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Dear Labyrinth_親愛なる迷宮_漆黒の影と神の使徒  作者: 森の番人
第一部 「世界の迷宮 labyrinth」
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第三十九話「挑戦者と勇者(偽)の変化」

「やはり、全員であの中に入るべきだと考える。あの中が本拠地であるなら必ず出口がありそこから出る事を阻止するだろう。成功した場合には黒幕はそれを爆破なり破壊をするだろう。しかし、それは突如ではなく時間制限付きでだ。なら、ここに残したものは脱出することは出来なく更に時間を要することになる。」

「しかし、怪我したものや疲弊したものを連れていくと相手は彼らから狙い犠牲者が出てしまう。私たちは彼らを守りながら進軍を続けるといった本物のプロの集団でも難しいことだ。あと、黒幕が出口を破壊するなどと確かめようのないこと。」


星川とネリーは今いる怪我人たちを連れていくか否かを議論している。お互いの言い分は議論の中にいて聞いている人たちは理解できるが、両立できないことであることから新しい意見を出すこともできず沈黙している。もし、怪我人たちとそれを守るために残ったものたちはもし、星川の言い分が正しく出口を破壊されてしまえば取り残されてしまう。しかし、ネリーの言い分も正しく相手のもとまで辿り着くことが出来なくなるかもしれない。


「そろそろ、休憩にしないか?もう長いこと話している。」


零の制止によって2人は座り直し頷く。そして、星川はしばらく休憩とみんなに言うとその場から離れていった。ネリーはその場で大の字で転がった。

2人とも頭に登った血を下ろしていく。


「あー!どうすればいいんだよ。出口があるかもわからないしあったとしてもどんな出口かもわかんないし。」


彼女はゴロゴロとそこらじゅうを転がっていく。零にぶつかって止まった。


「わたし、どうしたらいい?」

「私自身はこういうことを決めるような度胸はない。」

「だよね、あいつのいうこともわかるけどさ、、、怖いんだよな。それが本当なら。実際にそれが起こってしまったら後悔しそうだ。」


零は少し口元を上げて


「後悔か、後悔は何をしようともついてくるものだ。けどな、納得したり、妥協したりして行動する時にしっかりと考えてやることをやったなら、相手に流されたりして考えずに行った行動より断然後悔は少ない。それにな。」


零は外にいる有二を見て


「有二は何も考えていないように見えても、仲間のことを第一優先に考えてる行動をしている。何をすれば救えるのか、何をすればと考え抜いて自己犠牲に見えるような行動でも自分と仲間を救うことが出来ている。あいつは後悔を考えるよりだれかのためにで動いている。彼にならうなら、誰かのためにで考えてみるといいんじゃないのか。」


そして、くすりと笑い


「ま、彼が後悔して止まってしまったなら私がまた走り出せるように背中を押してやるさ。」


ネリーは起き上がり外にいる有二、アリスを見た。ワーグリンと特訓して何かに失敗したのか有二は吹き飛ばされてアリスが慌てて駆けつけている。裕樹やキースたちはそれを見て笑っている。自分は周りの仲間のことを思って考えているつもりで彼らの意見や考えを考慮していなかった。


「ありがと、零。具体的な考えは出ていないが固まった頭をほぐすことが出来た気がするよ。」


ネリーは外に出てアリスの元に向かっていった。零もそれに続いていく。熱のこもった会場に空気を通すために。







「そろそろ来るそうだよ、人間以外と手を取った犯罪者たちが。君の復讐のためにも頑張りたまえよ、勇者くん。」

「ああ、俺は崇められる存在のはず。それを正すために力をくれ。」

「いいともいいとも、それにはかなりの代償が必要なんだけどそれでもいいかい?」

「代償なんて軽いものさ。」


勇者は暗い暗い一室に備え付けられた椅子に座っていた。うさぎがそれに後ろから話しかけている。そして、ネクロマンサーは扉の前でで不気味な笑みをして会話を見ている。


「なら、これを投与しなよ。これを耐え切ることが出来たのなら身体能力だけでなく新たなスキルも手に入るだろうよ。」


ポケットから注射器を勇者に渡し、高笑いをしながらウサギはネクロマンサーのいる扉から出ていく。それを見届けてからはネクロマンサーは勇者に近づいていく。後ろからゆっくりと抱きつき声をかける。


「ねぇ、あなたは最強の存在になれる資質を持っているの。けど、もう心配はないわ。これであなたは強くなり、この迷宮にいる吸血鬼もどきや偽物の勇者を倒しあなたが最強になるの。」

「ああ、最強はおれだ。勇者こそすべての存在の頂点で、人間が種族の君主となる。」


勇者はうさぎから受け取った注射器を首に当ててボタンを押す。注射器の中身がゆっくりと体の中に入っていく。ドクンドクンと心臓の音がネクロマンサーに聞こえる。


「さぁ、変わるのよ。最強の存在へと。」


血管が浮き出て心臓の音を大きく鳴らしながら体の組織から作り変わっていく。

今回はかなり短くなりました。ネリーは元々安全第一の作戦を立てて実行してきた優しいリーダーです。しかし、この迷宮では安全第一なんてものは存在していません。なので、行動するたびに危険なことばかりで仲間がそれに傷ついていくことに優しい彼女は疲れていました。しかし、仲間のことを考えていたけが信頼していることとは違うことに気がつき仲間と改めて話をしようとしています。

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