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引きこもり魔女の恋愛ゲーム  作者: 吉本アルファ
12/24

第12話 テスラとバロンの決意

魔法学園の食堂は、いつも賑やかだ。シャルロッテは、ロイドたちと一緒にランチを楽しんでいた。


「シャルロッテ、今日の魔法の授業、すごかったな! 俺、全くついていけなかったぜ!」


バロンが、豪快に笑いながら言う。彼は、魔法は苦手だが、持ち前の明るさと人懐っこさで、いつも場を和ませてくれた。


「ふふ、バロン君は体育会系だからね。魔法はちょっと苦手なのかも?」


シャルロッテは、楽しそうに笑う。そんな彼女の姿を、テスラがじっと見つめていた。


「シャルロッテ……。あのさ、俺も母親を救うために何か手伝えることはないかな?」


テスラは、真剣な表情で尋ねた。彼は、シャルロッテの母親が、冤罪で投獄されていることを知っていた。


テスラは、魔法薬学の知識を活かして、母親が収容されているであろう牢獄の環境や、健康状態を改善するための魔法薬を作れないか、と考えていたのだ。


「テスラ君……。ありがとう。でも、私一人で……」


シャルロッテは、自分一人で解決しなければならない問題だと思っていた。だが、テスラは首を横に振った。


「違うよ。君は一人じゃない。僕たち、仲間だろ? シャルロッテの母親は、僕たちにとっても大切な人だ。それに……」


テスラは、言葉を濁し、ロイドをチラリと見た。


「それに、僕も少しだけ、君の母親の件に心当たりがあるんだ……」


テスラの言葉に、シャルロッテは驚き、ロイドも顔色を変えた。テスラの母親は、王宮の専属薬師であり、王宮の秘密をいくつか知っている可能性があるというのだ。


「俺もだぜ、シャルロッテ! 俺は、王宮の騎士団長を目指しているんだ! だから、お前の母親の冤罪を晴らす手助けができるかもしれない!」


バロンが、熱い瞳でシャルロッテを見つめる。彼の父は、王宮の騎士団の副団長を務めている。バロンは、父に母親の件を相談することで、何か手掛かりを掴めないかと考えていた。


シャルロッテは、彼らの温かい気持ちに胸がいっぱいになった。


「ありがとう、みんな……。私、本当に嬉しい……!」


彼女の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちる。それは、もう絶望の涙ではなかった。彼女を支えてくれる、温かい仲間たちがいることへの、感謝の涙だった。



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