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ハマの地獄族vs神奈川チョーコー part3

1973年 7月 横浜駅構内 朝


神奈川県立磯子工業高等学校(通称・磯高)2年の陸男と貞利は、神奈川チョーコー生と喧嘩になっていた。

180cmと高身長の陸男と中ラン・ボンタンルックでキメていた貞利は、チョーコー生の格好の捕食対象であったからだ。

鶴ケ峰方面から電車で横浜駅まで来ていた陸男と貞利は、磯高へ行くために京急本線へ乗り換えようと横浜駅を2人で歩いている時だった。


「何ガンくれてんだ」


陸男と貞利の前に、小柄な学生が立ちはだかった。

身長は156cmぐらい。

胸には、サンペンのバッジがつけられていた。


(げっ!またチョンコーかよ)


陸男と貞利は、またかとうんざりしていた。

何故なら、登下校時毎度の如く神奈川チョーコー生に喧嘩を売られていたからだ。

その度2人は、チョーコー生と喧嘩する事のヤバさをよーく知っていたので、その挑発を無視。

それが数か月続いていた時の遭遇だった。


ちなみに、登下校時に集団で日本人不良を狩るのは、基本チョーコー1・2年生の仕事であり、その中でも喧嘩に弱い奴中心に構成されているのだ。

3年生はというと、登下校時日本人からの嫌がらせから女子生徒を守るため、女子生徒の護衛・ガードマンとして引率・同行する役目をおっている。

チョーコーグループによる日本人不良狩りだが、やはり、相手がチョーコーという事でほとんどが遭遇しても相手がイモ引いて逃げてしまうので喧嘩という形には中々なりにくかった。

なので、見た目弱そうなor背が低いチョーコー生が最初に単身日本人不良たちに喧嘩を売るようになる。

このやり方をすると、日本人の不良たちは、喧嘩を売ってきた相手がチョーコー生とは言え、自分たちよりもチビということで高確率で喧嘩を買ってくれるのだ。

そこで、指先一つでも触れたら最後、近くで待機していたチョーコーグループが大挙して押し寄せ、身体を触ってきた相手を集団で袋叩きにする。

これがチョーコー内で喧嘩の弱い1・2年生で構成されたチョーコーグループの必勝戦法である。

その他にも、まずはチョーコーグループの中でも一番喧嘩が弱いorチビから日本人の不良に対してタイマン勝負をしていき。

こちらが負けたら次に強いチョーコー生とタイマン勝負を行っていくという、チョーコー集団エンドレスタイマン戦法もある。

この戦法は、チョーコー側がタイマンで日本人の不良に勝つまで永遠に終わらないので、大体のチョッパリは根を上げて降参していった。

話は少し脱線したので、陸男と貞利がチョーコー生に喧嘩を売られた瞬間に戻す・・・・・・。


陸男と貞利の2人は、その神奈川チョーコー日本人不良狩りグループに登校時何度も遭遇して数か月挑発され続けていたので、完全に我慢の限界に達していた。


「てめーらいい加減にせいや!」


ブチ切れた陸男が、大声で叫びながら、目の間にいた背の低い神奈川チョーコー生に右足ローキックを思いっきり放った。


バキィ!


陸男の右足でのローキックが背の低いチョーコー生の左太ももを完璧に捉えた。

不意打ちのローキックに対処できなかったチョーコー生は、足を刈られるような形で宙に浮いた。

そしてそのまま思いっきり尻餅をついた。


「うぐぐ・・・・・・」


思いっきり尻餅をついたチョーコー生は、うめき声を発していた。

そして、すぐに立ち上がることができず明らかに腰を痛めた感じに見えた。


ダダダダダ!


チョーコー生が倒れたと同時に、周囲に待機していたチョーコー生たちが一気に飛び出してきた。


「陸男!逃げるぞ!」


十数人が、自分たちめがけて全速力で突撃してくるのを見た貞利は、慌てて陸男に声をかけて逃走を開始。

横浜駅構内を、逃げる陸男と貞利、それを追う数十人のチョーコー生という形になった。


「このままじゃだめだ!二手に分かれよう」


貞利は、陸男に二手に分かれてチョーコーの追っ手を分散させようと提案した。


「わかった!死ぬなよサダ!」

「おめーがな!」


その提案に乗った陸男は、貞利に軽口を叩きどこかへ消えていった。


「背の高いのがあっちに逃げたぞ!お前ら追え!」


後方からチョーコー生の声が聞こえてきた。


この追いかけっこは、数十分続き。

何とかチョーコー生の追っ手を撒き、貞利が磯高にたどり着いたのは昼過ぎであった。

これ以降、陸男と貞利は神奈川チョーコー生に目を付けられるようになる。

毎朝毎夕、横浜駅構内にチョーコー生が待機。

二人を探し続けていた。

それを知った2人は、横浜駅を避け、横浜駅前の相鉄線・平沼橋駅で降り、歩いて京浜急行の戸部駅まで行き、そこから磯高最寄り駅の屏風ヶ浦駅まで行くという迂回ルートで通学しなければならなくなってしまった。

それが5か月続いた12月のある日。

さすがに陸男と貞利は、5か月も神奈川チョーコーに追われ続けて疲弊していた。

そんな2人が学校帰りに平沼橋を渡っている時だった。


「てめー!地獄族かこらぁ!」


平沼橋の中央で、バイクに乗った3人組に学生2人が絡んでいた。

陸男と貞利は、少し離れた距離でそれを目撃したが、その絡んでいる2人組はチョーコーだと気づく。


「族と喧嘩してるのチョーコーじゃん。どうするよ」

「逃げるか?」


2人は、この場から離れようかどうしようか相談していると、遠くからバイクの吹かす音が聞こえてきた。


ブンブンブンブン!


その数は1台ではなさそうだった。 

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