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BARBAROI -鬼方の戦士は八徳を嗤う-  作者: ペンギンの下僕
prologue4“inside my core”
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coffee shop“Santa Teresa”_5

 頼んだものが席に運ばれてきてからも仁吉と琉火の話は弾んでいた。

 内容は他愛のない話なのだが、仁吉は思った以上に自分が初対面の相手と気負わずに会話出来ていることに驚いていいた。


「そう、そこで聖火ちゃんがですね。特撮の火薬はあればあるだけいいって言い出して――」

「派手なのが好きだからね聖火は」

「爆発はやっぱり三次元に限るわねーとか、普通に言いますからね。映画とかでもストーリーより爆破の規模に焦点置いてますし」

「映画業界にとってはいいお客さんな気がするよ」

「スカッとするから楽しいって気持ちはわかりはしますけどね。先輩はどうですか?」

「そうだね……。いや、でも僕はやっぱり話の中身のほうが気になるかな。細かい矛盾とかまで考察するようなことはしないけど、設定とかキャラ付けに粗があるとそっちが気になってしまってね」

「なるほど。じゃあ、そういうの気にせず楽しめる映画って何かありますか? 先輩のオススメ教えてください」

「そうだね――。少し古い映画になるんだけど、『踊る大捜査線』って刑事ものの映画シリーズがあってね。僕はあれが大好きなんだ」

「どんな話なんですか?」


 そう聞かれて仁吉は暫く『踊る大捜査線』について説明した。主人公のキャラクターと、その有り様が大好きなこと。映画は四シリーズあって二作目が一番有名だが自分は三作目が一番好きだということなど。

 琉火はそれを、時折相槌を打ちながら聞いていた。


「それでその事件っていうのが……。と、あんまり話しすぎるのもよくないかな?」

「そうですね。話を聞いてると見てみたくなったのでそのあたりでお願いします」

「しかし、まあ僕は好きなんだけど古い映画だよ。最新作でも十年くらい前のだったはずだし」

「いいんじゃないですか? 面白いものに古いも新しいもありませんよ。うちの兄だって再放送の時代劇を録り溜めて時間のある時に一気見したりしてますから」


 そう言われて仁吉は、如水が前にそんなことを話していたのを思い出した。


「確かあいつは『必殺』シリーズが好きって言ってたかな?」

「はい。でも時代劇なら割となんでも観ますよ。私はあんまり観ないんですけどね。それにどうにも、休みの日に一日中テレビの前にいるのって落ち着かなくて」

「ま、趣味や休みの使い方は人それぞれでいいんじゃないかい?」

「南方先輩は休みの日って何されてます?」

「そうだね……。まあ、勉強したり本読んだりかな。ああ、最近は通ってる道場でバイトを始めたからそれもかな。並べてみるとどうにも殺風景な休日のような気がしてきたよ」

「それこそ、人それぞれでいいんじゃないですか? それに私、活字読むの苦手なんで本読むのが好きな人ってすごいなって思いますよ」

「僕は好きな本を読みたいだけで、別に本を読むのが好きなわけじゃないよ。読むのも遅いし、途中で合わないと感じて挫折することもあるし。そもそも、興味が湧かなければまったく読まない時だってあるよ」

「先輩はどういう本が好きなんですか?」

「そうだね――」


 琉火の話し方の巧いところは、話題を振る時にまず共通の知人のことから話し出しているところである。相手がその場にいない分、いきなり自分のことを聞かれるよりも話しやすい。そしてその流れの中で自然に仁吉への質問に繋げているので仁吉もついつい話してしまうのだ。

 そしてたっぷり一時間ほど話したところで二人は席を立った。

 話の流れで如水の服のセンスという話題になり、仁吉が、


「でも僕だってセンスなんかないよ。というか、服を選ぶというのがどうも……苦手だし億劫に感じてね」


 と言うと、


「……私でよければ、お手伝いしましょうか?」


 と言われたので二人で仁吉の服を探しに行くことになったのだ。

昨日の夜、別で古代中国の歴史小説を投稿しました。蒼天ちゃんの前世、楚の荘王も出てくる話です。もしよければそちらもよろしくお願いします!!

URLはこちらです↓


https://ncode.syosetu.com/n0045kd/

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