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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン2日目)-
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アイアンゴーレム

アイアンゴーレム。

動きはそこまで速くないけど、遅いわけでもない。

力はありそうだし、硬い。

どうやって戦おうかな。


ミヤビちゃんはアイアンゴーレムのパンチを盾で防御してるから、そこまでダメージを受けてるわけじゃないけど、一撃ごとに1割ほど減ってる。

減ったHPは、パチンコで石を放ってるクローバーを向かわせればすぐに回復できるから問題ないんだけど、盾で防御できなかったらどれだけダメージを受けるんだろうね。


アイアンゴーレムから僕への攻撃は、最初の石飛礫以降特になかった。

とっさにクローバーとアザレアを左右に放り投げるように動かしたけど、アザレアの拒絶の壁(嫌い……)でバリアを出せばよかったかもしれない。


ただ、まだこの機巧(ギミック)に慣れてないんだよね。

とっさに避けるのと機巧(ギミック)やスキルを発動するなら、避ける方がやりやすいんだよ。

避けれてないけど。


それに、どれだけMPを消費してバリアを出せばいいかわからないし。

さっきの石飛礫で減ったHPは112。

だから、最低MPを112消費すればいいかもしれないけど、ミヤビちゃんが盾で防いで減った状態でこれだけ減ったんだから、もしも減らなければもっとダメージを受けるはずなんだよね。

200ぐらい使わないとダメかもしれない。


バリアにMPを200使うんだったら、その辺の岩や壁に糸を付けて避ける方が良さそうだと思うんだ。

アイアンゴーレムが石を拾った時点で動けばいいからね。

次からはそうしようかな。


「螺旋槍!」


ミヤビちゃんがスキルを放った。

槍抉り込むように回転させながら突き入れて、魔力だと思うんだけどすごい回転しているエネルギーもぶつけた。

槍が当たったところは穴が空いていて、回転した何かが当たったところの鉄鉱石は大きく削れていた。


アイアンゴーレムのHPは、この攻撃だけで1割減っていた。

それまで皆で攻撃して減らしたのも1割だから、どれだけ強力かわかるね。

もしかしたら防御力無視の貫通攻撃なのかもしれない。


「あ!ミヤビちゃん!」


ミヤビちゃんのスキルのことを考えていたら、アイアンゴーレムに殴られて吹っ飛んだ。

ミヤビちゃんはスキルを放ったまま固まっていたので、アイアンゴーレムが振った腕が直撃していた。

スキルを使った影響なのかな?

そういえば盾のスキルを使ったときも、ずっと同じ体勢だったし、何か制限があるのかもしれない。

繰り糸(マリオネット)は発動する時に指を伸ばさないとダメっていう制限があるけど、戦闘系のスキルはもっと厳しいんだろうね。


「あ、ありがとうございます。螺旋槍はダメージを与えれますけど、使うタイミングは考えないとダメですね」

「そうだね。あるいは使った後にハピネス達で押すのもいいかもしれないね」

「オキナさんが危ないと思ったらやってくれますか?」

「うん。成功するかわからないけどやってみるよ」

「はい!お願いします!」


クローバーをミヤビちゃんの所に移動して回復させる。

4割まで減っていたHPがグングンと回復していき、僕のMPがグングンと減っていく。


ミヤビちゃんがスキルを使った後、ハピネス達で押すことを提案したけど、タイミングを間違えたら両方ともダメージを受けちゃうよね。

慎重にやるか、スキルを使った時点で押すのもありかもしれない。

そのためには、今以上にミヤビちゃんの動きを見ておかないと。


後は僕の攻撃方法だね。

ハピネスの炎はそこまでダメージが入ってないから止めて、今は右手で切ってるだけ。

麻痺針なんて意味がなさそうだし、腹部機巧(ギミック)も魔法の刃を出すだけだから、たぶんそこまでダメージを与えられない。

そもそも服を着てるから使う気はないよ。


クローバーは回復主体で、時たま石をパチンコで放ってるぐらいだね。

石はピシピシ当たるだけで、ダメージは全然ない。

アイアンゴーレムも気にしてないからクローバーは無視されてる。

石じゃなくて鉄鉱石を使えればいいんだろうけど、それはアイアンゴーレムの足元にしかないから、周りの石を使うしかない。


アザレアはランスを撃ってるんだけど、光はそこまでダメージがないみたい。

火も同じだから、何に変えればいいのかわからないね。

水は濡れるだけだろうし、土も効きそうにない。

風も重い体には効かないイメージがあるし、風のランスで鉄に穴が空く気がしないよ。

雷はどうだろう。

痺れてくれるかもしれないから試してみようかな。


でも、その前にアイアンゴーレムに繰り糸(マリオネット)を使ってみよう。

万が一ってこともあるし。


繰り糸(マリオネット)!」


アザレアとの糸を切って抱き上げてから、アイアンゴーレムに糸を放ってみた。

問題なくくっついたんだけど光が覆うことなく千切れた。

やっぱり無理だよね。


そして、糸を付けられたことが気に障ったのか、アイアンゴーレムはこっちに移動し始めた。

繰り糸(マリオネット)は相手の意識を僕に向けることができるのかもしれないね。

使うタイミングが良かったら、戦闘しやすくなりそうだ。

とりあえず今は逃げながら、アザレアの準備を進めるけどね。


繰り糸(マリオネット)魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(スパーク)!」


魔石を雷属性に交換した。

そして、振り向きざまにボールを3連射。

的が大きいからアザレアを腕に抱いたままでも全部当てることができた。

しかも、アイアンゴーレムが膝をついた。

体から電気のエフェクト出てるから、感電して痺れたんだと思う。


「ミヤビちゃん!今だよ!」

「はい!螺旋槍!」


ミヤビちゃんがさっき穴を開けた場所目掛けて、再度スキルを放ったことで、穴が大きくなった。

シロツキとトバリは体目掛けて尻尾を叩きつけたり、小さくブレスを吐いてるね。


僕はハピネスで左腕を切りつけつつ、クローバーに鉄鉱石のかけらを拾わせてパチンコで射出。

アザレアでボールを撃ちながら、マナポーションを飲んだ。

クローバーで感電をチャージするか迷ったけど、無理はしないことにした。

これがレイドだったら他にもダメージを与えてくれる人がいるだろうから回復させてもなんとかなりそうだけど、僕とミヤビちゃんだけのボス戦だからね。

アイアンゴーレムがボスなのかはわかってないけど、奥まった所にいるんだからボスだよね。


「螺旋槍!」


まだアイアンゴーレムは痺れているので、追加のスキルが同じ場所に放たれてさらに穴を大きくした。

後一回で取れるんじゃないかな。

右腕。


アイアンゴーレムは電気のエフェクトが発生しているにも関わらず、膝をついた体勢のまま少しずつ腕や足先を動かし始めた。

もうすぐ感電が切れるってことだね。

注意しておかないと。


「螺旋槍!」


アイアンゴーレムが動き始めているのにスキルを放つミヤビちゃん。

念のためクローバーを近くに移動させて、いつでも押せるようにしておいた。

そして、スキルが当たった右腕が取れて、僕の方に飛んできた。


アイアンゴーレムのHPはもう少しで半分。

右腕が取れたことで攻撃パターンが増えたとしても、何とかなりそうだ。

後は右腕を回収されないようにしたいんだけどどうすればいいかな。

さすがに糸で吊るせたとしてもアイアンゴーレムの方がリーチがあるから取り返されるだろうし……。


高い所に放り投げようにも、高いところは入り口のところだけだからね。

あの高さなら片腕で取られるよ。

壁の出っ張りに引っかけられそうなところもない。


とりあえずハピネスを手元に寄せて抱き上げ、右腕に糸をくっ付けてみよう。

動かせなかったら考えても意味がないからね。


繰り糸(マリオネット)!」


吹っ飛んできたアイアンゴーレムの右腕に糸を付ける。

石の人形のように切り離されたら付けれるはず……。

思った通り糸は付いて、光も覆ってくれた。

これならひっぱたりできるね。

STRが足りていれば……。


「ん?動かせる?」


糸を付けたら、右腕が動かせることが頭に流れ込んできた。

アイアンゴーレムの腕は5本の指で、人形と同じ扱いになったのかもしれない。

そうなると、作る予定の右腕もこんな風に腕だけで動かせるのかな。


糸を付けたアイアンゴーレムの右腕、その手を開いたり閉じたりさせる。

問題なく開閉したよ。

後は引っ張れるかどうかだけど……重いから少し手こずった。

けど、引っ張れることはできたよ。


もしかして、これを使えば今後の右腕を操る練習ができる?

ハピネスだとダメージが入りづらいし、クローバーを回復に回せば問題ないよね。


よし!

やってみよう!


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