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4.5-3話 解決


 これにてダンス&歌唱オーディションまでの間の閑話はおしまいです。オーディション風景は…また後ほど追加しようかと思ってます。よろしくお願いします!




 「………やっちゃった…」


 やらかした、完全にやってはいけない事をしてしまった。しかも100%完全に自分の責任だ。


 澪音があんなに怒るのは滅多にない、それは逆に言えばそこまで怒らせてしまったという事、そこまでいけば物でなんか釣れやしないし、今すぐに謝りに行っても「あっち行って、邪魔!!」なんて言われるのがオチだから、行こうにも行けない。


 それでもとりあえず澪音の部屋のドアのところまで来てみると、


 「………」


 部屋の中で澪音が泣いていた、しかも声を出して。


 そんな澪音(妹)の泣き声を聞き続ける精神力メンタルは今の私には無かったから、とりあえずリビングへ戻ってくる。


 置きっぱなしにしていたスマホを見ると通知が何件か来ていた。


 「麻衣!今日夜から収録!!集合時間わかってる!? ってかいまどこ!?」


 やばっ!そう言えばそうだった…。慌てて準備を始めると、またもや通知が来て


 「玄関前で待ってるから準備したら出てきて」


 マネージャーさんには、私が家にいる事は知られていたらしい。


 家を出る前に、澪音に「ごめんね」とメッセージを送っておいた。


 「すいません、すっかり失念してて…」


 「あら、麻衣にしては珍しいわね」


 「あはは…」


 とりあえず作り笑いをしたんだけど


 「どうせ何かあったんでしょ?その表情だと」


 「………」


 すぐに見抜かれた。


 「その調子だと妹と喧嘩とか?」


 「なんで分かるんですか…」


 「伊達に何年もマネージャーやってないからね」


 「ですよね…」


 「まぁ、言い方はわからないけど、とりあえず切り替えなきゃだめよ、今の自分の顔見てみな、酷い顔してるから」


 スマホの内向きカメラで見てみると、結構な酷い顔だった。慌ててメイクの手直しをはじめる。




 「はい、着いたよ」


 「あ、すいません」


 メイクの手直しを終わらせた後、いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。マネージャーさんに起こしてもらった。


 「とりあえず『体調不良』とは伝えておいたから、あとは自分でなんとかしなさいね」


 「ありがとうございます」


 「それと!笑顔ね笑顔!深呼吸して全身の力を抜く!それができてるうちは大丈夫だから」


 そう言い残すと、マネージャーさんは「次の仕事があるから」と去っていった。今日は本当に助けられたなぁ…。


 その日の収録…


 「すいません!遅くなりました」


 「あ、麻衣やん来た!」


 「体調は大丈夫?」


 「うん、もう大丈夫」


 みんなのおかげで、今日の分は笑顔で乗り切れたかな。








 「ふぁぁ…寝てたのか…」


 泣き疲れてそのまま枕に顔を突っ伏したままの状態で寝ていたらしい。麻衣姉には申し訳ないな…。


 そう思いながらスマホを見ると通知が数件


 「ごめんね」


 という趣旨のメッセージで、麻衣姉からだった。


 「あー、やばい」


 一人でそう呟きながらまばたきをして、涙が引っ込むのを待つ。


 暫くしたらなんとかおさまってくれたから、部屋から出てそのままリビングの片付けを始める。


 「よいしょっと、これでだいたい片付いたかな…」


 片付けたら次はご飯を作る、とりあえず簡単なものでいいかな。


 今日は家に帰ってくるはずだから、収録でいない麻衣姉の分も作って冷蔵庫に入れておく。


 自分の分のご飯を食べたら、お風呂に入ってすぐに寝ることにした。本音を言えばお風呂も面倒臭いんだが、麻衣姉にまたお説教を食らうのが嫌だから髪もしっかりと洗っておいた(トリートメントをサボったのは内緒)。


 お風呂では寝ないように耐えていたけど、流石にベッドに入ってからは全身に重たくのしかかる疲労には勝てなかった…。






 「ただいま〜ってもう澪音寝てるか…」


 収録が長引いて、そこからスタッフさんと今後の予定の話をしていたから日付を回った頃だった。


 テーブルを見ると


 「晩御飯は冷蔵庫にあり、レンジで『500Wで3分20秒』チンして食べるべし」


 とメモが残されていたので、指示通りにレンジで温めて遅めの晩御飯を食べる。


 「はぁ…美味しい」


 やっぱり澪音の手料理は抜群に美味しかった。仕事疲れが少しでも和らぐ優しい味だ。


 昔から澪音は料理が上手だったから、今までにも何度か作り方のコツとかを教えてもらったんだけど、私が作るとどうしてもどこか違う味になってしまうから未だに料理は苦手なんだよね…。


 ただ、そんな私でも何故かお粥だけは上手く作れるみたいで、澪音には物凄く好評みたい。そのせいか、澪音は風邪とかで体調を崩すたびに、私の作るお粥くらいしか食べられなくなってしまっているらしい。




 食べ終わったら食器を洗って片付けて、普段ならお風呂に入ったりするんだけど、今日は疲れていたからもうすぐに寝ることにした。


 自分の部屋に入って着替えて、すぐにベッドに寝転ぶ。そして目覚ましをセットたらすぐに意識は遠のいていった。








 翌日…


 「澪音〜♪」 ガシッ!ギュー


 「ひゃぁ!?ちょっとお姉ちゃん!!」


 「およ?ちょっと身体つき変わってきた?」 ムニュムニュ


 「昨日の今日で変わるわけ無いでしょうが!!早く離れてこの変態エロババア!!」 パシーン


 「おぅ!!」


 今日も平和な麻衣&澪音です。



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