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1-1

初めての投稿作品になります。

目標は笑いなのですがすでに上手くいかないようです。

 1章-1


 初めに、この物語はフィクションで異世界でおふざけあり、作中に登場する人物・場所は史実とは関係ありませんのであしからず。



 ◆歴史日本御伽噺より現代◆


 昔昔、ある所におじいさんとおばあさんが居りました。

 おじいさんが山に薪を拾いに、おばあさんは川に洗濯に行きました。

 おばあさんが、川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

 びっくりしたおばあさんは、頑張って桃を引き上げると、お家へと持って帰りました。

 帰ってきたおじいさんも大喜び。

 早速、二人で食べようと桃を割りました。

 するとどうでしょう、桃の中に可愛い赤ちゃんがおりました。

 子宝に恵まれなかった二人は、きっと神様からの贈り物だとさらに大喜びし、

 実の息子のように大事に大事に育てました。


 そうです。

 彼が後の征夷代将軍にして御伽幕府を開いた「桃 太郎」です。


 ある日、桃太郎は人間を苦しめる妖魔たちの話を聞き、退治することを決意します。

 おじいさんとおばあさんに相談すると、二人は桃太郎のために琥珀色に輝く玉を用意しました。生涯蓄えていた巫女の力を使い、神々の力を玉に宿したのです。


 そして、桃太郎は旅の途中で出会った仲間達にその力を分け与えました。


 神々の加護を身に付けた、

 犬族「後田 利家」が軍政を支え、

 猿族「豊富 秀吉」が商業を支え、

 鳥族「鳥越 太郎」が民事を支え、


 長い月日を掛けて、妖魔から我々人間が住む場所を切り開いたのです。


 ですが、平和は長くは続きませんでした。

 突如攻勢を強めた妖魔達によって、人間達は次第に追い詰められて行きます。


 桃太郎は決断しました。

 数いる妖魔たちでも最も戦力がある鬼が島に総力戦を仕掛けると。

 多大な犠牲が出る覚悟の上です。


 鬼が島に上陸及び壊滅作戦は熾烈を極めました。

 鬼が島の親玉、悪鬼温羅を討ち果たし、戦には勝利したものの、全兵力の6割が死亡。


 留守を守っていたおじいさんやおばあさんに喜びと悲しみが訪れます。

 鬼が島で開放された沢山の神々が次々に現れ、人間への協力を約束してくれました。

 ですが、いくら待っても桃太郎は現れませんでした。


 人間達は、唯一戻った重鎮猿族「豊富 秀吉」の主導で復興を開始します。




 そして2000年後の現在、京都を筆頭として大陸15箇所に神聖域を発見、それぞれ防衛核として街を築くことに成功。


 妖魔は変わらず人間の脅威となりつつも、城を中心として、少しずつ城壁を広げ、大都市を築きました。現在から200年ほど前には黒い船が来航し、海の外の人間達と接触に成功。技術融合により著しい文化革命が起き、黒船に日ノ本の調査団を乗せる事で、多くの世界の国と転移門を繋げる事が出来ました。国間距離が離れすぎているため、大規模術式での小容量運用となる為各国要人しか利用できませんが、それでも各国協力して発展し続けています。


 人類が滅亡し掛けた事が嘘の様に、大戦は長らく起きていません。

 世襲制の支配層の大名や公家達はそれぞれの街で、一国の主のように認識するようになり、崗山が香海を併合した事件を切欠にして、街間で緊張状態になりました。




 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼



 山の麓に街『千台』がある。


 人口は約3万人程で、子供が多く、老人が少ない。武士階級の人間達は瓦屋根の堅牢な城で起居しているが、多くの庶民は炊事・便所・風呂が共同の木製集合住宅で暮らしていた。


 街の周りは堀と石垣で大きく囲まれ、人々の暮らしを妖魔から守っている。都市と都市を繋ぐ街道に沿って関所を設け、街との間に農民が生活し畑や田園を広げている。

 人間は限られた土地と資源ゆえに、厳しく封建制で統治され、貴族・武士階級が農民や商人を支配している。だが、完全に支配している訳でもなく、神が顕在化するこの世界では、寺院仏閣の場所が第一等神聖域と認識され、半ば独立した組織となっている。その仕事『退魔奉行』として少なからず戦力を持ち、領主との関係は軋轢を生み、歪な支配体系となっていた。


 『八百万の神』のそれぞれが特殊な能力を持つが戦闘力に特化する方々は少なく、ある神は防御結界に優れ、ある神は特殊な術を授け、ある神は博打道具に特殊効果を付与したり、神によって効果様々である。そのため、運の悪い神などは妖魔に捕らわれたり『魔落ち』するし、恩恵は神の気まぐれや途轍もない対価を請求されたりもする。


 それでも、人々に生まれながら平等に付与された神の恩恵がある。


 それが『格(level)』と呼ばれる身体能力を補正する恩恵であった。『格』が上がれば上がる程能力は補填され、基本『十五格』の者は『二十格』の者には勝てない。また『格』が上がれば『特殊技能』を授かり、それは戦闘面生産面遊戯面関わらず『格』差を覆したりもする。

 ただその対価として人は生まれながら『種族特性』を持つ。純粋な人間は存在せず、身体に何かしら獣の特徴が現れる。その多くは、その昔神々と共に戦った『干支』12種の獣の特徴が現れ、『猿族』は俊敏・技術補正が優れ、『虎族』は戦闘系能力補正が優れる。その中でも希少な『辰族』となると全体の能力が優れ『特殊技能』も強力で、その上長寿だったりするが特に神の影響が強いのか、恐ろしく気まぐれである。

 他にも、特定の神に気に入られた場合の『職業特性』『技能継承』『身体変化』、その逆の場合『呪い』『補正剥奪』がある。


『格』は成人(15歳)するまで年齢分自動で上がるが、働いたりすることで若干、妖魔を倒したりすることで大分、差が出来る。『特殊技能』についても人によって違う。


 八百万の神から恩恵を授かるようになってから2000年。


 それでも、妖魔はいなくならない。

 神の力もそれ個では小さな力で、時には妖魔に取り込まれてしまう。

 強力な上位神たちに気に入られる人間も少数であり、十全に力を発揮出来はしない。


 それでも2000年もの間ずっと戦い続け、人間達はいくつかの城砦都市を築く事に成功していた。強力な妖魔の縄張りを避け続け、安息の地を捜し求め彷徨い、漸く見つけ出した神の力が強い土地に根を下ろし、国を興した。人間は都市を防衛の核として妖魔と土地を巡って争い続けている。


 今年は可もなく不可もなく、順調に稲穂が実っていた。

 もう間もなく刈入れの時期となり農民たちの顔は明るいはずだった。

 だが、千台では、夜更け過ぎになると不気味な声が聞こえて来るようになった。

 背筋が凍り強烈な嫌悪感を喚起させる喜悦交じりの金切り声、怒声、悲鳴と、生存本能を刺激するような不吉な咆哮が混ざり合い、町人たちに恐怖を強いた。

 阿鼻叫喚が上がると決まって山の奥が赤々と染まり、動物はおろか妖魔まで逃げているのが目撃されていた。


 曰く、鬼か何かが新しく住み着いて暴れまわっている。


 そして、その噂を裏付ける事件が起きた。

 何百年と街には手を出さなかった妖魔たちが大挙して現れたのだ。

 第一防衛線の関所が突破されたが、なんとか住民総動員召集令が間に合い、城壁で妖魔を迎え撃った。城壁は高い所で10m低い所で5m、東西南北4つの門がある。反り立ったちょんまげ頭領主の姿はなく、各城壁預かりの役割を持つ武士たちを指揮官として、足軽隊1000名、陰陽師100名と住民兵10000名が東西南の門にそれぞれ分配され、山に接する北門に寺院から派遣された退魔師300名を配置した。


 大通りに面した北門がもっとも激戦区で下級妖魔が少なく見積もっても1000匹はいた。だが、人間達も即座に戦力を北門を集中し、弓・銃・陰陽術・特殊技能による遠距離攻撃で対応する。一撃では死なない妖魔も火力を集中することで倒れた。だが何度倒しても妖魔たちは何かに追われるように、城壁を登ろうとする。城壁にへばり付いた妖魔を長槍で突き刺し落とすが、堀が妖魔の死体で埋まって意味を成さなくなっている。気力が尽きて昏倒する兵達が続出しつつも、大きな被害もなく戦闘は六時間で終息した。

 幸い防衛線で住民兵に死者は出なかったが、軍兵では訓練を怠っていた武士たちが数十名死んでいた。この事が後に事件を引き起こすがそれはまた別の機会に。


 これ程の軽微な被害で済んだのは、中級上級の妖魔が殆どいなかったからだ。上級の妖魔がいたらそれこそ街が滅んでいた可能性すらあった。数少ない中級妖魔や、厄介な飛行妖魔は北門に集中したが、問題なく一掃されている。


 関所から命からがら逃げ帰った若い番卒が「『でっけぇ金玉の化けダヌキ』に襲われただ。たぶんあいつが一番強ぇから親分だべ」と上申する。「始め関所が襲われた時は下級妖怪の『餓鬼』とか『山ねずみ』『山狼』だったんだども、途中からおらたちじゃ手に負えない位強い、そりゃぁおっきな金色の『夜叉』が現れて関所の壁をぶっ壊しちまいやがって」そこで番卒は身震いする。「始めはそいつが親玉だと思っとんだがいつの間にか狸の化けもんにキセルでボコボコにされて、そんで化けダヌキがぶつぶつ念仏みてぇなの唱えると、黒い煙から現れた他の鬼がババァさ引きずって行っただ。だげんども、あの化けダヌキ、あんま賢くねぇだ。自分の味方の妖魔をキセルで叩いてぶっ飛ばすし、服さ着てなかったし、逃げる時にオラが持ってた酒瓶ぶん投げてやったら、すごい勢いで飛びついて、泣きながら飲み始めたんだ。いつの間にか中級妖魔たちがそいつの周り集まってたんどもすぐに化けダヌキが仲間割れ始めて、そんの隙においら食われたくねぇから、必死逃げただ。最近もらった嫁っ子一人にする訳にいかねぇべな。それにしても本当何さ、しに来たんだあの馬鹿ダヌキ」

 妖魔は強ければ強いほど自己を認識する。特に知性が高ければ大抵は人間のように羞恥心が出て、局部を何かしらで隠したくなる。あの鬼ですら、腰布くらいは付けている。つまりフルチン人型妖魔は馬鹿だと推測される。


 それ以降その街では、夜騒ぎが起った時に酒を供えなければ不幸になるとされた。また逆に、その供えた酒がなくなっていたら幸運が訪れると信じられた。これは化けダヌキに襲われてとっさに酒を投げた番卒が無事生き残ったことや、嫁がすぐに妊娠したこと、街の子供が神隠しに遭わなくなったことに起因する。他にも住民に被害無く、大規模妖魔討伐により周辺が安全になったため農地は拡張されと、結果的に良い事尽くめで、街を救った『でっけぇ金玉の化けダヌキ』は庶民に愛されるちょっとお馬鹿な守り神として奉られ始める。



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