ハマの地獄族vs神奈川チョーコー part5
「おととい来やがれチョッパリ!」
喧嘩でヘアスプレーで立たせた髪がボサボサになりながら、神奈川チョーコー2年・チョン・サンウが、スゴスゴバイクを押しながら帰っていく地獄族6人の背中に向かって吠えた。
「はぁ~疲れた」
そう言うと、チョン・サンウは、歩道まで移動して腰を地面に落とした。
顔は喧嘩で疲れ切っている表情だった。
「はぁ~」
同じく、神奈川チョーコー2年・チェ・チョルジェ、歩道のコンクリの地面にへたり込んでため息を吐いた。
相手の振り回した鉄パイプが右側頭に当たったため、当たった場所から血を流して学ランに付着していた。
「あんたたち、加勢してくれて助かったよ」
チェ・チョルジェが、右側頭から流れた血を拭こうともせず、自分たちと同じように学生服がボロボロになっていた陸男と貞利に話しかけた。
「い、いや・・・俺は別に」
陸男は少し気まずそうに答えた。
(本当はチョンコーを助ける気はなかったんだが・・・・・・)
そう内心思いつつ陸男は、貞利をチラッと見た。
リーゼントがクシャクシャになっていた貞利は、髪を整えていた。
「あんたら名前は?そのバッジ、磯高だろ」
チェが陸男と貞利に続けて質問した。
「それは・・・・・・えぇっと」
陸男は慌てた。
神奈川チョーコーに、あの喧嘩以来。
自分たちの顔はもちろん、名前も知られている可能性があるからだ。
「三ツ矢貞利。こいつは陸男ってんだ」
そんな陸男の内心を知ってか知らずか、貞利が躊躇なく質問に答えた。
「そうか、三ツ矢に陸男か。あんたらはもう俺たちのトンポ(同胞)みたいなもんだ」
チェがそう言いながら立ち上がった。
(三ツ矢・・・・・・陸男・・・・・・)
3人のやり取りを座りながら見ていたチョン・サンウは、何かを思い出したように目の前2人のイルボンサラム(日本人)をまじまじと見始めた。
「あ!!」
チョン・サンウは、何かを思い出したかのように大声をあげた。
一斉にチョンの方に振り向く3人。
「お前ら、1年のブラックリストに載ってた貞利と陸男かぁ!」
右手で陸男と貞利を指さしながらチョン・サンウは叫んだ。
(げっ!気づかれた)
陸男は明らかに嫌そうな顔になり。
(やっぱ、俺たち狙われてたか)
貞利は、クールを装いながら内心の鼓動が早くなった。
チェ・チョルジェが、じっと陸男と貞利を見た。
4人の中で不穏な空気が流れる。
「ハハハハハ!」
そんな時、4人の間に入って大笑いする男が現れた。
「き、キム・ヨンジンソンニョル(兄さん)!」
チェ・チョルジェが、驚いた声をあげた。




