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ドMベルナール・ウィルフレッド 視点

 私はベルナール・ウィルフレッド侯爵令息。母に似たのか女性のような容姿をしているため、昔から女性達にとにかくモテる。


今日も私は学園中の女性達から逃げ回る。しかし運悪く中庭で捕まってしまった⋯⋯⋯⋯


「ベルナードさまぁ~」「クッキー焼いてきましたわ!」「今日一緒にサーカス見に行きませんかぁ?」


「ははは、そうだなぁ」



そうじゃないだろ!!!こうだ!よ――く聞け!


「ベルナードさまぁ~→(おい下種野郎)」


「クッキー焼いてきましたわ!→(クッキー買ってこい十秒以内だ)」


「今日一緒にサーカス見に行きませんかぁ?→(おい下種野郎、すげぇ曲芸見せろよ)」


「ははは、そうだなぁ→(はい!只今!)」


だ!そして、


「私の別荘で休暇を過ごしませんか~?→(おい豚、お前休暇中は豚小屋で過ごせよ豚らしくな)」


「家の犬可愛いのですよ?見にいらっしゃいませんかぁ?→(お前は駄犬だ。チ〇チ〇でもしてろ。おい!何出してんだよ!ソレじゃねぇよ!去勢すんぞ!)」


「私の東屋を新しくしましたの。是非いらして下さい!→(お前は今日から東屋の椅子だ。息すらすんなよ)」


「はははそれはすごいなー→(よろこんで!)」


こうあるべきであろう?全く⋯⋯⋯⋯


――数日後――


「おいベルナール、ガスパード伯爵家から婚約の打診が来たぞ。私としては受けたい。今後の鉄道事業を考えると婚姻でガスパードと繋がれるのはありがたいんだよ」


「ガスパードですか。確か同じ学年にガスパードのご令嬢がいましたね」


「ああ、ニナさんだな。知ってるのか?」


「ええ」


ニナ・ガスパード、数多の婚約の打診を歯牙にも掛けない難攻不落の女性。美しい銀髪に神秘的な紫の目。滑らかな白い肌⋯⋯⋯⋯


私は想像する。もしあの美しい顔と紫の目で蔑まれたら⋯⋯あの白魚のような手で叩かれたら⋯⋯私を椅子として座っていただけたら⋯⋯


「父上、ニナ嬢にお会いしたいです」


「そうか!よかった。お前には山ほどの釣書が届いているのに全く興味を示さないから心配していたんだよ。いや~よかった!」



「お初にお目にかかります。ニナ・ガスパードでございます」


「こちらこそお初にお目にかかります。ベルナール・ウィルフレッドです」


始めて対面したが、彼女からは女性達が私に向ける欲情を感じない。これは期待大だぞ!


「いや~全く結婚に興味を示さなかった娘がベルナール様に是非お会いしたいと言いだしましてね――」


「いやいや、家の息子も普段は断るのですが、ニナ嬢とは是非に!と言うものですからね~はははは」


「「はははは」」


父達が盛り上がっている中、彼女は私を品定めするかのように鋭い目線で眺める。

おおおお⋯⋯少々興奮してしまう。イカンイカン。今は大事な場面だ失態は許されない。


そして私達の婚約が決まった。



私はニナ嬢と初めて二人っきりのお茶会に臨む。


「ごきげんよう。ベルナール様」


「ニナさんお久しぶりです。今日は天気がいいですね」


「そうかしら?ベルナール様がいらしてから雲が出始めましたわよ?」


はぁ~開始早々言葉で攻めて来ますな。うっかり興奮しそうだが、まだまだ先は長い。


「お茶どうぞ」


「ありがとうございます。え?⋯⋯⋯⋯」


な、なんとギンギンに冷えている!氷水攻めだとお?

ニナ嬢はしてやったり顔で笑っている。扇子で顔を隠してはいるが、隠れていない!

私は今、完全に蔑まれて笑われている!!ギンギンだ!


「あら?どうかなさいました?」


「いえ、ありがとうございました」


「はあ?」


その後も氷水を少し飲むとすぐに追加され、私は膀胱も攻められ続けた。


私はなんと素晴らしい婚約者を得たのだろうか!!

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