自警団は銃器の扱いには慣れた連中だが、警官でもなければ軍人でもない。夜間戦争ができるほどの熟練度もない。夜になれば街は完全に闇に包まれる。


 連中もプロではないから、襲撃は可能だが、まともな組織の人間ではない分、一度戦争が始まれば収拾がつくかどうか分からない。



「誘拐犯たち」2でした。



ということでついに祐次も連中の手の中に!


アリシアは開放されましたが、果たして勝算はあるのか!?

そして連れて行かれた祐次の命運は!?

ベンジャミンたちはどう動く!?

相手は荒くれ者……何が起きるか分かりません。

ベンとアリシアの反撃とは!?


ということで次回でするる


これからも「ALをよろしくお願いします。

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