国家魔術師
「はじめまして、国家から派遣された国家魔術師のゼロです。」
教室に入って来て、そいつの第一声はそれだった。
この学校は魔術師育成機関JCS、通称ジュニアキャスタースクールだ。この学校に通う生徒全員が魔法を使える。そして、この機関の目的は、全員が将来働けるレベルの魔術師に育て上げる事だ。魔術師志望の人がつく主な仕事は魔法を競い合う競技、それを支えるもの、そして、国家魔術師だ。その中でも国家魔術師は、卒業時に首席、もしくは魔力判定がS以上のものにしかならないと言う。その国家魔術師は、警察との合同で事件に当たることもあれば、戦争に行く事もある。しかし、国家魔術師になるには、国が決めた試験に合格する必要がある。なので、首席、およびS評価以上のものは魔術師育成機関卒業後は、国家魔術師育成機関に入れられる。その国家魔術師育成機関は厳しく、S評価以下になったものは、即退学になり、別の学校に転入させられる。それを乗り切った者のみがなれるのが、国家魔術師だ。国家魔術師になれば、普通の兵士とは違い、良い装備の支給がされる。だが、戦争は戦争。当然どれだけ良い装備でも死ぬ時は死ぬ。だから、好き好んで国家魔術師になる奴なんてそうそういない。
しかし、そいつははっきりとこう言った、
「はじめまして、国家から派遣された国家魔術師のゼロです」
と。