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1ダメージで魔王討伐って出来ますか?  作者: 星原渚
1章・転移したけど魔王を倒せる気がしない
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6・脅迫と勧誘

 「紅蓮の炎よ、我が手に表れよ。ファイアボール」

 俺は手から炎の玉を出した。

 「なぜ盗賊なんてしている、教えてくれ」

 俺はバカじゃないかと思うが、これしか思いつかなかった。


 「あなたバカなの?炎の上級魔法なんて使ったら、防具を着てない私は確実に死ぬわ、あなた殺人犯になるつもり?」

 「安心しろ、俺が持っている最悪なスキルのせいで、お前には1ダメージしか入らない。」

 「嘘でしょ、そんなスキルあるわけが・・・」


俺はウィンドウを開き、ステータス画面を見せた。

 「そんな・・・」

 普通なら哀れむようにこちらを見るはずなんだが、彼女は恐れる目でこちらを見ていた。

 やっぱり盗賊って言っても女の子なんだなー。

 「お前にダメージは入らない、だが防具ではないその服は燃え尽きる、燃やされたくなければ・・・、教えてください。」

 「なんで脅迫してるのに最後が敬語なのよ。」

 だって女の子と何てあんまり話したこと無かったし、やっぱり女の子なんだなーって思うと恥ずかしくなってきてー。


 そんなことを考えていると、さっきまで俺の手で激しく燃えていたファイアボールは、いつの間にか消えていた。


 「はぁ、わかったわ、話してあげる。」

 盗賊は、諦めたように過去の話を語り始めた。


 「捨てられたの・・・親に。」

 そういうことか、親に捨てられ仕方なくってことだな。


 「私は3才ぐらいの時に親に捨てられた、そして毎日のように食べ物を求めて過ごしてきたの、冒険者になりたくてもそんなお金なんてない、だからこうやって盗むしかないの、私が生きるにはそうするしかないの、わかった?」


 なんとか救ってやりたいのだが俺には最低所持金しか・・・、そう言えばこの最低所持金って武器代も入ってたよな、なら。

 「なら、俺のパーティーに入ったらどうだ?」 

 「聞いてなかったの?お金がないの、今日食べる分もろくに食べられないの、冒険者なんてしたくてもできないのよ!」

 「なら俺が初期のお金を出す、後はモンスターを倒して、お金を稼ぐだけだ、どうだ?」

 「そんな見ず知らずのあなたにそんなこと・・」

 「その見ず知らずの人間から金巻き上げようとしたのは誰だよ、俺のパーティーまだ二人しか居なくて今仲間を探しているんだ。どうだ?お互いにいい条件だと思わないか?」


 まだライトには聞いていないがあいつのことだ、きっと大賛成するだろう。


 「どうだ?仲間になってくれるか?」

 「本当にいいの?」

 「ああ。」

 「本当に?」

 「本当だ。」

 「・・・わかったわ、その提案を飲む。私の名前はセラ・リスティール、よろしく」

 「俺の名前はユウキ・クサナギ、よろしく」


  宿に戻ってライトに説明すると、やはり大歓迎してくれた。

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