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BARBAROI -鬼方の戦士は八徳を嗤う-  作者: ペンギンの下僕
prologue4“inside my core”
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fool climbs tree_4

「――という訳なんじゃ」


 昼休み。教室で昼ご飯を食べながら蒼天はことのあらましを玲阿と忠江に話していた。

 無論、傀骸装のことは話せないのでどうやって助けたかは曖昧に濁してあるが。


「そ、それは……大変だったね」


 話に聞くツインテールの少女――詩季(しき)のことを聞いて玲阿は苦笑いを浮かべていた。


「でもさー、レアチもけっこう向こう見ずなとこありそうじゃん?」


 忠江はそう言って蒼天に同意を求めた。

 蒼天はついこの間の、鬼の群れに追われた時のことを思い出しながら適当に相づちを打つ。

 あの時のことを玲阿は覚えていない。これは蒼天の推測だが、おそらくサヤがそのあたりの記憶を改竄しているのだろうと思っている。

 そしてそのほうがありがたいとも思っている。

 あんなことは知らないままでいて欲しい。あの時の自分の醜態など忘れて欲しい。それが蒼天の我が儘であり優しさだった。


「しかし……藤雀堂の水ようかんかー。実在すんだねあれ?」

「私、確か昔いっかいだけ食べたような……覚えてないや」

「うむ、人助けはするものじゃのう。情けは人の為ならずじゃ!!」


 ちなみに蒼天は自分から救出に対価を求めたという話も伏せてある。


「ま、遅刻に関してはどうにもならんの。余は琥珀が大目に見てくれたが」

「しーちゃんは駄目だったんじゃね?」

「あれ、二組の担任って誰だったっけ?」


 玲阿が聞くと蒼天が即答した。


芦屋川(あしやがわ)先生じゃの。まああの人なら駄目……というか、琥珀が緩すぎるんじゃ」

「あれ、二組の担任って女の先生じゃなかったっけ? 芦屋川先生って現国の先生でしょ?」

「いやレアチ、ややこしいけど芦屋川先生二人いんだわ。ほら、英語の頼音(よりね)先生じゃんよ。あの人の名字、芦屋川なの」

「そうなの? あー、でもなんか最初の授業のときそう言ってた気がする。兄妹なんだっけ?」

「いとこではなかったかの?」

「ヨッチよく覚えてんね」

「うむまあ……。この学校、ちょくちょく珍しい名字の教師がおるからの」

「あーいるねー。メッフィーとかトリ天先生とか」


 三人はそこからは完全に雑談モードとなり、教師の名字や名前の話を昼休みが終わるまで延々と続けていた。

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