ある女の話 (2)
草原はともかくこんなでかい建造物が存在するとはつくづくこの迷宮は驚かしてくれる。素材は木ではなく石のような素材だった。私の世界では見るこはないだろう。おそらくビルとかいうやつだろう。
先ほど出会った集団から聞いていた特徴とよく似ている。
ここはやつの残り香らしきなのがある。ここでなら後を追う手がかりもあるだろう。
少し気持ちが昂ってきた。この刀でやつの体を首から2つに分けてやることができるのが近づいている。
それにしてもここのびるとやらは多すぎる。しかも、何やら神話級に近いやつも徘徊しているような。
いや、その紛い物だろう。似たようなものなら以前倒したこともあるがそれには及ばない。
ここのビルは少し歪な気を感じる。
気はいまだによくわからない。東の仙人から無理やり教わったがなんとなくでしかわからなかったが意外と便利なものだ。
こんなこと口が裂けてもあの仙人には言いたくはない。あいつ調子に乗るからな。
「えぇ、ワシのおかげじゃろ。そうじゃろそうじゃろ。お前さんには才能があるとワシは知っておったからの。ほら〜感謝の言葉でもいってみ。ほらほら。」
絶対こんなことを言うね。修行自体は真面目なのにそれ以外はすごくうざかった。
ああ思い出すだけで腹が立つ。
そんなジジィに教わった気でここら一帯でおかしなところを探る。
すると地下に続く階段の先から感じる。
あかりはないが夜目は効く方だ。暗闇を臆さずどんどんと降りていく。
すると小さな小部屋がある。そして厳重な扉があるだけ。この先でもなくまだ下から感じる。
「開け方がわからん。」
腰の刀を抜き菱形に斬る。扉自体は耐久性はなく簡単に斬ることはできた。斬ったところを蹴り飛ばす。
それはゴンッと外れ何かに衝突し落ちていった。
先にあったのは螺旋階段。大きく円を描きながら下に降りて行っている。目的はこの下にある可能性が大きい。
「まだ降りるのは大変だ。」
扉を潜り抜け階段を数段とばしで降りていく。
カーン、カーン、カーンと音が響く。その音が今この場に一人しかいないことを強調させる。
ゆっくりと近づいてくる。
「ふふふーん、ふっふふーん。ふふふーん、ふっふふーん。」
鼻歌を歌いながらテンポ良く足を運ばせる。
その歌に狂気を交えながら。