1.転生してしまったのですが…
はじめて書いた作品ですので、あたたかな目でご覧ください。不定期ですが頑張ります…。
「篠原さん、これもお願いね。」
「え……」
もうそろそろ帰ろうとしていた時に上司から声をかけられる。私、ここ最近ずっと残業なんだけど……。
「……はい。わかりました…。」
正直言って私が働いている会社はブラック企業だ。上司はできていない仕事を私に押しつけてくる。本当にぶん殴ってやりたいわ……。そろそろ転職も真剣に考えよう……。
仕事を終わらせて家に帰る。ものすごく疲れているけど、食べていくためには仕事をするしかない。そういえば親友・茜がめちゃくちゃハマっている「夜空にきらめく恋」というゲームがある。略して「夜恋」。
勧められてやってみたものの、恋に疎い私には何が何だかわからなかった。恋にときめくどころか、「このヒロインってチョロくね?恋に落ちるのはやっ!!」と思っていた。まあ、絵はとてもいいんだけどなあ……。攻略対象はイケメンだし、ヒロインもとてもかわいかった。そんなことを考えていると、足元がふらつき車道へと転んでしまった。
「痛い……。」
急に目の前が明るくなる。
「え?」
顔を上げた瞬間、ドーンという衝撃の後、私の体はトラックによって空中に投げ出された。痛みは感じないが、体が冷たくなり私は意識を失った。
「ここは…どこ?」
見慣れな天井に私は戸惑う。少し頭が痛い。
「私、死んだの………?」
体を起こして周囲を見渡す。そこはとても煌びやかな部屋だった。歩き回って部屋を観察していると、机の上に鏡があった。鏡を覗き込んでみると、
「は…?」
そこには黒髪に二重だけど、ぱっちりとしているとはいえない黒目の地味顔ではなく、グルングルンに巻いた銀髪にぱっちりとしているけど、少し冷たい印象を与える翡翠色の目の美少女がいた。肌は白いが、その顔はとても赤かった。
「えええええええええええええええ!!!」
みなさん、どうやら私、篠原由紀は異世界転生してしまったようです。