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AWS小説“約束の時間は366日前”2

更新が遅くてすいません

だいたいの筋書きはできているのですが、細かいところで行き詰ってる感じです

キャラが勝手に動いてくれると、書いていても楽しいのですが

つじつま合わせるためにキャラを動かすと少し苦痛です

みなさんはどうなんでしょうか!

それでは、“曖昧なパートナー(達)は今日も健在です”をよろしくお願いします!

「それでは、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」


 簡単な挨拶を済ませ、立山と緋奈理は打ち合わせを始めていく。

 “約束の時間は366日前”の作者、緋奈理ヒナは少し内気でおとなしい雰囲気であったが、どこか大人びていて立山の年上に感じた。

 立山は女性とのコミュニケーションに苦手意識を持っていたが、仕事上のコミュニケーションという理由もあり、学生時代の頃のように同年代の女性を相手にするよりか幾分やりやすかった。


 軽くAWSと干渉についての説明をし終えると、緋奈理は立山に質問をする。


「立山さんはこれまでどんな作品に干渉をしたんですか?」

「先日まで、山本先生の“消えかけの黒霧領域”を……担当させていただいてました」


 立山は無意識のうちに干渉という言葉を避けた。

 少し不自然であった受け答えにかまわず、緋奈理は身を乗り出した。


「あれ! 私、読みました! アニメも観てるんですよ!」

「あぁ、ありがとうございます」


 突然身を乗り出して声を上げる緋奈理に気おされてしまった立山は調子を乱してしまう。

 ごめんなさい、と緋奈理は謝るとすぐに話を続ける。


「えっと、立山さんは小説とかよく読むんですか?」

「ええ、小さいころから本はよく読みました。家の近くに図書館があって通い始めたのがきっかけで」

「書いたりはしないんですか?」

「今はAWSがありますし、僕はそのAWSを扱う会社の社員なので。自分で小説を書くには微妙な立ち位置なんですよね」

「確かにそうですね。変なこと聞いちゃいました」


 緋奈理は胸の前で両手を合わせるとにこやかに笑い、今までの内気でおとなしい印象とは違う、可愛げのある一面を見せた。

 謝罪の意を込めて軽くお辞儀もしていたが髪がふわりとゆれ、立山はなぜか恥ずかしくなり、ついには直視できず目を逸らしてしまう。

 本当は小説家を夢見ていた時期があり、小説を書いていたことをごまかした事に申し訳なさを感じ、後ろめたい気から目を合わせられなくなったのかもしれない。


「恋愛小説とか、何か読んだことありますか?」

「それが、僕はあんまり……」

「そうなんですか!?」


 自分の担当が、恋愛小説をあまり読まない人間だと知っても嫌な顔をせず、緋奈理は続ける。


「よかったら今度、その図書館に一緒に行きませんか? おすすめの恋愛小説教えますよ」

「構いませんよ、僕も担当するからには勉強しないと」


 この日は特に問題もなく打ち合わせを終えたあと、緋奈理が趣味の話をし始めた途端積極的になり、立山が持っていた女性に対する苦手意識が発動し疲れが出た。

 これから先やって行けるのだろうかと不安になりつつも立山は自分の夢を、夢であったことを考える。


 ここ数日、よく考えてしまう。

 自分は小説家になりたい。でもそれは叶わなかった。

 書いた文章をたくさんの人に読んでもらいたい。でもそれが無理なら、それを助ける、関わる仕事ならいいのではないか。

 エディターとして、作家の手助けをする仕事。

 しかし、それはAWSによる自動執筆、干渉といった自分のやりたいこととは近くて、でも少し違うものに感じた。

 自分の中で段々と明白になっていくこの違和感と、実際に作家と仕事をするうちに、なぜ自分は作家になれなかったのか、また目指してもいいのではないか、自分は小説家を目指したいんだという衝動に変わっていった。

 それは、自分が小説が好きだというごく当たり前な理由からくるものであるが故に、単純で強烈なものであった。

次回は来週か再来週になりそうです

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