お出かけ
二話目です~~
有給をとらせてもらい自分は
姉のいる家に向かった。
片道二時間ほど、新幹線に乗り
ただ到着するのを待っていた。
『次は~○○駅』
「……ふがっ!あ、あ、、もうか…」
重たい瞼を擦り、姉と決めていた
集合場所へ向かう
辺りを見回すと手を振る姉の姿があった。
「おーい!こっち~」
「ありがとうね~助かるよ」
「何か優月ちゃんがすごいそわそわしてたけど、何か予定でもあるの?」
「予定、うん。2人で出かけようって話してる…今は家?」
「そうよ、来るか聞いたらやることあるからって……」
話ながら、姉の車に乗らせてもらい
姉の家へ向かった。
駅から小一時間
ほぼ変わらない畑風景を眺めながら
家に到着する。
「着いたー!!荷物一階でいい?」
「うん。いつもの和室にお願い」
「おっけ!お邪魔します!」
普段オタク活動する際に使ってる
痛バックよりは少し重い鞄を客間として
利用している和室の端へ置く
「よっこらせ、あ~重い…疲れたぁ~」
鞄を置くと同時に、畳の上に大の字になり
寝転ぶ。和室はリビングから丸見えということをすっかり忘れてしまい
姉夫婦に見られてしまっていた。
「相変わらずだなぁ……」
「あんた、女なんだからもう少しちゃんとしなさい」
「えぇ~だって長旅なんだからいいじゃん」
「良くない。優月ちゃんが真似したらどうするの」
優月ちゃんが真似したらどうするの。
そう言うのは、旦那側の家計が複雑で
かつ頭などが良い子へ育たねばいけないという
子供に対する重い期待があるんだ。
「はいはい、それじゃ優月ちゃんと出かけて来るね~」
「あ、こら」
重たい腰をあげ、優月ちゃんがいる二階へ
階段を上げ向かった。
***
「……悠花さん。」
足音が聞こえたからなのか
少し扉が開き、その隙間から恥ずかしそうに
優月ちゃんは顔を出す。
「久しぶり!って言ってもビデオ通話してたけど……ん?あれ??」
「……こういうの、色々はじめてで…どう?」
「へっ…あぁ、!可愛い!すごく!」
「……反応変」
「こういうの…人を褒めるの馴れてなくて、、あの……本当に、可愛い…」
優月ちゃんはとても美人だ。
だからこそ本気のメイクやおしゃれとか含めて
可愛い生物かッ……!?!!となる
「…ふふ、可愛い。」
「ちょっと何言ってるかわかんない」
「…手繋ぎたい。」
「何か甘々だねぇ、いいよ~」
***
姉夫婦に見送られ、家をあとにする
今回はプランを優月ちゃん任せにしていた為
どこに行くかは知らない。
「…悠花さん、手小さいんだね」
「う"…わたしは昔からなんだよね~…身長は伸びたけど、やっぱり難しいね…はは、」
「…そういうところも好き」
「ん"ッ…あ、あの…何、好き?」
「昨日も言ったけど……」
「あ…あの電話、優月ちゃんが言ってる時に切っちゃってたやつか…」
「……!?あ、あれ…き、きっ…どこで、」
「んーと、れの部分で?」
「……う、そ、なんで…」
「おぉ…ショックな顔だ…珍しい」
「…だ、だって、すごく勇気……出した」
気づけばショックな顔から泣きそうな顔になっていた。
30越えた叔母が10代後半の姪を泣かせたという
罪悪感が凄かった。
「…うぇ、あっ…あの……優月ちゃん!」
「……何?」
「今日のために…実はワンピース新調したの……浮かれ過ぎつつ、、黄色か水色かで迷って…」
「……ふふ、そうだったんですね。何か嬉しい」
「泣く顔よりわたしは、笑った顔の方が好きなんだけどなぁ…なんて、、あれ、私めっちゃ変なこと言っちゃったね…?!ごめんよぉ…」
「変じゃない……です、嬉しすぎて、どんな表情をすればいいのかわかんなくて……」
やっばり優月ちゃんは可愛い女の子だ。
きっと、思春期の勘違いというものだろう。
「その答えはいつか見つければいいと思うよ。さ!時間は有限だし出掛けの続きしようか」
「……はい!」
それからというもの、色んなところを回り
写真を撮ったり食べ物食べたり
日が暮れるまで遊んだ。
*
*
*
*
「今日はすごく楽しかった…悠花さん、本当にありがとうございます。」
「こっちこそ楽しかったし、それに体力がなくて…迷惑もたくさんおかけしました…」
「うん。本当に驚いたよ…だって、到着したら凄い疲労してるし…腰が~とか凄かった」
「お恥ずかしい……」
「あ、あの!また二人で…いつになっても大丈夫なので…!お出かけ、して、くれますか?」
「優月ちゃん…こんなすぐ疲れちゃうおばさんでいいの…?」
「はい。悠花さんがいいんです」
「や~本当っ、癒し~~~」
そう言いながら、わたしは優月ちゃんに抱きついた。
普段なら少し恥ずかしながら離そうとしてくるけれど、今回は無言で顔を赤らめていた
「…あ、ごめんね。昔からの癖が抜けなくて」
「い、いえ!…いい匂いでしたし、」
「…あ!そうだ!これ!」
優月ちゃんの言葉には耳も傾けず
鞄の中から必死に探しては取り出した少し小さめな紙袋だった。
きょとんとしながら開けた袋の中には
優月ちゃんが好む、柄がついたヘアピンが二種類入っていた。
「…悠花さん?これヘアピン?」
「そう!さっきね、お土産コーナーにあってね。優月ちゃんに似合いそう~って思って二種類買っちゃったの!良かったら貰ってくれるかな…?」
「……!プレゼント、私だけの…」
「あ、あれ?優月ちゃん……?」
「凄く嬉しいです…!大切にしますねっ」
あとから優月ちゃんから聞いた話によると
自分の両親よりも私の方が自分の好みをわかってるらしい。