第19話 国王の真実
ロイド、シャルロッテ、フレッドの3人は、国王が待つ王宮の執務室へと向かった。
執務室のドアを開けると、そこには、ロイドの父親である国王が、一人で座っていた。国王の顔は、いつもと違い、どこか寂しそうで、やつれた表情をしていた。
「ロイド。よく来てくれた」
国王は、3人を見ると、静かに言った。
「父上……。なぜ、私たちを?」
ロイドが尋ねると、国王は、深く息を吐き、重い口調で話し始めた。
「君たちの母親のこと……。そして、シャルロッテ・バイセルハーズの母親のこと……。すべては、私の過ちだ……」
国王の言葉に、ロイドたちは驚き、顔を見合わせた。
「シャルロッテ・バイセルハーズの母親は、私の妹だ……」
国王の衝撃的な告白に、シャルロッテは、思わず息をのんだ。
「彼女は、この国に古くから伝わる運命の魔法を継承していた。そして、その魔法を使い、この国の運命を変えようとした……」
国王は、シャルロッテの母親が、運命の魔法を使って、国の不平等をなくそうと奔走していたことを語った。
「だが、宮廷魔法使いが、その魔法を悪用しようと画策した。私は、彼女を救うために、宮廷魔法使いと戦った……。だが、力及ばず、私は……」
国王は、言葉を詰まらせた。
「私は、彼女を、宮廷魔法使いの魔の手から守るために、あえて投獄したのだ」
国王の告白に、ロイドたちは、言葉を失った。
「父上……! なぜ、もっと早くに……!」
ロイドが叫ぶと、国王は、静かに首を横に振った。
「宮廷魔法使いは、この国の闇そのもの。私は、彼らの力を恐れていた。彼らが、この国を滅ぼす力を持っていることを知っていたからだ」
国王は、宮廷魔法使いが、運命の魔法を悪用して、この国を支配しようとしていることを語った。
「宮廷魔法使いは、運命の魔法を完璧に使いこなすために、運命の魔法を継承するシャルロッテを、狙っている」
国王は、シャルロッテに視線を向けた。
「シャルロッテ・バイセルハーズ。君の母親は、運命の魔法の力を、君に託した。君が、その魔法を完全に使いこなせるようになれば、君は、この国の運命を変えることができる……」
国王は、シャルロッテの母親が、運命の魔法を、娘であるシャルロッテに託していたことを告げた。
「そして、私は、君たちを、宮廷魔法使いと戦わせるために、ここに呼んだ」
国王は、3人に、深々と頭を下げた。
「どうか、私に力を貸してくれないか。この国の運命を、変えてくれないか」
国王の言葉に、ロイド、シャルロッテ、フレッドは、顔を見合わせた。
彼らは、運命の魔法を使いこなせるようになり、この国の運命を変えることができるのか。




