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ショートショート5月〜5回目

共同制作「時を超えたメッセージ」

作者: たかさば

 僕は…一冊の古い日記を、手に入れた。


 先週、半年に一度の町内大廃品回収があった。

 その手伝いをしていた時に、物置の片隅で見つけたのだ。


 やや重厚な、辞典みたいな…日記帳。表紙にDIARYと書いてあるので、たぶん日記だ。

 だがしかし、中身を確認してみると…日記のような文字列は、どこにもない。


 鉛筆で書かれた、謎の…文字?

 たぶん文字なのだろうけど、あまりにも汚くて、読めないんだよなあ…。


 かろうじて読めるのは、日付の一部と…計算式?

 1981/5?8?/0?6?…、c…6…N0…???

 おかしな図形と、グラフ…なんだ、これ??

 よくよく見れば、地図らしきものも書かれているが…??


 おかしな記号だらけのページや変な模様がみっちり書かれたページもある。

 汚い色で塗りつぶされたページやセロハンテープの跡だけのページもある。

 …ホント何なんだろう。



「先生、ちょっといいですか」

「うん?なんだ、どうした、質問か!!!」


 自分一人の力では、到底謎を明かすことができないと踏んだ僕は、担任の南先生に頼ってみることにした。南先生は謎解きクラブの顧問でもあるので、力になってくれると思ったのだ。


「ほう、倉庫で見つけた謎の日記帳か。うーん…、なんかの化学式…?多分、蒸留のこと??この謎の記号は何なんだろう、2ME??ゴッド…、ちょっと判りにくいけど、これたぶんCO2って書いてあると思うんだよなあ。こっちは…いや…これは1+1じゃなくてHIか?」


 科学のスペシャリストである理科教師をも唸らす、この謎の…日記。

 とりあえずコピーをとって、クラブ活動の時間にみんなで考えてみようという話になった。



「これ、明智町の地図なんじゃない?だってほら、ここ…大通りじゃん!!!」

「うわ、ホントだ!!!」

「でも…鉄道なんて通ってないよ…?」


 日記を回し読みし、部員全員で謎を解く手掛かりを探す。


「いや、待て…、たしか俺が子供だった時に、この辺りに昔鉄道が通っていたって聞いたことがある!!ちょっと小柳先生に聞いてみるわ!!」


 地図らしき部分を拡大コピーし、歴史のスペシャリストである社会科教師に見てもらったところ、どうやら100年ほど前のこの辺りの地図が書かれているであろうことが判明した。


 だが、しかし。

 それ以降は全く手掛かりすらつかめず、一向に解析は進まなくなってしまったのだ……。




「……いったい、この日記には…何が記されているというんだ…?」


 僕は、もう何度も開いている日記のページをまじまじと見ながら、腕を組んだ。


 もしや、異世界の遺品…?

 まさか、誰にも読めない、魔導書…?


 ……いかんいかん、最近読んだラノベの影響が出ている。


「なぁなぁ、ネェさん…これ、何が書かれてるんだと思う?」


 足元で脱いだジャージをガジガジやっている猫に聞いてみる。確か昔、名探偵の猫がいるとか何とか、聞いたことがあったような気がしたもんだからさ。

 ……あーあー、紐がぼさぼさ…布の表面がガサガサだよ。また母さんに怒られるぞ…。ネェさんはホントひどい噛み猫で、この前は充電器のコードをかじってダメにしちゃって大変だったんだよなあ。


「……ニャーン」


 ひとしきり紐を噛んで満足したらしい猫が、トンと膝の上に乗って…日記帳のにおいを嗅ぎ始めた。

 せっかく?なので、なんとなくぺらぺらとページをめくってやる。

 すると……、一面に絵の具が塗られているページを…ぺろぺろと舐め始めたぞ……。


「ちょ、なめんなって、…って、…ほ、ゆみ……もた…え?なんか、書いてある!!!」


 べったりとポスターカラーが塗られていると思っていたページの一部が薄くなり、下から文字が出てきた。

 ……もしかして、これ、暗号が書かれているんじゃ?!

 ナイスだ!!ネェさん!!!


 猫を下ろし、日記を閉じ、キッチンに向かい!!!

 水をコップに一杯持ってきて、ティッシュを湿らせて…ページを慎重に、濡らす……。


 …よきで…、まくの二と…。なく…あし?あい……。

 絵の具の色が薄くなってくると、下に書いてある文字が浮かび上がってきた。

 よし、これで明日、みんなに大きなヒントが見つかったって報告できるぞ!!

 できる限り絵の具を溶かして、明日みんなでこの本に書かれている内容を推理しよう。


 いよいよ長くうちの倉庫の奥で眠り続けていた、日記の謎が明かされる時が…来る!!!

 どうしよう、財宝のありかとかが書かれていたら!!


 下のページまで水が染みてきたので、慌ててティッシュで押さえて…そっとページをめくろうとした、その時!!!


 ……ガチャ!!!


「おーい、母さんがご飯だって呼んでるのに、何やってんだ…って!!!」


 父さんが…、いきなり部屋の中に入って来て!!!


 マズい!!!

 いつの間にか夢中になっていたらしい!!

 慌てて日記を閉じて背中に隠すも!!!


「おい!!!それ…そのバ…イブルっ!!!どこで…どこで見つけた、なんで…お前が持っている!!!」

「いや、これはこの前の廃品回収で捨てるやつで!!なんか謎が書いてあるから、今解析中で!!」


 いつもの温厚な笑顔が…みるみる固まっていく父さんの、顔が…顔がアアアアアア!!!


「解析?!ダメだ、これはカホ…それをこっちによこしなさい!!!勝手に持ち出すなんていけない事だぞ?!ハヤトにはまだ…早い!!!あーあー、こんなに…水でぬらして!!!これは没収する!!!」


「そ、そんな!!!」


 あと少しで謎が解けるところだったのに!!!


 僕は完全に……、意気消沈してしまった。




「…というわけで、日記はなくなってしまいました。もう、謎を追う事は…できません」


 次の日、ガックリしながら報告をした僕だったのだが。


「諦めるな!!聞いてよ、僕すごいことに気が付いたんだぜ?!この見開きのページの数字…たぶん、ほら!!真ん中からぐるっと、円周率になってるんだよ!!大きな○は、ゼロなんだ!!!」


 隣のクラスの……石田君が。


「あのね、この絵…見て!!日本の伝統的な模様、アサノハっていうんだって!!美術の深田先生に聞いたの!!」


 同じクラスの……沢田さんが。


「これ…気付いたんだが、神田小学校の電話番号じゃないか?おそらく、このページは、電話番号で記されている地図!!」


 教頭先生まで、出てきて!


「お父さんが日記を処分してしまう可能性は…高い。もしかしたら、宝物を掘り起こされてしまう可能性はある。だが…みんなで一致団結して早急に謎を解けば、得るものはあるはずだ!!!」


「急げば…宝はまだ埋まってるかもしれないじゃん!!」

「探すことは禁止されてないんでしょ?」

「まだ早いって事は、いつかは認めてくれるって事だよ、早く謎を解いて成長を魅せるというのもいいんじゃない?」


 力強い、心強い、先生の…仲間の声を聞いて、僕はっ!!!


「……謎を解き明かすまで、頑張ろう!!!」


「「「「「「おー!!!」」」」」」



 俄然、やる気がみなぎった!!!



 よーし、絶対に、父さんをびっくりさせてやるぞ!!!





 ~以下、お父さんの心情~


 ヤバイ、なんでハヤトがあのバイブルを持っているんだ!!!


 あれは…俺の黒歴史の塊!!!


 中学二年の時に小遣いをはたいて買った、ちょっとカッコいい日記帳!!!

 クラスの女子を見ながら、妄想を綴った悪魔の書!!!

 青春の証、忘れ得ぬ思い出、やらかしてはいるものの夢中になれるものがあったことを思い出させる宝物、まさに…家宝!!!


 自分文字を使ってあらゆる爛れた創造を残し、エロい単語を書きなぐり、お気に入り女子を連想させるものを描き込み、目視ではあるが成長曲線を作製し、分けてもらった絵の具を塗ったり、給食の時にもらったマヨネーズを塗ってみたり、クリスマスにもらったココアを水で溶いて塗ってみたり、リップクリームをちょっと拝借して塗っといたり、拾った髪の毛を貼っといたり、写真を貼っといたり、好きな女子の名前を延々書いて真っ黒いページにしてみたり、電話番号を記録したり、家の場所をメモったり、ホレ薬を調合しようと目論んだり、魔法が使えると思い込んで呪文を書いてみたり、魔法陣にエロい言葉を組み込んだり、俺にしかわからない、至福の全てが詰まっていた貴重なやつ!!!


 写真が全部引っぺがされているところを見ると、おそらく母さんが見つけてはがして捨てて…そのまま怒り心頭で倉庫の奥にぶち込んだに違いないぞ!!!くそっ…なんてことを!!!


 ヤキモチを焼くのはかわいいが、俺の青春の証を勝手に処分したことは許しがたい、だがしかし今さらぎゃあぎゃあ言ったところで何ともならないわけで…というか、いつこれは発掘されたんだ?!

 俺は自分の部屋のクローゼットの奥のアルバム群の中にひっそりと紛れ込ませていたはずで!!!


 油断も隙もありゃしない!!!

 今後は…大切なものはツキイチで必ず確認するようにしよう。


 は~、恥をかく前に回収できてよかったよ……。





Copilotさんがいつの間にかパソコンにいらっしゃっていたので、「小説のネタを下さい」とお願いしたら考えてくれたんですよ。

せっかくなので、書いてみました…。


タイトル: 「時を超えたメッセージ」

概要: 主人公は、古い日記を手に入れます。その日記には、過去の時代からのメッセージが隠されていることに気づきます。それは、現代の科学では解明できない謎を含んでいます。主人公は、歴史の専門家、科学者、そしてコードブレーカーと協力して、日記の秘密を解き明かし、それが持つ歴史的重要性を世界に示そうとします。しかし、彼らは時間との競争になります。なぜなら、ある強力な組織もまた、日記の秘密を利用しようとしているからです。

このアイデアはいかがでしょうか?他にも何かお手伝いできることがあれば、お知らせください。

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