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これが日常です 2



ピピピピッピピピピッ




簡素な携帯のアラームが鳴る。


朝5時。


シャワーを浴びて、朝ご飯を食べる。お弁当を作り、鞄につめる。



「ゆいちゃん~朝ごはんいつもありがとう~」

「いいえ~」



看護師の母とすれ違うように、家をでた。

朝6時に家を出て、ジョギングしながら8時に職場につく。

職場備え付けのシャワーを借り、事務服に着替える。


「早瀬さん、おはよう!今日も早いね」

「おはようございます。」



いつも通りの事務仕事を9時から18時までして、帰宅は電車でする。

夕飯を作って食べて、お風呂にはいって就寝。

変わりない一日。



でも、私の一日は、また始まる。

目を閉じて、目を開けた。


そこには、現実世界と変わりないビル、建物、行きかる人々。


何に違和感を感じるかといえば、今まで私の世界は夜だったのに、こっちの世界は朝で。

私はパジャマでベットにはいったはずなのに、丘のような場所にいて、普通に服を着ていること。



20歳の時、祖父からボケた話を聞いてから9年。

異世界の5人戦隊のレンジャー、ホワイトになって3年になる。



「あぁー・・・」



大きく伸びをして、体の力が抜けるのが分かった。

最近、こっちの世界のほうに慣れてきている自分がいる。

楽なのよ!本当に!


こっちの世界では違うことが多い。

まず、生理的欲求はなくなる。

主に、お腹が空くことや、トイレに行きたいとかそういうやつ

あと、目を閉じて念じると、他のレンジャーの私生活がのぞけるというお得スキル。




目を閉じて、レッドを思う。


すると、レッドの姿が浮かぶ。


五十嵐 けい 高校2年生


性格は、破天荒で楽観的。

母子家庭で高校はバイトと奨学金で通う。苦労人からか確信をつく洞察力と観察眼が養われている。

戦隊シリーズのレッドとしては適した性格をしている。



何故適しているのか分かるかと言われれば、20歳までの間、洗脳されるのではないかというほど、戦隊シリーズを見せられた。

弟は男の子だったからまだしも、女の子の私に戦隊シリーズばかりはきつかった思い出が…まぁ、思い出すのはやめよう。




次はブルー。ブルーを思い浮かべると姿が浮かぶ。


川上 美幸みゆき 高校2年生


レッドとと同じ高校に通う、幼馴染。性格は困った人をほっておけない姉さんタイプ。

戦隊シリーズには珍しい、ブルーが女の子。

レッドの事もほっとけないとお姉さんのつもりで接しているが、気が付いていないフリをしている恋心あるみたい。


あれだね「ち!違うんだから!!レッドは、幼馴染で…弟みたいにしか、思ってない、し…本当に違うんだからね!!」ってやつだ。愛い




グリーン


鈴木 純也じゅんや 大学2年生


美大に通う、自信のない無口系男児。黒縁眼鏡に、常にスケッチブックを両手で抱えてリュックを背負ってる。街中で見れば恰好のカモ。

でも、絵のセンスも繊細さも抜群で、大学でも世界からも一目置かれている。

幼少の頃から弓道をしていたようで、戦闘時の戦力としては他の3人に比べると抜群に高い




ブラック


水島 啓介けいすけ 23歳 美容師


美容師勤務のお兄さん。チャラいが面倒見がいい。でもチャラい。

レンジャーになった理由は「まぁ、困った人はほっとけないだろう?」だそうです。

一番歳が近い彼だけれど、まぁなんとも言えないだいぶ拗らせたタイプ。



そんな4人がどこかに集合し、変身した。



あ、戦うのかな?

目を開けると、丘の上から見える街並みで、悲鳴と建物が崩れ煙が上がる。



「うん、行くか」



もう一つのスキルは、この世界だと体がめちゃくちゃ軽いこと。

簡単に説明すると、ナ〇トの世界の人くらい飛べるし、早いし、体が軽い。

ので、眼下にあった街にも、一瞬でつく。



街では戦いが始まっていた。

4人は下っ端のような奴らに囲まれながらも戦っていた。

下っ端相手には問題なく戦えている。素人感半端ないけど。

変身した姿だと、防御力も攻撃力も上がるらしいのでそれなりに戦えている。


けど



「ぐぁ!!」

「レッドッ!!」


下っ端5人ぐらいがグニャグニャに合体した、中型下っ端は手に余る。


レッドは猪突猛進。ブルーはレッドの過保護、グリーンは戦えるが一点集中しかできず、ブラックは援護のみ。

まぁ、一般の子なのでこんなもんですよね。


レッドに下っ端中型の大剣が振り下ろされる。


私は電柱の上から飛び降り、着地と同時に下っ端中型の上から剣を突き刺した。


剣を刺された敵は大きな音を立てて倒れる

あ、ぴくぴくしてる。

何が起きたのか理解したレッドは、私を見て満面の笑みで




「ホワイトッ!来てくれたのか!!」



もう一つ、私のスキルに、「全身レンジャースーツ着てるのに顔だけ見える」という微妙なスキルがある。

最近ではこれのお陰で、レッドの笑顔を絶えず見ることができる



「‥‥尊い」

「ん?どうした?」



いかん、社会に揉まれたアラサー手前のOL女子の本音が



「レッドッ!!ぼさっとしないの!!」



ブルーが、レッドの後ろから迫る下っ端を倒すと、その後ろから下っ端中型



「ブルー!後ろだ!!」

「!?」



ブルーに向けて振り上げられた金棒?

私は剣を敵から抜き取り、姿勢を低くしたまま、ブルーを襲う敵の胴体を薙ぐ。

着地の時に剣をぶっ刺した敵と、胴体を薙いだ敵が同じタイミングで爆発する。


ここの敵は何故か爆発するし、敵を倒し終わると壊れたビルは治るし、傷ついた人たちも治る。素敵なご都合主義。子供向け番組には大切なこと。



「…ぁ、ありがとう…」

「いいえー」



ブルーはバツが悪そうに声をかけてくれた。かわいい


下っ端中型は3匹いた。1匹はグリーンが一人で倒してくれているから、今のでお終い。それでも残りはうじゃうじゃいる。


私は剣についているボタンを押す。前回、カチカチ触っていたら剣が変化することを知った。

私の剣は片手剣のサイズから、双剣になる。


双剣を構え、少し集中する。刃に力が纏わり、斬撃が飛ぶイメージ。

目を見開き、その場で2回転した。


そう、分かる人なら知っている。リ○クのくるくる剣だ


器用に味方には斬撃が当たらないように回転を止めたりするあたり、自分でも器用だなと思う技も、ナル○並みの身体能力向上スキルのおかげ。


敵が一層されると、わらわらと味方が集まってきた。


「ホワイト!絶対来てくれると思ってた!」

「別に…あんたに助けられなくても、大丈夫だったんだからね!」

「‥‥本当に強いですね‥尊敬します」

「いや~助かったよホワイトちゃん!」



うんうん。尻尾をふってくるわんこのように可愛いけど、一掃された敵はエネルギーだけ集まり、巨大化していっている。うむ、定番ですね。


力の集合体を指さすと、みんながそっちを向いた。

本当に素直な子たちだ、お姉さんは心配になるよ



「くっそぉ!!しつこいな!!行くぞみんなッ!」

「えぇ!」

「うんッ」

「おう!」



みんなは左腕にはめたエンブレムを空に掲げた。



「来い!ドンゴッ!」

「来て!メイト!」

「ライアさん!お願いします。」

「行くぞ!ウロウ!」



すると、ドラゴン、人魚、妖精、ケンタウロスのロボが集まって、巨大ロボットになる。

それを下から見ながら、ふと思った。


あれ?私も参加しなきゃいけない系?


小さな疑問を胸に、その日は目が覚めた。





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