第十二話「迷宮内の森林①」
*恐らく後で編集すると思います*
教会を中心に構えた村を出てその近くにある森に行くことにした。そこは変にアスファルトで舗装されている道がある。5人が横一列に並んでとまっている。なぜ変で止まっているかというと
「これから森に入るのはいいが、なんでアスファルトで舗装されているんだ。ありがたいけども。」
そう中世の村の近くの森がアスファルトで舗装されていると違和感がとても凄いからだ。
「石畳とは違うようですね。しっかりとした足場になってる。」
「進みやすいが油断はしないようにしないとな。」
ノレンはアスファルトを知らないらしく興味があるらしい。そしてキースは気を引き締めている。そんなときに俺は
(森っていったら蜂、クマ、シカ、イノシシとかあぶない生き物がわんさかいるよなぁ。しかもここだともっと危ないモンスターがいると思うし。)
と森について懐かしみながらごく普通の危険について考えていた。
「さぁ、すすんでいこうかの。」
みんなが立ち止まっている状況をビルが先陣を切って進み、それにつづいてその他4人が進んでいき森の攻略に入る。
「目的を忘れていないか確認するけど、1『俺たちのバラバラになった仲間を捜索』、2『この迷宮の出口、もしくはその手がかりの入手』の二つ。」
「わかってるってユウジ。2については、はやくここから出て安全なところでゆっくりしたいから手がかりを見逃すことなんて今の俺からは想像できないぜ。」
とキースは陽気になっている。こういう人は真っ先に死にそうなのにキースは案外しぶといんだよな。
忘れてたけど腕時計はなんか横のスイッチを動かすとマナーモードになった。音とか邪魔な場合が多いから助かった。あと戦闘中に幾つかの機能が止まってしまっている。こういうものって壊れることはないと思っていたが。
しばらく道なりに進んで探索をしていると
「あれってリンゴに似てませんか、ご主人様?」
とノレンが尋ねてきた。そのリンゴに似ているものは今歩いている先に見えるものだ。すこし細長くリンゴとしてはブサイクといっても過言ではない。でもすこし違和感がある。それは歩いていけばいくほど大きくなっていく。なぜかって?近づくとデカくなるのは普通のことなんだけどもう目測で1メートルぐらいの大きさになっている。
緑の木々が生い茂っているところに真っ赤な物体があるとものすごく目立つ。
それが2メートル近くになってからわかったことがある。リンゴのような果実かとおもっていたが赤いものはでこぼこしていて細長いものの塊。
「なんだ、この天狗の縄張りにぬけぬけと張り込んできた侵入者は。」
そう赤色の髪のかたまりそして長い鼻、デカすぎるうちわ。まぎれもなく天狗である。
「お主、なにものじゃ?わしらはここを通りたいだけなのじゃが。」
ビルが臆さずすかさず天狗にはなしかける。
「ここに入ってきた人間は全て殺せとの命令だ。抵抗しなければ楽にころしてやろう。」
「なるほど、第三者に命令されているのか。ここに何かはあることはたしかだね。」
「貴様に言われるまでもない。キース、やるぞ。」
「ご主人様、あの鼻高を仕留めましょう。」
天狗の言葉にみんなやる気になっていく。それを見て天狗は驚いている。普通に天狗は強そうなやつだが、ここから出る何かを持っていると分かれば力は湧いてくる。
大剣を抜き右肩に軽く乗せ中腰になる。左手は前に盾替わりとして構える。新しい構えにしたがしっくりくる。
ほかのみんなも武器を構える。いち早く武器を構えることができていたカムイが天狗に攻撃を仕掛ける。しかし、天狗は瞬時にして消えた。高速移動というより本当に消えた。
「貴様らが何人でかかってこようとも、この天狗落ちることはない!!!」
と森全体から声が響き渡ってくる。天狗がどこにいるのかわからない。
「周りをみんなでカバーをすれば奇襲は避けることができるじゃろう。」
「そんなことをさせるほど天狗は簡単ではない!」
と天狗の声がきこえると四方から竜巻がやってくる。ガードをするが風はそんなもんを気にせずつつみこむ。風は白い壁のように視界をふさぐ。そして視界が良好になると先程いたアスファルトの上ではなく乾いた土の上にいた。
「幻覚の中を歩かされてたのか?」
と思うが確かな感覚で歩いていた。周りにはだれもいなくなっている。
「クッソ。」
止まっていたら先程の竜巻の能力を受けてしまう。走りながらはぐれた仲間を探しに行く。
森を走ることは初めてなので足場が凸凹していて100%で踏み込みながら走ることはできず十分な速度を出せない。これは戦闘でも意外に響きそうで危ない。
少し走るとアスファルトの道に戻ってきた。先ほどと同じ場所なのかはわからないが幻覚ではなく転移をさせられたということになる。あの天狗が消えたのも俺にしたことを自分にもしてどこかに転移をしたということ。能力にはなにか条件が必要なこともあるだろう。なにも下準備をなしにあの人数を飛ばすことは相当な実力をもっていないとできない。そして実力があるならわざわざ飛ばす必要もない。
「仕掛けがあるならさっきのところか飛ばされる前のところになにかあるに違いない。」
飛ばされる前のところより後のところの方に戻る方が効率がいい。ほかの人たちは簡単にはやられはしないから能力の解析が先決だ。
先程の道を引き返すために振り返るが道がなくなっていた。木が動いている。根っこが地面からでてのそのそと動いて道を作り変えている。
「この天狗のカラクリを解き明かそうとする行動はいいものだがそうやすやすとはさせんぞ。」
天狗の声が聞こえる。空中に浮いて体をひねっている天狗がいた。剣を地面に突き刺そうとするが相手の方が一歩早く、うちわを振るう。下から巻きあげるような突風が体を包み込み上空へと舞い上げる。すると空気を切り裂く音と共に腕がはじかれる。天狗を見るとうちわを振るいかまいたちを発生させおれに襲い掛かる。腕はすごい頑丈だからそれをかまいたちにそれをぶつけて相殺していくが地面に激突していしまう。剣に隠れてかまいたちをやり過ごす。
「その腕、、、まさか、、、。」
なにか天狗は考え込んでいる。剣を思いきり天狗にめがけてぶん投げる。天狗はギリギリで避けるがそこはおれの攻撃圏内。溜め攻撃の蹴りを天狗に当てる。天狗は空中で自由に動けるのか事前に後ろに下がり威力を激減させた。
「小僧!貴様の相手は後でしてやる。それまでの命を楽しんでおけよ。」
と言ってうちわで転移しそうだったのでそのへんにある野球ボールぐらいの石を天狗に投げつけた。
「痛っ!!」
と消えていった。単なる嫌がらせ行為ではあるけどテンプレセリフしか言わない天狗にはちょうどいいお灸をすえてやったと思えばいいことだ。
天狗の種明かしにいかなければ決定打を与えることはできないことをおもいだし先程の転移した先に向かう。
魔法と魔術はこの話では別物。魔法は自身の魔力を用いて神秘の現象を引き起こすもの。魔法は使い手の才能や属性、種族などの使い手本人の条件が一致しないと使用できない。魔術はいわゆる儀式による超常現象であり儀式と自身の魔力、不足分は自然のマナを利用して使用できる。儀式の条件さえクリアすればほぼほぼ使用できる。が、危ないものが多いので知識がないと、、、死ぬほうがいいようなことが起きるから注意。




