開戦
皆さんこんにちは。ブルングです。
SF小説はこれで二作目となります。楽しんでいってもらえると嬉しいです。
/高度600メートル。減速開始。
システムが告げる。私とジェシカの背中についたジェットパックが轟音を響かせる。
体に強烈なGがかかり、顔が歪む。
やがて地面が近づいてくる。ゆっくりだが結構怖い。
2回金属音が響いた。四肢で衝撃を吸収するために、私たちは四つん這いの姿勢で着地した。
「こちらユナ。司令。聞こえる?」
私は通信機に向かって問いかける。
「こちら司令部。感度良好。ジェシカ、聞こえるか?」
「問題ありません。司令。目標座標の転送をお願いします」
「その前に、付近に敵の反応だ。片付けろ」
その声と時を同じくして、咆哮が聞こえる。
その声の主に私たちが目をやると、異形の怪物がこちらを睨んで立っていた。
1匹だけでなく、後ろにずらずらと並んでいるようだ。30匹はいるだろうか。
「何…あれ?犬かしら。ジェシカ、撫でてきたら?」
私はそう言いながら武装を展開する。
「犬にしてはずいぶんとキモい見た目をしてるな。お前のペットにちょうどいいんじゃないか?」
ジェシカも武装を展開しながら、こちらを横目で見て言う。
「まぁ冗談はここまでにして、私が切り伏せるから援護射撃よろしくね。臆病者の銃使いさん!」
そう言って私は、勢いよく異形の怪物に向かって切り掛かった。
私の装備は近接特化型で、2振りのタングステン刀を装備している。
対してジェシカは1丁のアサルトライフルと、1丁のスナイパーライフル。
私と比較すれば、明らかに臆病者の装備だ。
私は自分の戦い方に誇りを持っている。
誰もが遠くから狙うのに対して、私は超至近距離で敵をねじ伏せる。それが最もスマートなやり方だ。
こんな任務1人でやり切れるのに、臆病者1人増やしてなんになるのか。
(そこで指を咥えて見てなさい)
私の顔には笑顔のみがあった。
そう調子づいて10体目に斬りかかろうとした時、大きな音が響いた。
その音と共に、私が斬りかかろうとしていた怪物が吹き飛ぶ。
私はその音の方へ向く。そこにはライフルを構えたジェシカがいた。
「私にもよこせ」
その声と共に、彼女の持つライフルが火を吹く。
瞬く間に、風穴の空いた10個の死体が出来上がった。
「臆病者に先を越される気分はどうだ?ユナ」
私の心には驚きのみがあった。今まで、タッグを組んできた人間は誰1人として私についてこられなかった。
私が敵に斬りかかり、全てを薙ぎ払うまでの時間があまりにも早すぎたからだ。
「へぇ。やるじゃないの。じゃあ、これはどうかしらね」
私はそう呟く。ジェシカに聞こえたかどうかは分からない。しかし聞こえたとしても、反応なんかさせるものか。
私は脚部スラスターと胸部スラスターを使って方向を急激に変えると、2振りのタングステン刀のうち1振りを怪物に向け投げる。
怪物に刀が刺さり、後ろによろめく。そこへ私はスラスター全開で飛び込む。
そして刺さっている刀を掴み、思いっきり横へ振った。
すると、怪物の体が半分だけ切れる。すかさず、もう一本で残りの半分を切る。
怪物の体が上下真っ二つに割れる。私はスーツのパワーに任せ、怪物の上半身を持ち上げる。
下半身と上半身の間に人1人入れる隙間が一瞬だけ開く。
そこに滑り込む。あたりには血のミストが広がっていて、あいつも狙いがつけられないだろう。
「あなたたち。さっさと死になさい!!」
私はそう叫び、そこにいた8体の怪物に一気に切り掛かった。
咆哮と激しく切りつける音があたりに響く。
やがて、聞こえる音はコツコツという歩く音のみになった。
皆さん初めまして、ブルングです。これで二作目となりますが、もしかしたら読みにくかったりするかもしれません。
誤字脱字等ありましたら、コメントで指摘していただくと嬉しいです。(他にも、ここが読みにくい などのコメントもお待ちしています)
読んでくれてありがとう!!!