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where is the love potion?

 とある計画書


概要  リアと翡翠を引き離さなければ、□□□が生じるのでどうにかして引き離す。


実行日 計画の実行日が翡翠に察せられると拙いので、実行日はリア、翡翠に予測不可能なタイミングに行う。翡翠が湖の妖精を喰らいつくすことがタイムリミットであるので、湖には常に目を光らせておく必要がある


詳細 リアを始まりの町に転移する際に、翡翠との霊力のパスを完全に断ち切ることで引き合わせることがないようにする。霊力を断ち切る術は大掛かりになるので翡翠が眠っているタイミングで霊術の構築を立てていくことにする。リアが魅惑の森に戻ってくることについての話題についても事前に霊力で縛っておく。


備考 もともとリアと翡翠のパスが広がらないようにリリアという名前を奪い、リアという名前を新しくつけたが少しの遅延程度にしかならなかったので急遽とり急ぐことになった。





ここで紙はちぎられている。




「なにこれ……」


 ヤサギ君と戦い始めて5日目の私は、机に無造作に置かれていた計画と書かれたを凝視していた。いったい、何を書いているのだろうと私の中の思考がぐちゃぐちゃになってしまう。リリアという謎の人、翡翠ちゃんとの霊力のパスが繋がれているということ、精霊が精霊を食べるつまり共食いをすること。そして何よりも一番の疑問が、


「どうして、こんな重要なものがこんな雑に扱われているn……」


「リア?見たわね」


「っ」


 ぞっとするような声色と共にお姉さんが私の後ろに立っている。その威圧的な雰囲気に振り向きたくないと思ってしまう。でも、そんなお姉さんに私はどうしても聞きたくなってしまう。


「お姉さん……私ここにはもういれないんですか」


「…………ぁ」


 お姉さんが嗚咽を吐き出しているようだ。お姉さんには私は必要なはずなのにどうして、こんな自信がつらい選択肢をっ。


「おね『霊呪:今日のことは忘れろ』ぇ……」




 

――――――――――――――――――――――――――――――――


 まず、私はリリアという本当の【名前】を思い出した。どうやら、お姉さんに名前を奪われていたらしい。


 次に、私は容姿が現実とは全く違うことを思い出した。桃色の髪に、おっとりとした目、胸も……くらいで、現実の黒髪ジト目がデフォルトの私とは全く違う。どうやら、このことに気付くことをお姉さんに奪われていたらしい。


 そして、私は私と翡翠と引き離すと書かれた紙のことを思い出した。机に置いてあった計画がかかれた紙のことを思い出した。どうやら、思い出すことを祝ったらしい。


 最後に、私はSARAという存在を思い出した。お姉さんとSARAの声はなぜか一致しているように思えた。どうやら……。


 私は忘れてはいけないたくさんのことを思い出した。そのどれもが私を震えさせるのに十分だったけど、どうってことなかった。


 お姉さんともう会えない、その結末だけが私を


……


…………


……………………


…………………………………………


……………………………………………………


…………………………………………


……………………


…………


……


 いや、そんな、わけないっ、ここからが、開始地点だっ。


 お姉さんに絶対に会え……いや会う。会いに行くっ……こんな些細なことがきっかけで、お姉さんに会えなくなるなんて認めないっ。お姉さんは私を必要としてくれていた。最後の最後までずっと。お姉さんに会いたい。会って、ハグをして、私にすべて黙って抱え込んでいたことを叱って、褒めてあげたい。今でさえ知らない名前を耳元で囁きたいっ。


 ……それに、下着を買ってくるという約束も果たさないといけないしね。


 翡翠ちゃんもどうなっているか心配だ、どうして引き離されなければいけなかったのだろうか。何か原因があるはずだ。それに、どうしてSARAという存在自体を忘却していたのだろうか、自分の容姿が違うことにどうして……謎が多いこれらも探ろう。


 うん、ここでやることが決まった。お姉さんはここら数日目に見えて不安定だったことを見るに、もう会えないなんて思っているはずだ。私はこれから、そんなこと馬鹿な考えだって突き付けてやる。


 こうして私こと【リア】のブラックボックスがゆっくりと開いていくような音が聞こえた。






「ねぇ、空。今、始まりの町で話題になっていることがあるんだけど……」


「うーん」


「……あなたも、始まりの町にようやくこれたんだから少しは興味を持ちなさいよ」


「だってね……」


「まぁ、いいわ。でね、ある極悪人が出現したから懸賞金が掛けられたらしいのだけど、その額……」


「うん、そうね、うんうん」


「絶対に聞いていないわね……一応空にもチャンスがあるからその人の特徴を言っておくね」


「はいはい、覚え」


「ピンクの髪で、おっとりとした目、身長はだいたい150センチ、で一番の特徴がそいつアイドルらしいのよ」


「あっ、それ私かも」


「「うん?」」


→to be continued?





――――――――――――――――――――――――――――――――



とある天邪鬼の日記


〇月△日

偽物があらわれた。


〇月△+1日

どうやら、悪い偽物ではないらしい。あの時と同じ言葉をもう一度聞くことになるとは思わなかったが偶然の産物だろう。引き続き偽物を見定めることにし、最悪の結果とならないためにも計画を立て始めることにした。


〇月△+2日

昨日の記憶が途中で切れているが、私の体調には異常がみられない、偽物が原因かと考えたがあまりにも偽物が無知だったのでそれはないだろうと見切りをつけた。引き続き偽物の観察を続ける。偽物はリアです。


〇月△+3日

まったく、根拠のない訓練を科したところなにも反論を得なかったので、リアはこの世界についてなにも知らないことがわかった。

リアは偽物です。


〇月△+4日

最近原因はわからないが私が不安定になっていると思われる節が出ているような気がしてならない。リアはリアです。


〇月△+5日

あの子はリアです。リアです、リアだから、リアです、リリアではないです、リアです。リアです。リアリアリアリアリアリアリリアリリアリリアリリアリリア、リアです。



この後のページは存在していない。



――――――――――――――――――――――――――――――――


 ねぇ、おねぇちゃん、どこ?

 

 翡翠色の光が……

この後の執筆などの予定は活動報告で書かせていただきます

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