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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン1日目)-
37/287

人形使いにとっての魔石と雑貨屋

GW末に見直し予定(予定はあくまで予定)


2017/4/6 13:43 マナポーションと初心者マンポーションに関する記述を少し修正

ホールを後にして、ゼロワンさんと一緒に工房に戻って来た。

この後はマナポーションを買って、クローバーとアザレアの使用感を確かめるつもりだけど、先に魔石のことも聞こうかな。


そのためにアイテムバッグからステップボアの魔石を取り出しておく。


「ゼロワンさん」

「はい。何でしょうかオキナ様」

「これを見て欲しいんですけど、魔石ですよね」

「魔石です。ただし、サイズは極小なので自動人形(オートマタ)には使えません。また、アザレアの杖にはめ込むこともできません」


元から自動人形(オートマタ)に使えないだろうとは予想してたから問題なし。

アザレアの杖に関しても、はまってる魔石がステップボアの魔石よりも少し大きいから合わないとは思ってた。

ただ、これが極小だとしたら、他にどんなサイズがあるのかは気になるね。


自動人形(オートマタ)やアザレアの杖に使えないことはわかりました。できれば、他にどのようなサイズがあるか教えて欲しいんですけど……」

「わかりました。魔石のサイズですが『極小・小・中・大・特大』に分けられます。それぞれのサイズの中で☆の数によって等級が変わります」

「なるほど。小の☆2とか、大の☆5って感じですね?」

「はい。その通りです。大きさは出力を、☆は魔力の質を表しています。ただ、出力と質についてですが、私では詳細をご説明できませんので、実際に使いながら覚えてください」

「使いながら……ですか?」

「はい。工房で魔石を加工するなど、様々な使用方法があります」

「加工……わかりました」


うららさんに見せてもらった装飾品も魔石を加工したものになるよね。

加工するときにいろんな魔石を用意して、出力と質でどう変わるか検証しないとダメなのか……。

協力してくれる人を探したほうが良さそうだね。


出力と質についてだけど、出力はそのままどれだけの魔力を出せるかだよね。

大きいものを動かすには出力が必要だし、ゼロワンさんやゼロツーさんは人と同じ大きさだから、それなりの出力が必要そうだし。


質は……何だろう。

精密な制御をするために必要なのかな?

質が悪ければ魔力が流れなくて、思った効果が得られないとか。


そうなると自動人形(オートマタ)には大きくて質のいい魔石が必要になりそうだね。

絶対に序盤で手に入る物じゃないよ!


「魔石の話になりましたので、補足説明をさせていただきます。発動した魔法の威力や、発動までの時間に影響しますので、アザレアの杖には小魔石の☆3以上をお勧めします」

「小魔石の☆3以上ですね。覚えておきます」


サイズは杖にはめ込める形状に合わせてだろうね。

質に関しては、☆2以下だと威力や発動に時間がかかるらしい。

やっぱり、質は効果に影響するんだね。


それにしても小魔石か……。

ステップボアで極小なんだから、その先に行かないと手に入らないと思うんだけど、今の僕では無理だと思う。

防具ができたとしても、戦闘に慣れないとダメだしね。

気長にやろう。


「こちらの魔石をお返しします。最後に自動人形(オートマタ)の制作に使う魔石についてですが、中魔石以上で作ることは可能です。ただし、私やゼロツーと同様の性能を求める場合大魔石が必要になります」

「わかりました。ありがとうございます」


つまり、ゼロワンさんやゼロツーさんは大魔石で動いてるってことだよね。

どんなモンスターから手に入るのかわからないから探しようもないし、そもそも勝てる気がしないので記憶に止める程度にしておく。

地道にいかないと。


中魔石を使用した自動人形(オートマタ)は、魔石を手に入れたら改めて聞こう。

それまでに色々作ってスキルレベルを上げておいた方が良さそうだけど、そのためには素材が必要だから職業クエスト優先かな。


「それでは、行ってらっしゃいませ」

「えっと、行ってきます?」


ゼロワンさんに魔石の話をしてもらってる間に転移室に着いたので、ゼロワンさんの見送りを受けて転移した。

ゼロワンさん達からすると工房が拠点になっていて、そこから仕事に行く感じなのかな?

工房に入った時も『お帰りなさい』だったし。


そんなことを考えながら魔法陣に乗ると、視界が真っ白になる。


視界が晴れると、工房に転移した時と同じ路地裏だった。

ただし、行った時には人が居なかったのに、帰ってきた時には子供が居た。

その子供はこっちをジッと見ている。

まぁ、いきなり現れたら見るよね。


微動だにしない子供に手を振ってから路地裏を出る。

その時に子供を見たけど、チョークみたいなもので、地面に落書きして遊んでたらしい。

チョークが手から落ちて地面に転がってたけど。


「おぉ……星が綺麗だ……」


陽が落ちているので、路地裏から出た僕の目の前には篝火で照らされた船と、荷下ろしをしている船員達。

そして満天の星空が広がっていた。

都会では見れなくなった星空でも、この世界なら楽しめる。

できれば草原に寝っ転がりながら見たいね。


「さて、マナポーションを買いに行きますか」


しばらく景色を堪能したので、切り替えてマナポーションを買いに行くことにした。

冒険者協会で魔力水を飲んだのでMPは満タンだけど、マナポーションはPK集団が落とした普通のマナポーションしかない。

数は2本で回復量は20%だった。


僕のMPなら100以上回復するから初心者用マナポーションより普通のマナポーションの方が助かるんだけど、他の人だと初心者用の方が回復するのかな?

MPが100以下なら一気に回復できるから、一気に回復できるってことで初心者用だったのかな。


掲示板で取り扱っている店の情報を探す。

ポーション類等の消耗品は各門に近い雑貨屋やポーション屋、薬師が作った物が西区のフリーマーケットのような所で購入できるらしい。


雑貨屋は品質が常に一定の物、ポーション屋は同じ名前でも品質が異なり回復量が違う物、薬師は品質はバラついているけど一定時間DEF上昇などの特殊効果が付いてるとのことだ。

この後はクローバーとアザレアの使用感を確かめるだけだから、特別なものはいらないし雑貨屋でいいかな。


西門に向けて歩きながら、空いている雑貨屋を探す。

武器屋、防具屋、酒場に宿屋、八百屋、肉屋、魚屋などの前を通り、ようやく雑貨屋を見つけた。


「いらっしゃい」


カウンターには筋骨隆々とした髭もじゃのおじさんが座っていた。

雑貨屋の中にはツルハシやスコップ、包丁、まな板、ロープに木の杭など、色んなものが所狭しと置かれているが、不思議と落ち着いた感じがする。

綺麗に整頓されてるからかな。


「マナポーションが欲しいんですけど、ありますか?」

「あるぜ。1本150ゴールドだ。冒険者が増えたせいで生産が追いついてなくて購入制限がある。10本までだ」

「では、10本ください」

「1500ゴールドだ」

「わかりました」


おじさんがお盆を渡してきたので、メニューを開いて1500ゴールド取り出して乗せて返す。

おじさんが金貨を機械のようなものに流し込んで頷いた後、別のお盆に白い液体の入ったフラスコを10本乗せて渡してきたので、触れてアイテムバッグに入れる。

さっきの機械は金貨を数える魔道具かな?


「念のため確認するが、お前さんポーションを買うのは初めてか?」

「はい。初めてです」

「そうか。ポーションを飲んだ後、容器捨てずに回収しておけ。雑貨屋かポーション屋なら、中身を追加して栓をするからな。容器代が浮いて10ゴールド値引きされるぞ」

「そうなんですか。わかりました。飲んだ後は容器を回収します」


初心者用の方は飲み終わると容器ごと消えたので、そういうものかと思っていたけど、それは初心者用だったからなんだね。

容器もタダじゃないから、普通のポーションだと使い回すみたいだし、それをすることで値引きされるならちゃんと回収しよう。


「あと、これから外に出るつもりか?」

「はい。そうですけど、何かあるんですか?」


もしかしてクエスト発生?

ただ買い物しただけなんだけど。


「外は暗いからな。松明かカンテラを買っておけ。今なら着火用の魔道具を付けてやるぞ」

「あー。じゃあ、カンテラをください」


イベントじゃなくて商品を勧められた。

星空がはっきりと見えるぐらいの土地なので、夜に外を出歩くなら明かりはいるだろうし、カンテラを購入することにした。

松明を手で持つと片手がふさがるけど、店で売ってるカンテラは肩から掛けれるようにするためか、長いベルトが付いていた。

腰に巻くこともできそうだね。


「おう。換えの油も付けといてやる。300ゴールドだ。油がなくなったらどこでもいいから雑貨屋に行けよ。まぁできればここにきて欲しいけどな!」

「ありがとうございます。これそうなら来ます」

「おう。その程度の気持ちでいいさ!」


取り出した300ゴールドを渡して、カンテラと油の入った細長い瓶、着火用の魔道具らしき1/3が白い布で覆われた黒い棒を受け取る。


カンテラは照らす部分の横に小さなつまみが付いていて、そこを捻ると照らす部分のブラインドみたいな物が閉まり、明かりを出さないようにできる物だった。


「魔道具の使い方は簡単だ。白い布をギュッと掴めば、黒い棒の先端に火が灯る。火を出すのに1MP、30秒ごとに1MPだから使いやすいぞ」

「わかりました。ありがとうございます」

「おう!頑張れよ!」


道具は全てアイテムバッグに入っているので、来た時同様手ぶらで外に出る。


後は門から出て、夜の草原と海岸で戦闘訓練だけど、その前に現実で夕飯を取ろう。

ゲーム内で夜ってことは現実も夜だし。


ただ、どこでもログアウトできるはずなので、どうせなら軽く草原で寝転がって星空を堪能してからからログアウトしよう。


「あれ?」


門に近づいていくと、閉まってることがわかった。

夜は出れなくなるのかな?


念のため近づいてみると、門の横にある2人なら通れそうな小さな扉があり、そこから他の人が出入りしていることがわかった。

夜間通用口だね。


「こんな時間に1人で出るのか?」

「はい。ダメなんですか?」

「ダメではないが、外は暗いから気をつけろよ」

「はい。ありがとうございます」


夜間通用口を通る時に、門番の騎士から声をかけられた。

他の人には声をかけてないのに、何で僕だけなんだろう。

ソロだから?

でも、僕の前に魔法使いっぽいローブを着た人が1人で出て行ったけど何も言われてないし……。

まぁ心配されただけだし、問題ないかな。


夜間通用口を出て、西の草原に出る。

門付近には篝火が焚かれているので周囲は見えるけど、月明かりだけなので遠くはあまり見えない。

カンテラを勧めてくれたおじさんには感謝だね。


門から少し離れた所で、少しの間寝っ転がって星空を眺めてから夕飯のためにログアウトした。


ステータス(変化なし)


名前:オキナ

種族:人族

職業:人形使い(ドールマスター)☆5

Lv:4

HP:130/130

MP:650/650

ST:113/113

STR:13

VIT:13

DEF:13

MDF:130

DEX:315

AGI:13

INT:260

LUK:50

ステータスポイント:残り16


スキル

繰り糸(マリオネット)Lv:2〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:2〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:2〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕

スキルスロット:空き1

スキルポイント:残り10


職業特性

通常生産系スキル成長度0.01倍

通常魔法使用不可

武器装備不可

重量級防具装備不可


装備

・武器1:装備できません

・武器2:装備できません

・頭:なし

・腕:なし

・体上:冒険者のローブ

・体下:冒険者のズボン

・足:冒険者の靴

・アクセサリー1:なし

・アクセサリー2:なし

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