新婚生活…?
家に着くと、優月ちゃんを案内した。
やはり自分が見たよりも良き物件になってることに気付き、疑問持っているようで、
部屋に荷物を置き
落ち着いた頃に、伝えていなかったことや決め事を2人で相談しようと思う。
「終わりました。あ、ありがとうございます。」
優月ちゃんが部屋に物を設置完了を見ては
2人で決めたマグカップに温かい飲み物を入れ、リビングで待っていた。
向かい合って、座りながら飲み物を飲んでいると
悠花自身から、少し大きめのお菓子の缶を出して来た。
「じゃ、まずは一つ目。これは優月ちゃんの為にずっと貯金していたものだよ。沢山あるから好きに使って欲しい。」
「…?え、何これ……」
優月ちゃんがびっくりしながら缶を開けると
中には大量の通帳が詰まっていた。
いくらあるのだろうと1つ1つパラパラとめくると、上限額に達しているものがほとんどだった。
「…え、え?これ何年前から貯金して…」
「ん?優月ちゃんが産まれた時からかな。私、お姉ちゃんに迷惑かけて来たし、優月ちゃんが可愛くて気づいたら貯金してた。」
「で、でも流石にこんな大金受け取れない…」
「だよね―…じゃ、2人の生活費の足しにしようか」
「うん。ありがとう。悠花さん。」
「あ、あまりないかもしれないけど。絶対にうちの兄とは関わり持っちゃダメだよ。兄にお金貸してとか言われても大金あるとか言ったりもダメ。」
「大輔さんだっけ…?あまり会ったことないけど」
「うちの兄、本当にクズだから。優月ちゃんに近づけないよう2人で決めたんだよね。お姉ちゃんと」
「…そうだったんだ。わかった…!」
それからは「家事分担どうしようか」などと決めたり、「仕事はどうするのか」と話合った。
初めて知ることもあたりして楽しかった。
「…あとね。上京する前に、同じクラスだった鈴木くんから告白されたんだ。」
「おぉ…で、どんな普通に返事したの?」
「好きな人が居る、上京した際の同居する人が好きな人なんだって……」
「……!!ほ、本当に言ったのそれ…ぁッ、恥ずかしい…」
「うん。でもね。何か鈴木くん。私が誰を好きなのか、理解してて…フラれることわかっている状態で告白して来たの。少しびっくりしちゃって……」
「え、えぇ……てか、鈴木くんってどの子、卒アルに載ってるよね?」
「文化祭の渡した写真にいると思う……これ、」
写真を取り出し、指を指した少年はあの少年だった。
不審者に怪しまれた人。
後夜祭の時も、見えずらいところにいたはず
しかも優月ちゃんが同性愛者ということを理解して、告白して来たという…そして私が相手というのも知ってる…だ、と
「……悠花さん、大丈夫?」
「情報量多くて…本当にわたしで大丈夫なのかなって、」
アイコンタクトが苦手な自分は、不安になった際に優月ちゃんの顔を見れずテーブルの木目を数えていると、優月ちゃんが自分の手を掴みテーブルの上に乗せると、指に何か付ける感覚がある。
「?」
手を見ると、指には可愛らしいゴールドピンクの指輪が付いていた。
「頑張ってお金貯めて買ったペアリングの片方です。悠花さんピンク好きだし、似合うかと思って探して買いました!私は…悠花さんしか考えられないです。だから…えっと、」
「……っ、好きぃ~優月ちゃん大好き~!!」
我ながら今思うと、流石にこの号泣はないなと思った。
情報量多くて混乱して勝手に情緒不安になっていたら年下の彼女にこんな素敵なサプライズをされ
堂々と、『自分しか考えられない』と断言され
涙腺の崩壊が起こった、何てカッコ悪い
「ごめ"ん"…私、私…!捨てられるかと勝手に思った……女同士って、一般からしたら異物で…幸せならいいかなって思ったけど、世の中には、NTRってジャンルあるし……恐くて、」
「不安になる気持ちわかります。会うの我慢してた時に私も悠花さんが他の男の人と恋愛関係になったんじゃないかって…想像したり、不安になってました……」
「…それはない。(断言)恋愛したことないし、片想いしても叶わないことばかりで…姪として好きだった気持ちも恋愛的好きになってて……」
泣きまくり、疲れて寝てしまったあとに
目を覚ますと優月ちゃんが台所で料理しており
夜ご飯の時間になっていた。
左手薬指に付けられた、ゴールドピンクのリングが目に映ると嬉しくなった。
「悠花さん。ご飯食べられそうですか?」
「うん。たべる!」
初めて2人きりで夜ご飯を食べた。
ちらっと、優月ちゃんの指を見ると自分のとは色違いの指輪が付けてあり、本当にペアリングなんだと実感した。
「……好き過ぎるー!!」
「?」
まるで新婚生活かよってくらいに
とても心がいっぱいで、幸せで、胸が温かくなり
1日が終わる。