8・連携と4人目
この世界に来てから四日目だ、今日もクエストを受けに行く。
「次は何のクエストなんだ?」
「次はゴブリンの討伐だ。」
ゴブリンは集団で戦い、連携が得意、個々の個々の性能としては、レッドドラゴンの次に弱い。
ギルドにあるモンスター図鑑にはそう書いてあった。
今回のクエストはゴブリンを十体倒すことだ。
昨日とはまた違う草原に着くと、ちょうどゴブリンの集団と鉢合わせた。
相手のゴブリンは、前衛が盾で攻撃を防ぎ、その隙に、後衛が相手を攻撃する見事な連携を見せていた。
一方こちらは、作戦をたてようという俺の意見を二人は却下し、ゴブリンの連携に苦戦を強いられている。
「やっぱり作戦たてようぜ、このままじゃらちが明かない。」
「いや、ゴブリンに疲れが見えている。もう少しで押しきれる。」
いや、俺にはお前達の方が疲れているように見えるんだが。
結果、こちらに疲れが見え始め、押しきられそうになるところを、もはや作戦をたてることを諦めた俺のパワーアップでなんとか押しきった。
今回の戦いで、やはり連携は大事だと身に染みてわかった。
ライトは脳筋のため、斬ることしか頭にない。
セラは、普段は冷静で頼れるのだが、戦いの事になると何にも考えずに斬り込みに行く。
このパーティーには、後衛からみんなをサポートする、攻撃型の魔法使いが必要だ。
パーティーの最大人数は四人、最後の一人は、是非ともそんな人に入ってほしい。
そんなことを銭湯の中で考えていた。
風呂から上がると、二人とも定食屋の席に座っていた。
「いやー今回は疲れたなー」
「それはお前達が作戦もたてずに突っ込むからだろう。」
そんな会話をしながらご飯を食べ終わったり、宿に戻ってドアを開けた。
「空きがないのですか?」
その瞬間、俺は不吉な予感がした。