第14話 王宮への潜入
ロイド、フレッド、シャルロッテの3人は、国王に会うために王宮へと向かった。
テスラとバロンは、王宮の門番や兵士たちの動きを監視し、彼らが王宮に潜入するための手助けをすることになった。テスラは、門番を眠らせる魔法薬を作り、バロンは、彼が持つ騎士団の副団長の息子という身分を利用して、王宮の裏口を案内することになった。
「バロン、テスラ、ありがとう。私たちは、必ず真実を突き止めてくるから」
シャルロッテは、二人に感謝の言葉を述べた。
「任せとけ、シャルロッテ! お前たちのことは、俺たちに任せろ!」
バロンが力強く言うと、テスラも無表情ながらに頷いた。
夜の帳が降り、王宮が静まり返った頃。ロイドたちは、テスラが作った魔法薬を手に、バロンの案内で王宮の裏口へと向かった。
テスラが魔法薬を門番に投げつけると、門番たちは、まるで眠りにつくようにその場に倒れ込んだ。
「よし、今のうちだ!」
バロンの合図で、ロイドたちは王宮の裏口から忍び込んだ。王宮の中は、想像以上に広く、迷路のようになっていた。
「国王の執務室は、この先だ……」
フレッドが、王宮の内部構造を記した古地図を手に、先導する。彼は、父親から渡された地図を頼りに、国王の執務室へと急いでいた。
ロイドたちは、物音を立てないように、細心の注意を払いながら進んでいった。しかし、その時、一つの部屋のドアの隙間から、話し声が聞こえてきた。
「国王陛下。あの娘は、まだ生きております。もし真実が露呈すれば、我々の計画は水の泡となります」
その声は、ロイドの父親である国王の声ではなかった。それは、彼らがよく知っている、宮廷魔法使いの声だった。
シャルロッテの母親を投獄した張本人。彼女を陥れた、憎き仇。
ロイドたちは、息を殺してドアの隙間から中を覗き込んだ。そこには、国王と、宮廷魔法使いが、真剣な表情で話し込んでいる姿があった。
「あの娘の持つ王族の秘密の魔法。それは、必ずや我々の手にいれなければならない……」
宮廷魔法使いの言葉に、ロイドたちは驚き、顔を見合わせた。
(やっぱり、お母様のペンダントは……!)
シャルロッテは、母親の冤罪が、王族の秘密の魔法に関係しているという確信を得た。
そして、その時。
「誰だ!」
宮廷魔法使いが、鋭い視線で、ロイドたちが隠れている場所を睨みつけた。ロイドたちは、見つかってしまったことを悟り、逃げることを決意した。
「みんな、走れ!」
ロイドの叫び声と共に、彼らは王宮の廊下を駆け抜けていく。彼らの背後から、宮廷魔法使いの追跡が始まった。




