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こいつのことを好きになるとは思えない  作者: メルメル
1章―ダンジョンと魔法
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4話

 ダンジョンの入り口は特になにもなく、普通に入れた。


 思うのだけどこういう時って斥候職とかが必要なのではないだろうかとラップとかあるときはどうするのだろうか


 しかし何事もなく一本道を歩いて、下に続く階段に着き「ここを降りたら魔物もいるから気をつけてなトウカ」とユウが警告してきた。


 なんというかここまで拍子抜けしてしまってて私がやることって自分の身を守ることくらいで本当に何もすることがない


「トウカ、なんというか不思議そうな顔ね」

「‥うん‥‥」

「あなたやっぱり私たちの話あまり聞いてなかったのね‥まぁいいわもう一度言うけど、ここのダンジョンは比較的安全なだけで、他のダンジョンは殺意しかないところとかあるわ」



 その後もなんだか色々言っていたけれど、私なりに青い子が言う話を要約すると


 ダンジョンには種類があって、天然ダンジョンや人工ダンジョン‥ほかにも種類があるらしいけど、今回のダンジョンは人工ダンジョンであるらしく、何故かは解明されてないけれど建物、もしくは洞窟、炭鉱などの人工的に作られたり採掘された所が長年放置された場合にダンジョンコアという宝石が発生されてそこから魔物が生まれるらしい



 魔物が生まれる、ということで危険なのだが、魔物の素材も大事な資源であるということでダンジョンが発生した場合でも無暗に壊してもいけないらしい。


 あまりにも被害が出た場合はダンジョンを踏破して壊すそうであるが、その限りでない場合は基本的に魔物がある程度発生した頃合いを見計らって狩るそうである。


 というとこの依頼もそうなのかな?とも思ったけど、これはギルドからではなく指名依頼だから違うのかもしれないと思い、ユウに聞く手間が省けるのでついでに聞いてみることにした。


「‥どうしてここに来たの?」

「あら?冒険者なんて大抵お宝目当てよ」


 こんなところにお宝なんてあるのかな?と思うとダンジョンのお宝は勝手に出現するらしい、やはりこれも理由は判明してないらしいが


「ダンジョンによって、出るお宝ってある程度決まってたりするらしいのよ、それでこのダンジョンに私の欲しいお宝が出てくるってわけ」

「それは‥どんな?」

「魔法媒介よ」

「まほうばいかい?」

「そういえば言ってたかしら?私ってこう見えて魔法使いなのよ」


 どう見ても魔法使いに見えるけど、少し格好がダサい‥


 しかし魔法使いで思い出したけど私の働かない魔法概念先生のことも何か分かるかもしれないので、さっきから覚えることばかりでパンクしそうな頭に活を入れて真剣に聞く


「トウカには分からないかもしれないけれど、魔法使いって言ってもその身一つで魔法使いってわけじゃないの、魔法を使うためには血筋、その魔法についての知識、そして媒介するためのアイテムが必要なのよ」


 真面目に聞いた結果ちんぷんかんぷんである。


「呪文?‥とかはいらないの?」

「えっとね、さっき言った知識がつまり呪文てこと」

「ん~?それじゃあ、今は媒介?がないから使えないの?」

「使えるには使えるけど、魔法について知りたいの?トウカは」


 頷くと「仕方ないわね」と言って教えてくれた。


 ちなみに余談だけど、さっきからユウが実は話しかけてきたりする「少しは手伝ってくれよアリー!」とか「なんで俺だけ働いてるの!?」とか言いながら魔物を斬ってる。青い子‥手伝うんじゃなかったのだろうか、まぁ私のために教えてくれてるから何も言わないけど



「魔法において5元素となるものがあって、火とか水とか、あとは土、風、光があるの、とはいえ実際にはそれに当てはまらないものもあるけど、それについて話すとさらに長くなるからまた今度ね。それで5元素があって、5元素ごとにそしてそれぞれに初級から上級魔法という区分けをされてる物があるの。そしてそれを使うためには、今回の件で言うなら土の中級媒介素材である石を探して、加工することで土の中級に区分けされてる魔法を使えるってことになるわ」


 難しい‥


「分かってなさそうね‥物凄く極端なことを言ってしまえば、土の中級魔法がこのダンジョンでドロップされるってことよ」


 分かりやすいけどそう聞くと急に魔法が安っぽく感じてしまう。


 まぁ、先ほどの言うとおりであれば魔法は血筋と知識が必要らしいので、ほとんどの人は血筋でアウトなのだろうけど‥しかしそれだと私は魔法を遣えないのだろうか?


「どうやって‥血筋わかるの?」

「え?トウカの両親が魔法使いかどうかとか‥あとはそうね実際に使ってみようとしてとかかしら、ユウも使えるしトウカも使えるんじゃないかしら?」


 なんだと‥ユウも使えたのか、知らなかったというか今まで見たことすらなかった。


「あぁごめんなさい、ユウは使えるけど脳筋だから知識の方がだめなのよ」

「納得‥」

「おい!!聞こえてるからな!?」


 ちゃんと呪文を教えてあげればユウにも使えるらしい


「そろそろね」


 そう言うと曲がり角を進むと更に地下に進むという階段があった。


「トウカごめんなさいね、さすがにここからは楽しくお話しは控えていくわ」

「ようやく手伝ってくれるのかアリー」


 私の魔法概念が使えるかはまだ分からないけど、少し魔法について分かった気がする。

 ぜひ媒介を青い子から借りて使えるか試してみたいものである。







 そして下に降りた後は、青い子が初めて魔法を使うのを見て、それは圧巻だった。


 呪文が何を言ってるのか分からないけれど、青い子から放たれた風の刃がコウモリのような魔物を切り裂いて戦いが終わった。


「ひゅー!さっすがアリー」

「茶化さないで、魔法使った後なんだから‥」

「悪い悪い、けど俺も少しは休めれるなこれで」

「次の戦闘はユウだからね」

「おう!」


 そんなに連発できないのか、少し顔色が悪くなっている。というか一発で顔が青くなるってそこまで負担が大きいものなのだろうか


 てっきり連発できるものと思っていたから少し意外というか、そう便利な物でもないのかもしれない




 それからも二人に戦闘と進行を任せて歩いて行くと道も左右に分かれたりと道も複雑化していって、慣れてる様子で進んでいった。



「トウカ大丈夫か?疲れてないか?」

「‥大丈夫」

「私を心配しなさいよユウ」

「アリーはそれくらいいつものことだもんな?」

「デリカシー足りないんじゃないの!」

「悪いって、けどまぁもう少ししたら休もう、二人とも頑張ってな」


 全くなにもしてないし、二人が強いからか進行速度もそんなに遅いわけではない気がする。

 だからか背後から魔物が来てる感じはないし平和すら感じられる。


 魔物も倒して解体とかするわけでもないので、基本放置するらしい、放置しておけば勝手に他の魔物が食べるだろうとのこと、どうせ勝手に出現する上に別にゾンビのようになるわけでもないらしい


 程なくして「休もう」とユウが言い座り込むと、青い子は疲れ切っていたのか寝そべり「終わるとき教えて」と言い仮眠を取り始めた。


「トウカ、どう?」

「別に‥」


 はは、と苦笑しながら水を飲んだりして休憩していたのだけど、ユウが急にこちらをちらちら見始めてきた。どうしたのだろう


「怖く‥ないのか?トウカは」

「怖い‥?」

「魔物のこと」

「ん~‥?」

「嫌な思い出?しかないだろうからさ」


 どうやら村での出来事を気にしてるらしい、別にあの猪もどきに襲われてるわけでもないし、二人がこうも圧勝してると魔物って弱いのでは?私でも倒せるのでは?と錯覚してしまいそうなので逆に襲われた時を思い出して自分の無力さを感じないとなって思うくらいだ


「大丈夫ならいいんだけどさ!ごめんな余計なお世話だったかな」

「‥‥ユウ」

「なに?」

「怖くないわけじゃない‥と思うけど‥」

「そ、そっか、ごめ――」

「守ってくれるから‥怖くないよ?」

「っ!」



 そう言うと悶え始めた‥しかも動きが気持ち悪い、なんでこいつは急に気持ち悪くなったり笑顔が張り付いたかのようになるのだろうか、落差激しすぎだろう


「俺頑張るよ!」


 これ以上頑張って次のダンジョン行こうとか言いだしそうなくらい元気になった。


 するとユウは聞こえてないのか青い子から「ちっ」と舌打ちみたいなものが聞こえた気がしたけど‥え?気のせいだよね


「じゃ、そろそろ行こうか、アリー起きて」

「ええ、行きましょ‥」


 太陽がないから時間が分からないけど、早く寝れないかなと思い私も二人にまたついていく。

*あとがき*

説明回が多いです。

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