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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン2日目)-
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能力入力とレシピ本の行方

文末の『ね』『だね』が気になるという指摘を受けましたので、今後は極力減らす方針に変えました。

過去投稿分は余裕があれば修正するかもしれません。


ゴロゴロと転がった鉄でできた右腕は机の中央で止まったので、今度はしっかりと重さを意識して持ってみた。

気合を入れれば両手で持てる重さなので、振り回せるとは思うけど、正直失敗したと思う。

武器としては正解だけど。


「初めてで鉄素材を使用されるとは思っていませんでした。お渡ししたハピネス達のベースが木なので、最初は同じ素材を使用するとばかり思っていたのですが、助言するべきでしたね」

「あれ?もしかしてインゴットは武具用だったりしますか?」


ハピネス達が木でできているのは、アザレアのお腹の中を覗くまで知らなかったんだ。

人工スキンで覆われてるし。

そして、さっき作る時は武器にすることをイメージしすぎて、そのことを忘れてた。

その結果選んだのが鉄のインゴットになったんだ。

その前に鉄鉱石を選んでたのもあるけど。


「ビスク様がどのような意図であの素材を用意したのかわかりませんが、恐らくは武具がメインでしょう。人形に使用するとしてもコーティングに使う程度ですね」

「そうですか……」


全身鉄でできた人形なんてロボットみたいなものだよね。

ロボットだとしても、内部には基盤や回路なんか入る空洞があるだろうけど、この腕はギッシリと鉄が詰まってる。

こうなったら全身鉄の人形を作って繰り糸(マリオネット)で操作しよう。

そうすれば出し入れは人形の館(ドールハウス)を使えるから、出し入れのために持ち上げる必要はなくなる。

重くて投げれなくなるから、戦闘方法は近接戦闘確定だけど。


「お次は木で作られてはどうでしょうか。直接当てるのであればカシンがオススメです」

「わかりました。カシンで作ってみます。人形作成ドールクリエイト


もう一度3つの画面を呼び出し、右腕を選択してさっきと同じぐらいの大きさにした。

中央の画面の右上に倍率が表示されてるんだけど、さっきの倍率を覚えてないから仕方ないよね。

アイアンソードを持たせてみて、問題なさそうなら今の倍率を覚えておいて、今度同じ腕を作るときに登録しておこう。


ゼロワンさんに言われた通り素材にカシンを選択して、100%になるように数を増やしていくと4つだった。

1つで30%増えたんだけど、残りの20%は破棄されるみたいで、もったいなく感じたから腕を大きくした。


「出来ましたけど、このサイズだと木でも重いですね」


出来た腕を取り出してみると、鉄の腕ほどの重さはなく、片手で持てるぐらいだから振り回すのに丁度いいと思う。

ただ、耐久値が200というアイアンソードの300より低いから、直接ぶつけるとすぐに壊れそうだ。

アイアンシールドを持たせて、それで殴らせようかな。

ミヤビちゃんも盾で殴ってたし。


「そのサイズだと重さは増しますね。それでは、続いてですがスキルを付与してみましょう」

「スキルを付与って能力入力(スキルインプット)ですよね?腕だけでも付与できるんですか?」

「可能です。完成した人形には1つしか付与できませんが、パーツごとに分ければ最大6つまで可能です」


『右腕・左腕・胴体・頭・右脚・左脚』で6つか。

それだけ付与できたらプレイヤーとほとんど一緒だよね。


「そういえばハピネス達にはスキルは付与されてるんですか?」

「申し訳ありませんが付与されていません。そもそもビスク様は戦闘系、防御系のスキルをほとんど所持していなかったので、付与しようがなかったのです。あのサイズの人形に建築や調薬を与えたところで活かせませんので」

「なるほど。と言っても僕も戦闘系や防御系のスキルは……あ、『堅守』のスキルオーブは手に入れてますけど、これって使えますか?」


ミヤビちゃんが『動けなくなる代わりに一定ダメージを無効にするスキル』だって言ってたから防御系スキルになると思うんだ。

スキルオーブだからスキルスロットが空いてなくても使えるし、どうだろう。


「『堅守』ですか。確か防御に特化した騎士が所有するスキルで、スキルレベル×10のダメージを防ぎ、10を超えたダメージを受けても余剰分は受けないスキルでしたね」

「へー。そうなんですね」


一定がスキルレベルに依存してるとは思ってたけど、10だったんだ。

しかも、余剰分は受けないなら一度だけ相手の攻撃を無効にできるってことだから、覚えてて損はなさそうだ。

再使用の制限が大きそうだけど。


「人形に使うにはいいスキルですね。オキナ様の代わりに攻撃を受けさせることができます。それに、腕を振り回してぶつける攻撃をしても、耐久値が減らなくなりますね」

「その使い方はいいですね!」


右腕を盾にして、その盾自体を自分の範囲を超えて振り回せるし、さっき懸念してた耐久値の減少も無効にできるなら取らない手はない!


早速アイテムバッグから『堅守のスキルオーブ』を取り出して胸に当てる。

すると光の粒になって僕の胸に吸い込まれたので、ステータスを確認すると『堅守Lv1』が追加された。

後は付与するだけだ。


能力入力(スキルインプット)


カシンで作った腕を持ってスキル名を唱えたんだけど、問題なく選択できたみたいでウィンドウが表示された。

対象が『カシンの右腕』になっていて、その下に付与できるスキル一覧がある。

一覧には繰り糸(マリオネット)人形の館(ドールハウス)自爆操作(爆発は主人のために)、堅守が表示されていた。


繰り糸(マリオネット)は手だから付与できるんだと思うけど、人形を通してさらに人形を操れるってことだよね?

頭がこんがらがりそうだけど、これを使えば10体以上操作できるってことだね。

これなら物量で戦えそうだ。


人形の出し入れも人形の館(ドールハウス)を左腕に付与すればできそうだし、突っ込ませた人形を自爆操作(爆発は主人のために)で爆発させることもできるみたいだ。

まぁ爆発は使ったことがないからどんな感じになるかわからないけど。


人形使い(ドールマスター)から伸びる繰り糸(マリオネット)で人形を操作して、その人形からまた繰り糸(マリオネット)を出すことを繰り返せば、それだけで大群になる。

だけど、それを実現するためにはそれだけの素材とMPが必要になるし、操作も練習する必要がある。

いつか挑戦してみたいけど、しばらくは無理だ。


今回は変なことをせずに堅守を選ぼう。

堅守を選ぶと確認メッセージが出て、承認すると腕が光ったので無事付与できたんだと思う。

一度アイテムバッグに入れると『堅守のカシンの右腕』に名前が変わってた。

付与したスキル名がアイテム名に追加されるんだ。

わかりやすくていいね。


「無事付与できたようですね」

「はい。堅守を付けることができました。あと、質問ですけど、腕につけたスキルの使い方を教えてくれますか?」

「スキルを使いたいパーツを意識してスキル名を唱えるだけで使用できます。パーツを意識しない場合オキナ様自身がスキルを使用することになりますので注意してください」


スキルの使い方は普通に使う感じだ。

機巧(ギミック)のように意識するだけじゃダメみたいだけど、このぐらいならすぐに使えるようになると思う……たぶん……。


「わかりました。あと、もう1つあるんですけど、この腕に繰り糸(マリオネット)を付与すると、この腕からさらに人形を操れるんですよね?」

「そうなります」

「やっぱりそうですか。難しそうですね……」

「ビスク様は単純操作であれば200体は余裕だと仰ってました。用途ごとに固めるのがコツだとも」

「200体……」


用途ごとっていうと剣を持った人形で固める感じかな。

攻撃方法が同じだと操作もしやすいだろうし。

200体の操作は想像できないけど。


「まずは数体の操作から練習することをお勧めします」

「その前に人形を作れるようにならないとダメですけどね」

「そうですね。操作をする上で腕だけを置くわけにはいきませんので」


腕だけポツンと置かれていて、そこから人形を操ってもいいんだけど、腕は動かせないからすぐに壊されそうだ。

繰り糸(マリオネット)を使う人形を作るのはまだまだ先になりそうだし、全パーツが作れるようになってから考えよう。


「そういえば、他の部屋にあった本はないんですか?」


他の部屋は机の上にあったけど、ここにある机は円卓だけなのに本がなかった。

別に場所にあるのかと周りを見てもなかったから、本がないのかもしれない。


「他の部屋にあったのはレシピ本ですね。人形に関するレシピ本も存在しますが、ビスク様が『人形のレシピを簡単に渡すのは面白くない。他のレシピも初級しか置いてないからそれ以上は自分で探すといい。工房のレベルを上げると行けるようになる資料室にも一部置いて置くが、メインは隠したから探せ』と言付けを承っています」

「あるにはあるんですね」


やっぱりレシピ本だった。

塗装のレシピは色の出し方で、武具の方は文字通りのレシピが載ってるんだと思う。


「はい。ただ、今のオキナ様は探されない方がよろしいかと思います」

「危険な場所にあるんですか?」

「正確な場所は存じておりませんが、その可能性が非常に高いです。そうですね、最低でも完全な人形が作れるようになるか、繰り糸(マリオネット)が10本出せるようになってからでしょうか」

「そんなにですか……」


そこまで到達するのはまだまだ先の話だから地道に頑張ろう。

とりあえず鉄の腕にも堅守を付与して、何とかアイテムバッグに入れた。

硬いから付与しなくてもいいかと思ったけど、壊れるのは嫌だから念のため付けておいた。


この後実際に使ってみるよ。


お願い


過去投稿分で修正した方がいい場所があれば、活動報告か感想で指摘していただけると助かります。


指摘していただいた項目はすぐに直すわけではありませんが、今後の参考にさせていただくつもりです。


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