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堕ちた僕  作者: uraken
7/16

外出

よろしくお願いします。

 翌朝、昨日の夕食と同じように3人で一緒に食べる。

 今日はルオーネさんの家探しを手伝う予定だ。

「ルオーネさん、家はどのあたりにしようと思ってるの?」

「あ、えーと、不動産会社でいいところがあればそこにしようと思ってます」

「そもそも日本には何しに来たのよ?」

 良子が訊ねる。

 それは僕も気になってた。部屋を探すにしても普段何をしているかによって選ぶ時の優先順位も変わるだろう。

「あ、あー、が、学校に行く予定です。転校するんです」

 慌てたようにルオーネさんが答える。そんなに変なことは聞いてないと思うけど、どうしたんだろう?

「へー、どこの学校?」

 気になったので、僕からも訊ねてみる。

「え、えっと、天童さんと同じところです」

「そうなの? じゃあ、家はこの近所で探せば大丈夫かな。不動産のお店が駅前にあったから行ってみよう」

 僕の家と駅は徒歩圏内にあり、歩いて行くことが出来る。ちなみに、僕が通っている高校は、駅をはさんだ向かい側に立地している。

「ルオーネさんっていくつなの?」

 良子が遠慮なく聞く。女子同士だと関係ないのかな、僕にはとても聞けない。

「あ、えっと、17歳です」

「じゃあ、僕と同じ歳だね」

 そうこう話しているうちに、みんな朝食を食べ終わっていた。

「それじゃ、準備して出発しようか。良子はどうする?」

 一応、良子に確認すると、

「行くわけないでしょ」

そんな雑な返事が返ってきた。



 部屋で着替えて玄関に向かうと、もうルオーネさんは出発準備が出来ていた。

「それじゃあ、行こうか」

「はい」

 駅に向かって歩き出す。

 辺りをきょろきょろ確認するが周囲には誰もいない。

 せっかく二人きりになれたので、昨日見せてもらった不可思議な力のことを聞いてみる。

「ねえ、ルオーネさん。昨日見せてもらった力なんだけど、あれってどうやってるの? 昔から出来たの?」

 そう聞くと、困ったようにしながら答えてくれた。

「えーと、わ、私にも分からないんです。小さいときからいつの間にか出来たような感じで。理屈も私自身にも全然わからなくて……」

 自分でもよく分からないということらしい。人がなぜ歩けるか聞かれても僕には答えられないのと同じようなものかな。

「そうなんだ。その力は周りの人には隠してるんだよね」

 念のため確認しておく。

「はい。人にばれると怖いので秘密にしてます。天童さんも秘密にしてくださいね?」

 そう言って僕の目を見てくる。身長差のせいで上目遣いのようになっている。

 ヤバい。めっちゃかわいい。

 僕はただコクコクと頷くことしか出来なかった。

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