第23話 母との再会
宮廷魔法使いを打ち破ったシャルロッテたちは、国王と共に、王宮の地下牢へと向かった。
地下牢の奥には、一人の女性が、静かに座っていた。彼女は、ぼさぼさの髪で、やつれた表情をしていたが、シャルロッテの瞳と同じ、燃えるような赤い瞳を持っていた。
「お母様……!」
シャルロッテは、母親の姿を見ると、駆け寄って、強く抱きしめた。
「シャルロッテ……。私の、可愛い娘……」
母親は、シャルロッテの顔を見ると、涙を流しながら、彼女を抱きしめ返した。
ロイドは、その様子を、静かに見つめていた。彼の父親である国王もまた、妹との再会に、涙を流していた。
「お母様……。運命の魔法を、私に託してくれて、ありがとう……」
シャルロッテは、母親に、これまでの出来事を語った。
「私が持っていた運命の魔法は、人の運命を繋ぐ力……。宮廷魔法使いは、その魔法の力を悪用しようとしていた……」
母親は、シャルロッテに、運命の魔法の真実を語った。
「そして、その魔法は、私の血を引く、君にしか使いこなせない魔法だった……」
母親は、シャルロッテに、運命の魔法を託した理由を語った。
「お母様……」
シャルロッテは、母親の言葉に、再び涙を流した。
その時、母親のペンダントが、淡い光を放ち始めた。その光は、シャルロッテの小指に結ばれた赤い糸と共鳴し、地下牢全体を、温かい光で包み込んでいく。
その光の中で、母親の身体は、徐々に回復していき、彼女の顔には、生気を取り戻したような、穏やかな表情が浮かんでいた。
「これは……! 運命の魔法……!」
テスラが、驚きの声をあげた。
「運命の魔法は、人の運命を繋ぐだけでなく、人の生命を繋ぐこともできる……」
テスラは、運命の魔法の真の力に気づいた。
シャルロッテは、母親の手を握りしめ、静かに言った。
「お母様。私と、ロイド様、そして、みんなの絆が、お母様の生命を繋いでくれたのね……」
彼女は、母親を救うことができた。そして、最高の仲間たちと、愛するロイドと共に、この国の運命を変えることができたのだ。




