第三話 現状確認ー無職のおれはこっちでも無職っぽいです3
あけましておめでとうございます
更新遅れて申し訳ありませんorz
宿題が…終わらぬ…
「ふぁぁぁぁぁ。」
気持ちの良い目覚め。周りの冒険者たちも大半が起き、武器の手入れや着替えをしていた。元の世界でこんないい起き方をしたのは何年ぶりだろう。この異世界にきて脱☆ニートできたという気がす・・あれ、今も無職じゃん。
転生一日目はゴブリンの群れに襲われてすごすご帰ってきた。二日目は夕方遅くに起きて夕食食った。自分がこの世界でしたことはたったこれだけだ。思わず頭を抱える。
こんな自分に何ができる?頭の中のもう一人の自分がささやく。自分はただのニートだ。30年の自分の一生も、原稿用紙で何枚書けるのだろう?転生したとはいえ、今の自分が持つものは、幸運と位置情報把握のスキルのみ。
それで何ができる?もう一人の自分がさらに声をあげる。今はまだお金がある。食べることができる。でも、いつかお金は尽きる。それは一か月後かもしれない。半年後かもしれない。あるいは、強盗にあって今日全部なくなってしまうかもしれない。時間も、お金も有限なのだ。そこに自分のような異世界人の入り込む余裕なんてない。
元の世界に戻りたい。あの世界には役割があった。たとえそれがニートと呼ばれるものだとしても。というか普通転生って夢に神様が出て来て説明したりチートくれたりするものではないか。この世界にいるともいないとも知れない神様に愚痴を言う。
そういえば転生したのは自分だけなのだろうか?あの日、あの時間にプレイしていたのは何も自分だけではないだろう。いや、100レベル突破が原因か?それでも数人はこの世界にいるはずだ。自分だけでは帰れないとしてもその元プレイヤーたちの力を借りれば、何とか…いや、どうやってそこに行く?
どうしても自分の能力の低さがネックとなってしまう。それに、各地を渡り歩いていたら莫大なお金が必要となるだろう。旅行しながらお金を得る…吟遊詩人や大道芸人?小中高12年間一度も音楽でA評価をとったことのない自分が何を言っているのだか。
そうやってベットのふちに座りながら自問自答をしていると。
「なあにーちゃん、一緒に昼食食わんか?」
声をかけてきたのは昨日の冒険者。隣のローブを着た男は魔術師だろうか?
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朝食―おそらく豚骨からだしを取ったつけ麺―を食べながら冒険者さん―「白の剣」のライアスというらしい―に事情を話す。もちろん転生云々は伏せておいた。
「まあそんな簡単に金が稼げたらおれたち冒険者なんてやってないがな。」
ライアスさんはそう言って豪快に笑う。隣の魔術師さんも同意したように首を振る。若干ウザったいが正論なので反論できない。
「確かに、各地を回ることは俺達でも簡単じゃないがな。それもこれも数年前から魔物の発生頻度が急激に増えたからだ。おかげで食べ物も服も高い。まあ近くに鉱山があっただけましと考えなきゃいかんな。」
確かに、この町の食べ物は高い。どこかほかの町で勝ってこの町で売れば相当な利益になるのではないか。…いや待てこれ結構いいかもしれない。この町で比較的安く売られている刃物や小麦類を買ってほかの町に行く。その街で商品を売り、代わりにそこの特産品を買う。そしてこの町に戻ってきて…
最高だ。そうやって各地を回っていればいずれ元プレイヤーにも会えるかもしれない。そう思いライアスさんに相談する。
「あとは各地に行くための方法なんだけれど。」
どうしてもネックになるのがそこだ。自分一人の力じゃ別の町に行くどころかこの町から離れることも難しいだろう。
「じゃあ奴隷でも雇ったらどうだ。」
奴隷?ゲームにはなかった言葉が飛び出す。そんな自分の反応を奴隷が知らないのだと勘違いしたのだろう。エリックさんが説明してくれた。
「奴隷っていうのはな、金がなくなったとかそういう理由で自分の身を売った人だ。まあ一定度の健康状態を保つことが義務付けられているが、かなり強いやつもいるしいちいち護衛を頼むより長い目で見たら安くなるだろう。なんなら奴隷位置まで案内してやろうか?」
おまけ
主人公エリックのスキル
初期選択スキル
幸運F 一定の物事が起こる確率を5%上げる
現在位置確認 自分と周囲100mほどの地理がわかる
クラススキル
追撃Ⅰ 攻撃時まれに追加攻撃を行う
身体強化Ⅰ 5ターンの間すばやさがちょっと上がる