荒野に生まれ落ちた魔族
歴史を遡ること約1000年この世界は争いに満ちていた。
大きく分けて3つの種族がとても大きな戦争を繰り返していた。
その種族は、バランスよくこなすことができる人族、力が強い獣人族、魔法の扱いにたけている魔族であっる。しかしこの3つの種族の中でも国同士の争いや、3つの種族以外の種族による反乱などが起こっていた。そんな争いが絶えない時代にのちの『星空の支配者』と呼ばれる魔族が生まれた。
魔族領土の荒野の真ん中に一人の魔族が生まれた。
「ここは、どこ?」
生まれたばかりの魔族は、何の知識もなくただ何もない荒野を歩き続けた。空にある太陽が2回ほど消えて3回目に現れたころ。廃れた家のようなものが見えた。魔族はそこに向かうと1人の年老いた見た目の同胞にあった。魔族は、その同胞に意を決して話しかけた。
「すみません。ここはどこかわかりますか?」
「どうした小僧よ。ここは辺境の村グレンザじゃ。おぬしここまでよく歩いてきたな。この村は、一番近くの町でも歩いて3週間ほどかかる距離じゃよ。」
「いえ、僕は気が付いたら何もないところにいて、とりあえず歩いてきただけです。」
「おぬし名前は?」
「名前?...ないです。」
「ということは、考えられる可能性は2つじゃな。1つ目は記憶喪失。2つ目は空気中の魔力から生まれたかじゃな。わしは、後者じゃろうと考えておる。そもそも記憶があった状態でここまでくる意味がないからじゃな。」
「そうなんですか。おじいさんの名前はなんですか?」
「おぉ、そうじゃった。わしの名前は、ジル・ゴートンじゃ。」
「じゃあ、ジル爺さんって呼んでいいですか?」
「いいぞ、あと堅苦しいのはあまり好かんからやめておくれ。」
「わかった。」
「お前さんは住むところもないじゃろうし、わしのとこに来るか?」
「ジル爺さんいいの?」
「構わんよ。わしはこの村では物知りじゃからいろいろ教えてやろう。」
「ありがとう!ジル爺さん。」
「いいんじゃよ。お前さん名前がないのは不便じゃから何か考えておいてくれ。」
「わかった。......うぅ~ん、思いつかないな~。そうだ!ジル爺さん何かいい名前ない?」
「わしが考えていいのか?」
「うん!ジル爺さんがいい。」
「わかった。じゃあ......ルナ。ルナ・ステラなんてどうじゃ?昨日の夜空は奇麗じゃったからな。」
「それがいい!ジル爺さんありがとう!」
「なに、構わんさ。じゃあ行こうかルナ。」
「うん!」
こうして辺境の村グレンザで知り合ったジル爺さんに名前をもらったルナは、何もわからず一人で心細かったのもありジル爺さんにすぐに懐いた。そうして二人は、並んでジル爺さんの家へ向かった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。今からの展開はまだあまり考えていないため矛盾点もあるかもしれませんが温かく見守ってくださると幸いです。更新頻度は不定期になってしまうと思います。それでもよろしい方はこれからもよろしくお願いします。