文化祭④
閲覧ありがとうございます。
(文化祭はあと一回あります!)
「…!悠花さん!」
遠くからでも悠花の姿が目に入ると、周りの目を気にせず近寄って来た。
「ごめん…迷子ってた、心配させちゃったね…」
「分かりにくいところ、指定してごめんなさい……」
「大丈夫、大丈夫!待ってくれてありがとう優月ちゃん。行こうか…!」
優月ちゃんの手を引き、廊下を歩き始めた。
「優月ちゃん、今日は何でも奢るよ」
「ほんと…?じゃ、わたあめ食べたい」
「…かわ、よしわたあめは3-3がやってるね、行こうか!」
「…あ、あの。悠花さん。」
「んー?」
「ごめんね。逆側の方が近い、かな…?」
「あー…、うん。ごめんねぇ………結局手引いてもらって、」
早歩きになりつつ、3-3へ到着する
思った以上に凝ったわたあめが沢山あり
優月ちゃんは悩みに悩んでいた。
「……どうしよう」
「すごい悩むんだね、そうか。すみませんー!」
隣で悩んでいる優月ちゃんを置いて、クラスの人に声をかけた。
「出店のわたあめ全部1個ずつ下さい!」
「は、はい!」
「え、いいの…?」
「うん?こんなん安いもんだよ~…あ、見て優月ちゃん。出来て行くよ。綺麗だね~」
「…うん。綺麗。」
「持ちきれないので、立てるやつ使いますか?わたあめ食べ終わったら捨てて大丈夫なので」
「お願いします!でもすごい上手ですね。練習したんですか?」
「ありがとうございます。担当の生徒たちが頑張って本格的にしようって張り切ってたんです!」
「素敵ですね!」
悠花が積極的に話を持ち掛ける姿をまじまじと優月ちゃんは見ていた。
胸がちくりとしながら、わたあめが出来上がって行くのを見ていた。
「お待たせしました!」
「ありがとう。優月ちゃん行こうか!ん?優月ちゃん…?」
「……!あ、ごめんなさい。なんでもない。うん。行く。」
少しテンションが下がる優月ちゃんを見ると
悠花は無言になり、制服のポケットから1つのキーホルダーを取り出した。
優月ちゃんの空いてる手のひらにキーホルダーを乗せた。
「……キーホルダー?」
「さっきね。迷ってたときに買ったんだ。優月ちゃんが浮かんで。嫌じゃなかったら…もらってくれる?」
「…っ、うん。うん…大切にするね。」
スマホを取り出すと、キーホルダーをすぐにスマホへ付け悠花へ見せて来た。
「…思い出出来ちゃった、すごく嬉しい。」
「そ、そっか!良かった。優月ちゃん。見て、」
「?」
傾げていると悠花もスマホを取り出して
優月ちゃんへ見せると、渡したキーホルダーと色違いのものが付いてるのが映った
「……!こ、これ。一緒…?本当に?」
「お揃いだよ~」
嬉しい気持ちがいっぱいになりながら
文化祭を楽しみ続ける。