輝く豚菜
5月7日から6月16日までの短歌です。
5/7
昼頃に
雨が降るとテレビが言う
信じて僕は晴天に傘
バスの中
必死にメイク熟す女性
揺れに耐えて視線に耐えて
「彼は僕を恋してるかな」
トラウマを癒やす様に
自らフォロー
「細鹿尾菜生やしている」と
友人を一寸揶揄う
女性教師
友人や教師に託し
友から逃げ
罪悪感を抱えて帰る
5/8
tiktok見ては評論し合って
笑う友人
叫ぶ友人
頭抱えPOPを作る
悩み《なや》に悩んで綴る
「サラダ記念日」
小学の時から一緒の
友人は
こんな剽軽なるとは知らず
世の中に
散々心汚されて
一人がこんな幸せだとは
5/9
啄木の命日に合わせ
息絶えることを思う
若き僕やら
キックボード乗りこなす子等
擦れ違い
無い思い出浮かぶ17
5/10
小雨の降る皐月に僕
半袖を無駄に着こなす
恥じらい捨てて
折り畳み傘が奏でる
rainmelody
乱数の歌耳に響く
化粧室
僕を見捨てて暗い儘
「死神来たか」勝手に思う
単純に見えた
歌集読み上げる度謎増える
「サラダ記念日」
「もう出来た?」
「終えたらくれよ」
日が経つ度頭抱えるPOP作成
雹で皆振り向いた5月10日に
昼下がりにて
跳ねる米粒
太陽に照らされ光る
車達
新車も中古も美しく見え
家帰るまで高校の生徒だと
かっこ付けてる
若き僕やら
5/11
矢車草
君も伸引しているか
皐月の光浴びる今日も
5/14
半年も綴ったの
自由律短歌
僕の心と共に退化か
「とくとく」の漢字分からず
スマホに頼った
これが現代人か
5/16
豚菜豚菜
豚菜咲く路走るバス
日に照らされ煌めく豚菜
毎日が
楽しい日々と思えたなら
イラストうんと描けてたのに
闇深い
噫闇深い
僕の心黒く塗ったの何処に居るの!
白十字見せる華は
毒溜み哉
輝く様に咲いた此の道
5/17
曇天に清々しく軽食する
ポカリスエット
カロリーメイト
5/18
影映る寝ぐせに気付き
引っ込めと一心に直す
御茶目な僕
日に日にと
データ量減るスマホ
嗚呼君よどこで食い込んだんた?
学校で
自らのキャラを打ち壊す
其れしか気持ち癒せなくて
5/20
近所にて
コミセンまつりがやがやとやっております
太陽の下
財布には
83073
ちょっとリッチと勝手に思う
綿菓子を
小僧の様に頬張って
我を忘れる高校の僕
故郷の味が染みてる
おじさんの作る焼そば
トレーがキラリ
コカ・コーラ片手に散歩
鮮やかな雑草の道
寂しく歩く
「お前らも元気になれよ」
僅かなる飲み物
土に優しく注ぐ
5/21
「キジバトの様に自由に飛べたなら…」
悩みを背負う
青春の僕
電波時計止まり
僕の集中も停止されてて
気持ちフリーズ
閑古鳥鳴いてる声と
キジバトの鳴いてる声が
侘しく合った
幸福の女神よ僕に降り注げ
涕流れる
その前に来て
5/22
川越に行く電車揺れて
新世界広がる車窓
八高線
高麗川を
「こうらいかわ」と誤読する若人思い
少しにやける
実習で
ビルには入りし見下ろすと
一味違う風景映る
5/23
車走る
そんな所で飛び回る燕等がいる
青梅街道
ぼんやりと椅子に腰掛け
何もかも忘れて
宇宙行きそうになる
歩いてて空を見上げても
歩いてて空を見上げても
地面の色や
5/24
吾夢を追いに追い駆け
未だ手には名誉も何も
得ぬ儘復追い
深夜降る雨から一転
日が差した
僕の心もそうであればな…
データ量
共に僕の気持ち迄日に日に減ってく
噫人生よ
給食が
機械のトラブル起きて今延長される
おお空前
曖昧な天気の果ては晴れだった
僕の人生
そうであればな…
5/25
斑鳩や鴉等が
夕焼けに何気と来てる
箱根ヶ崎駅
5/26
日が差すも空は曇りや
母親が不思議そうに
スマホ見比べる
オウオウと吃逆してる父親や
僕と似ている
これも遺伝か
常盤色掲げるザ・モールみずほで
はなまるうどん
鱈腹食べる
田舎町だがモールの中
大都会
休日にて物思う僕
5/28
唯一の駅の朝は人集り
昼は寂しく
屯する晩
せめてなら
僕がいたこと残せれるものさえあれば
早世もいい
5/29
今日の夢
怖い奴に追っ駆けられ
目覚めも悪く「嗚呼もう怠い」
偶然か?
天気に合わせ僕の気持ち変わりに変わる
天気男か?
ぼんやりな悩み抱え
生きてては
薬で図り目を閉じる哉
この道を踏み入れる度
牧場の雰囲気思う
それは何故
5/30
「人間に生まれてよかった」
「何故僕は人になった」
悩む弟
顔押さえ落ち込んだ時
窓見れば
憂鬱気味な曇りが見えた
5/31
友が言う
「俺もホントに悪かった」
ありがとう、でも心痛いの
6/1
剽軽になりつづ生きる
悲しみに満ちた僕は
昔を思う
「好きな事だけは死んでも離すな!」
CMに勇気
付けられる僕
プレッシャーは
怖いものではないと僕頭入れるも
まだ震える
6/2
焼そばの湯切りで作る
ほろ苦いカフェオレ飲んで
何とも言えぬ
水彩の夕日眺めて
寂しさを思う頃
猫が懐き癒えて
6/3
久々にマウス震わせ
イラストを一心に描いた
机片付け
日曜の憂鬱
癒やしてくれるのは
8時にやるイッテQだけ
実習を極度に皺を寄せてるが
行くの決めたの
理不尽な僕
「毎日が休日ならばいいのにな…」
王を夢見て
汗流す日々
何時しかと
罪に手を出す日を恐れ
だからストレス溜め続けてる
6/4
心震え
ホームのベンチ腰掛けて「良い子になろう」
でもできるか?
一人旅する気持ちを身にしめて
快速の電車
来るのを待った
ダンゴムシ
ホーム横断
テケテクと可愛く歩く姿眺める
珍しいオレンヂライン
乗り込んで
3つの線路贅沢してる
「トーストを食えば良かった」
駅のホーム一人で思う
…明日食べよう
昼休みに何を話そう
分からずに
ずっとだんまりイスに座る
頑張って
僕の口から声搾り出して
返事を必死に返す
小学の頃に言われた
「家帰るまでは遠足」
今思い出す
6/5
「本日は朝食食べてきた!」と僕
でも考えると
当たり前や
人前で荷物が走る
武蔵野線
今迄に無い迫力感じ
子狐が筋肉質になる絵で
自爆を起こした
一人寂しく
チカチカと点滅してる
「拝島」の電子掲示板
少し眺める
6/6
白黒の道に
一人で実習をしに
この都会一歩踏み入れ
静かなる
昼休みに僕この短歌一首詠んでも
まだ寂しい
6/7
笑いあり
勉強になるこの実習
心が強くなれた気がする
上司との最後の会話
タメ口で
「マジ泣きそう」と言った後悔
「僕なんかゴミ以下なんだ!」
そう思う僕にグーパン
お見舞いしたい
6/8
階段に縮こまってる
燕の雛
助けたいけど歯痒さあり
一心に走りし
僕は4と書く旗の前で
芝生に腰掛け
芝生にてボールを飛ばす
友人等
茶色い球がユーフォーになる
ジャージーの生徒ら叫ぶ綱引きや
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!
必死な男子
声合わせ
「セッセッセイヤ!セセセイヤ!」
皆で綱引き掛け合う言葉
6/9
PIXIVを始めてから
早一年
だが悲愴にも筆が進まぬ
一心に描いた
記念日のイラストに
「おめでとう」とコメントが来た
猫愛し
猫を撫で上げ擦り付かれ
猫に幸せくれた17
6/11
唐楓の路を歩く
雨の中
濡れた革靴重み感じる
訂正の数だけ鬱が増してゆく
何故お礼状
こんなに辛い?
兄弟で孤独なバス停
静かにと雨宿りして
来るの待った
6/12
プールサイド
清掃する生徒たち
体操服が涼しく濡れる
風揺らぐ
狗尾草の路歩き
僕だけ揺れず寂しさが増す
6/13
複雑で忙しく飛ぶ燕達
今日は祭りか
曇りの下で
夕焼に当たり
背伸びを一つする
疲れた体動かし帰る
優しさが分かってくれず
落ち込むが
これぞ英雄なのかと思う
6/14
白毛布被ったような
空の下
不思議そうにと眺めてる僕
だらだらと心に汗が
どっぷりと流し
ネクタイ無いこと試す
弟とその友人が
バス停でじゃれあう二人
それを見る僕
小難しい話聞かされ困る僕
相槌打ち
何とかしよう…
悲しみが直ぐには消えず
どれほどの弱音を吐けば
飛ばせるのかな
コーラ飲む
すると飼い猫僕の足優しく擦る
嗚呼幸せや
6/15
霧雨で雫を纏う
紫陽花の道に傘差し
伸引歩く
教室の人と
廊下の人との
カードゲームの試合を見ていた
6/16
雨の降る
土曜日に猫仄々と
「撫でて」と強請る可愛さに負け