表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン1日目)-
39/287

アザレアの使い方

GW末だけど忙しい……。

機会を伺って見直し予定。


夜の西の草原でアザレアの操作練習をする。

そのためには繰り糸(マリオネット)機巧(ギミック)の内容を知る必要がある。

消費MPに関しては、機巧(ギミック)を理解してからにしよう。


繰り糸(マリオネット)


クローバーと入れ替えたアザレアに糸を繋ぐと、機巧(ギミック)の内容が頭に流れ込んできた。

クローバーよりも癖はない……みたいなんだけど……。


次にアザレアのトランクケースを取り出して中身を確認する。

クローバーと同じく着替えが入っていて、その上に消費MPについて書かれた紙があった。

紙を見た後、トランクケースを収納する。


繰り糸(マリオネット)との情報と合わせるとこうなる。


・右手:|魔法発動【マテリアル・ボール・ランス・ウォール・バインド・ストーム】、魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(ファイア)(アクア)(ウィンド)(アース)(アイス)(スパーク)(ウッド)(ベース)(ライト)(ダーク)


アザレアの右手が魔法発動を、杖が属性を担っている。

右手で魔法名の【マテリアル・ボール・ランス・ウォール・バインド・ストーム】のいずれかを唱えると、杖を通してセットしている魔石の属性に合わせた魔法が発動する。

ただし、魔道具なので詠唱は不要だけど、スキルで魔法を習得している人が魔法を使用する時の2倍MPを消費する。

杖がない場合は無属性になって、威力が低下するけど消費MPは変わらない。


【マテリアル】:消費MP2で10秒ごとにMP2消費。

杖の正面に属性の司る現象を発生させるが、攻撃には使えないほど弱い補助魔法。


【ボール】:消費MP10。

杖の正面に魔法の玉を出現させ、放つことができる単体攻撃魔法。

魔道具なので魔法と違い、発射後に調整はできない。


【ランス】:消費MP20。

杖の正面に魔法の槍を出現させ、高速で放つことができる単体攻撃魔法。

魔道具なので魔法と違い、発射後に調整はできない。


【バインド】:消費MP30。

杖を向けた対象を魔法で拘束する妨害魔法。

拘束可能距離は10m。


【ウォール】:消費MP30。

杖を向けた先に奥行きの厚さ30cm、横幅1m、高さ1m50cmの属性の壁を発生させる防御魔法。

最大射程距離5m。

持続時間は1分。

魔道具なので魔法と違い、大きさを変えることはできない。


【ストーム】:消費MP40。

杖を向けた先にセットしている属性の竜巻を発生させる範囲攻撃。

最大射程距離10m。

持続時間は10秒。

魔道具なので魔法と違い、大きさを変えることはできない。


『マジカルチェンジ』は消費MP1で、続けて変えたい属性を宣言する必要がある。

例として「マジカルチェンジ(ファイア)」、火の魔石がセットされる。

『リリース』でセットしている魔石を解除する。


・左手:拒絶の壁《嫌い……》

消費MP1以上で左手を向けている3m先に、半球状の魔力の壁を作り出す。

壁は消費したMPの分だけ頑丈になる。

持続時間は30秒、同時展開可能数は2つ。

パーティメンバーとレイドメンバーは内側から魔法を放つことができ、通ることもできるが、外側から通ることはできない。


・口:呪い《破滅を……》

消費MP10で口から正面に向けて呪詛の塊を放つ。

呪詛の塊に触れた者にランダムでバッドステータスを1つ付与する。

対象の耐性によっては、付与されないこともある。


・腹部:魔女の大鍋《魂を捧げよ……》

消費MP1で半径3m以内のマナを吸収し、MPを回復させる。

対象はパーティメンバー、レイドメンバー以外の全ての生命体が対象となる。


『マジカルチェンジ』だけ違和感があるんだけど……。

杖だけ後付けだったりするのかな?


それと、魔法が使える分やれることが多すぎて使いこなせる気がしないよ。

戦闘で使う魔法は5種類だけど、属性を合わせたら50種類になるんだよ?

弱点を突くように切り替えればいいだけなのはわかるんだけど、その弱点を見つける方法もわからないし……。


口と腹部の機巧(ギミック)も怖いし……。

魔法が使えるのはいいとして、呪いと魔女の大鍋については、何で人形に付けたのかわからない機巧(ギミック)だ。

呪いに至っては完全にホラーだよね。


よし。

とりあえず考えるのは後にして、アザレアを使ってみようか。


「ハピネス収納。人形の館(ドールハウス)


ハピネスを収納して、人形の館(ドールハウス)を閉じる。

アザレアは攻撃手段があるし、クローバーみたいにモンスターを引きつけるような機巧(ギミック)はないから、ハピネスがいなくても大丈夫。

いざという時は出せばいいし。


アザレアを抱えて移動する。

黒い犬の見つけ方がわからないので、海岸があるはずの西に向かって一直線で進んでいると、唸り声が聞こえてきた。

これは見つかったパターンだよね。


繰り糸(マリオネット)魔法少女の杖(マジカルチェンジ)(ファイア)


アザレアを地面に置いて糸を繋ぎ、マジカルチェンジを行なった。

「カシュッ」という音と共に、赤い魔石が内部に入り込んだ。

これで、アザレアの使う魔法が火属性になるんだね。


「ガルルルルルル」


その場で待っていると、右側から黒い犬が1匹現れた。

今度は不意打ちしてこなかったので、アザレアを移動し、杖を黒い犬に向ける。

パチンコと同じく狙いたい場所を意識するだけで、そこを狙ってくれるみたいだね。

狙いやすいので助かるよ。


「ボール!」


アザレアの杖から直径20cmぐらいの赤い玉が放たれる。

それは唸り声を上げている黒い犬に直撃し、HPバーを砕け散らせた。

これも一撃なんだ……。

人形の性能が高すぎだと思うんだよね。

まぁMPはガンガン減るけど。


繰り糸(マリオネット)解除して、アザレアを抱えて歩いていると、前方に黒い塊が動いているのが見えた。

よく目を凝らすと黒い犬が4匹いた。

4匹同時なら範囲攻撃かな。

距離は投げて縮めればいいし。


繰り糸(マリオネット)、ストーム!」


腕の中のアザレアに糸を繋いで、範囲攻撃魔法の【ストーム】を放つ。

10m離れていないので、黒い犬に杖を向けさせるだけで問題なく発動できた。

地面が起点なのか黒い犬達の中心から、「ゴウッ」と言う音を立てながら、赤い竜巻が発生した。

竜巻は直径2m、高さ4mぐらいの大きさで、火属性だからか、周囲が明るくなった。


竜巻が治ると、そこには何も居らず、草が焦げ付いているだけだった。

ボールで一撃なんだから、ストームでも一撃だよね。


次の練習相手を探しながら西へ進む。

しばらく進んでいると、背中を押される衝撃があり、HPが10減った!

また不意打ちされたみたい。


繰り糸(マリオネット)!ボール!」


振り返ると黒い犬が1匹いたので、アザレアに糸を繋いでボールを放ったが、黒い犬には避けられ、ボールは地面に当たって弾けた。

ただ、警戒したのか少し距離を置いて唸り声を上げながらこちらを見ている。


「グルルルルルル……」


もう一度ボールを放っても横られそうだよね。

バインドで動きを止めてボールを当てるか、ボールよりも速いらしいランスを放つかだけど……。

ランスにしよう。


「ランス!」


アザレアの杖の先から軽く火を吹いてる突撃槍型の魔法が黒い犬に向けて放たれた。

アザレアが腕の中にいるせいで、だいぶ至近距離で少し焦ったよ。


ランスは避けられることなく黒い犬に直撃し、HPバーを砕け散らせた。

予想はしてたけど、やっぱり一撃だったね。


後はバインドとウォールに拒絶の壁(嫌い……)、そして呪い(破滅を……)か……。

結構MP消費するけど、それよりも機巧(ギミック)の確認の方が重要だし、頑張ろう。


しばらく歩いていると、2匹の黒い犬が草原に伏せているのが見えた。

ちょうどいいから1匹にはバインドをして、捕らえられたら呪いを使おう。

もう1匹が近づいてきたら、ウォールか拒絶の壁(嫌い……)だね。


繰り糸(マリオネット)、バインド!」


片方に杖を向けさせ、バインドを放つ。

黒い犬の地面から火を纏った蔦みたいなものが4本飛び出し、黒い犬を縛り……黒い犬が光になった。

え?

あの蔦ダメージあるの?

確かに燃えてたけど……。


片方が光になったことで、もう片方がこちらに気づいて迫ってきた。

予定は少し狂ったけど、1匹だけなので焦らず対処しよう。


呪い(破滅を……)


黒い犬が一直線に向かってきたので、呪いを放ってみた。

「ゴポリ」という音を立てて、黒い塊がアザレアの口から出てきた。

黒い塊の周囲には何かの文字列が数本ぐるぐると回っていて、少し不気味だ。


呪い(破滅を……)で出てきた黒い塊はボールより遅いので、避けられたらウォールを使おう。

と思ったんだけど、黒い犬は避けることなく当たった。

むしろ自分から当たりに来たんじゃないかと思うぐらい直撃だった。


黒い塊が当たった黒い犬は、当たった部分から徐々に灰色の石になっていき、やがて全てが石になった。

石化……?

この石像はどうしたらいいのかな?


とりあえず石化した犬に触れてみたけど、アイテムバッグには入らなかった。

アイテム扱いにはならないみたいだね。


となると壊すしかないんだけど、アザレアの杖で殴ってみようかな。

魔法の杖と言いながらも、見た目は金属製のメイスだし。


アザレアを地面に下ろして、メイスをフルスイングさせてみた。

メイスが直撃した犬は「ガァーン!」と音を立ててHPバーと一緒に体も砕け散り、光になって消えた。

アザレアはメイスも強いね。


クローバーの左手にチャージすることも考えたけど、そのために讃美歌を歌わせるのはちょっと……。

消費MPも多いし……。


呪いで出る他のバッドステータスも気になるけど、ランダムなので隙があればたまに放つ程度で試していこう。

狙って出せるなら色々試せるんだけどね。


後はウォールと拒絶の壁(嫌い……)だけど、よく考えたら魔法は相手がいなくても出せるよね。

使ってみよう。


「ウォール」


アザレアが杖を向けた先に炎の壁が出現した。

向こう側が見えなくなるのが少し難点かもしれないけど、相手の進路を防げるから囲まれた時に使えそうだね。

後は、モンスターに追われてる時かな。

目の前に壁が出てきたら避けるかぶつかるかだし、バインドでもダメージになったんだから、ぶつかってもダメージになるよね。

あるいは相手の足元に出してもいいかもしれない。

突き上げを食らわせれるかもしれないし。


次は拒絶の壁(嫌い……)だね。

MPは1でいいかな。

攻撃されそうなわけじゃないし。


拒絶の壁(嫌い……)


機巧(ギミック)を使う時に、消費MPの確認が頭の中に浮かんだので「1」と意識したらMPが1減って、アザレアの左手の先に半透明で、少し波打つ半球の壁が現れた。

確か30秒もつんだよね。


壁は内側からなら通れるはずなので、通ってみた。

特に抵抗もなくスッと通れたね。

逆に、外側から入ろうとすると、ブニッとした感触があった。

壁なのに硬くないんだ……。


次は壁の周りを回ってどう見えるか確かめてみた。

端っこは少し歪んで見えるけど、中央は半透明な分見づらいけど、歪んではなかった。

壁を挟んで向こう側にいるアザレアが見えるし。


ウォールとは違って攻撃には使えなさそうだけど、内側から一方的に攻撃できるし、消費MPも選択できるから、結構使い勝手が良さそうだね。


ただ、全体的にMPを消費する機巧(ギミック)ばかりだからMP管理が大変だね。


そう考えるとハピネスの使い勝手がいいことがわかる。

左手こそMPを消費するけど、基本的に右手だけで十分戦えるしね。


今後は基本的にハピネスで、敵が多ければアザレアを、ダメージを受ければクローバーで回復かな。


ステータス(戦闘で消耗)


名前:オキナ

種族:人族

職業:人形使い(ドールマスター)☆5

Lv:5

HP:130/140

MP:286/700

ST:114/114

STR:14

VIT:14

DEF:14

MDF:140

DEX:320

AGI:14

INT:280

LUK:50

ステータスポイント:残り18


スキル

繰り糸(マリオネット)Lv:2〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:2〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:2〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕

スキルスロット:空き1

スキルポイント:残り10


職業特性

通常生産系スキル成長度0.01倍

通常魔法使用不可

武器装備不可

重量級防具装備不可


装備

・武器1:装備できません

・武器2:装備できません

・頭:なし

・腕:なし

・体上:冒険者のローブ

・体下:冒険者のズボン

・足:冒険者の靴

・アクセサリー1:なし

・アクセサリー2:なし

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ