看病のちのち晴れ
水族館デートへ行った翌日
優月ちゃんは熱を出した。熱を出してる姿も可愛いけど、それよりも心臓が止まるかと思った。
自分はとりあえず、家にある看病に使えそうなものを手当たり次第見つけ看病に使う
わたしの慌てっぷりを見ると
優月ちゃんは声自体いつのものように出ないものの、微笑んでくれた。
「もう…大丈夫だよ。一人で出来るから…仕事行って……ね?」
「……!!!!ちょ、ちょっと待ってて!」
リビングに出ると、スマホを取り出しては
職場に連絡した。
『はい、もしもし…』
「センター長!!お疲れ様です。汀良田です。同居人が高熱で看病したくて……はい、はい…わかりました!それでお願いします!!!!」
今日は17時から四時間ということで、承諾を得た。
とりあえず優月ちゃんの側に薬とかもろもろ用意しよう。
倉庫から使ってないクーラーバッグと保冷剤を用意して、スポーツドリンクやゼリー飲料などを冷やしつつ側に置いた。
「…きっと、疲れもどっと出ちゃったんだね。ごめんね。気づけなくて……職場には連絡しておくね。」
「…悠花さん。ありがとう」
「色々準備出来たし……とりあえずは様子見かな。解熱剤だけでも飲もうね。」
優月ちゃんを起き上がらせ、解熱剤を飲ませようとしたが、うまく水を含めずにいた。
「…力入らないのかな。う~~~ん。何か…何か。あっ、…後でいくらでも文句聞くから、今は許してね…!」
少女漫画とか、BL漫画とかで良く見る口移しの水を飲ませるやつが頭に浮かんだ。
しかし、こんなの現実でやる奴おるのか……と思えるほどに、自分でもドン引きしてたけど
これも優月ちゃんの看病の一環…
角度をかえ、優月ちゃんの舌に解熱剤を乗せ
自分は一口分の水を含み優月ちゃんの口へ流し込んだ。加減がわからず少しむせてしまったけれど
何とか飲み込んでくれた。
落ち着いたのか、優月ちゃんは眠ってしまった。
「おやすみなさい。」
寝てる間は、とりあえず家事をこなし
支部を見たりよつべ観たりテレビ観たり
漫画観たりご飯食べたりしていた。
気づけば二時間経ってた。
様子を再度見ると、汗びっしょりなってた為
着替えをさせようと服を脱がし
汗をタオルで拭き、新しい服を着せた。
今はさすがに下心を出すわけもなく、
多少はドキドキしたし、柔い肌やばかった……
「……んっ、あれ今何時!…16時か。良かった。」
「悠花さん。」
「ゆ、優月ちゃん…!もう大丈夫そう…?」
「うん…迷惑かけちゃった。」
「こんなの迷惑なんかじゃないよ~今何か食べれそう?」
「うん。お腹減ったかも…」
「よーし!お姉さんが美味しいの作るね!あ、クーラーバッグに入ってる飲み物飲めそうなら飲んで!」
「……ぬるい?」
その日、優月ちゃんは完治。
そして悠花は熱をもらい受けた。
悠花は完治後の部屋の荒れ具合を知るのはまだ先である……。