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引きこもり魔女の恋愛ゲーム  作者: 吉本アルファ
18/24

第18話 フレッドの決意、そしてロイドの苦悩

図書館での調査を終え、シャルロッテたちは、学園の庭園へと向かった。


「テスラの母親が、国王の秘密の魔法に関わっていたとはな……。王族の闇は、想像以上に深いようだ」


ロイドが、重い口調で言った。


「俺の父親も、王宮の機密情報を調べてくれている。何か進展があれば、すぐに連絡してくれるはずだ」


フレッドが、ロイドの言葉に頷いた。


「みんな、ありがとう。みんなが協力してくれて、本当に心強いわ」


シャルロッテは、仲間の温かさに感謝していた。


その時、フレッドが、ロイドに視線を向けた。


「ロイド……。お前の父親が、本当に黒幕だったとしたら、どうするつもりだ?」


フレッドの言葉に、シャルロッテは息をのんだ。ロイドは、国王の息子。彼にとって、父親は、超えることのできない絶対的な存在だ。


「僕も……。まだ、答えは出ていない……」


ロイドは、苦しそうな表情で言った。


「でも、シャルロッテの母親を救うという決意に、変わりはない。たとえ相手が、僕の父親だったとしても……」


ロイドは、自分の父親が、母親の冤罪に関わっているかもしれないという事実に、苦悩していた。


そんなロイドの肩に、フレッドがそっと手を置いた。


「ロイド。俺たちも、お前と同じだ。俺の父親も、王宮の騎士団の副団長だ。もし、俺たちの父親が、この件に関わっていたとしても、俺たちは、お前の味方だ」


フレッドの言葉に、ロイドは驚き、目を見開いた。


「フレッド……」


「シャルロッテの母親を救う。それは、俺たち全員の決意だ。一人で抱え込むな」


フレッドは、ロイドの目を真っ直ぐに見つめ、力強く言った。


「フレッド……。ありがとう……」


ロイドは、フレッドの優しさに、思わず涙ぐんだ。


その時、ロイドのポケットに入れていた通信魔法のペンダントが、淡い光を放ち始めた。


「これは……! 父からだ!」


ロイドは、ペンダントを開くと、そこに記されたメッセージを読み上げた。


『ロイド。至急、王宮に戻れ。君に伝えなければならない、重要なことがある』


メッセージの内容に、ロイドたちは、緊張した面持ちで顔を見合わせた。


「ロイド様……。何か、分かったのかも……!」


シャルロッテが、ロイドの言葉に期待を込めた眼差しで言った。


ロイドは、フレッドとシャルロッテの手を握りしめ、深く頷いた。


「ああ。僕たちで、父に会いに行こう。そして、真実を、この目で確かめてこよう」


彼らは、国王が待つ王宮へと向かった。

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