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物語の始まり ルーチェ



 女子高生である少女、五葉は思った。


 乙女ゲームの世界に行きたい。

 推しキャラがいる異世界に行きたい。


 それは馬鹿げた願いで、ただの絵空事だった。


 叶うはずがないと分かっているからこその、不相応な願い。


 けれど奇跡が起こって、それは叶えられた。


 初詣の日に、邪念と欲望にまみれたいつはの願いは聞き届けられたのだった。






「はー。ここがウォルド様のいる世界でやんすかっ!」


 下っ端口調で話す私こと五葉いつははあたりをキョロキョロ。


 気が付いたら、見覚えのある場所に立っていた。


 西洋風の街並み。

 通りがかる人達はカラフルな髪の色と瞳の色。

 街角で芸を披露している大道芸のあんちゃんは、魔法で炎を吹いたり水をあやつったり。


 間違いない。

 ここは、異世界!

 それも私が元の世界で遊んでいた乙女ゲーム「ヒロイック・プリンセス」のだ。


 私の心境は有頂天に達した!


 言葉使いが若干おかしいがどうか目をつぶっていてほしい。


 今までの人生、ついぞ最後まで振り向いてくれなかったつれないあの神様が。

 迷える子羊共からお金をまきあげるために利用されていたあの実体も何もない神様が、本当に願いをかなえてくれたようだ。


「はぁー、感無量っす!」


 そんなこんなでひとしきり周囲を観察した後は、好きなゲームの世界を堪能するために、あっちゃこっちゃうろうろしていた。

 そしたら、さっそく誰かとぶつかってしまった。


 そのお相手は。


「歩くときはちゃんと回りをよく見ておくんだな」


 孤高の一匹オオカミ。

 ルーチェ・フランドールだった。


 攻略対しょぉぉぉーう!


 おおう、ツンデレショタ枠!


「何だこの女」


 初対面の女性を、この女呼ばわり!


 聞きました?


 みなさん。

 これがツンデレです。


 いやー、こういうのって現実では許されないですよねーえ。


 SNSとかに情報のせたら、一斉に叩かれるやつっ!


 でも、ファンタジーだから許されちゃう!


 いま、ここ現実だからおKっ!


「用がないなら、さっさとどっかいけ。おい、顔を覗き込もうとするな、つきまとうな」


 おっと、いけない。

 

 自動追跡モードになっていたようです。


 ばいばーい。


 まあ、仕方ないよね。


 憧れのキャラクターその2くらいの人物が目の前にいたんだもん。


 でも私の一番の推しは、ウォルド様という超ヒロイックプリンスなので。


 笑顔で見送りますっ。


 はぁー。せっかく好きな乙女ゲームの世界にやってきたんだから、一番の推し探してみようっかな!


 私の好きな乙女ゲーム「ヒロイック・プリンス」に出てくる、人気ナンバーワンのキャラ。ウォルド様!


 せっかく憧れの世界に来たなら、見に行かなくちゃ大損だもの!



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