表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン1日目)-
33/287

魔石の利用方法

GW末に見直し予定

GW?今日と明日は出勤で、出張準備ですよ。

癒しが欲しい。

うららさんに素材を渡したので、後は完成するのを待つだけなんだけど、どんな装備を作ってもらうのか話していなかった。

毛皮を渡したし、ミヤビちゃんも『服を作ればいい』と言ってたから、そんなに重い装備じゃないと思うんだけど、念のため確認しておこう。


「うららさん。作成する装備は重くないですよね?」

「はい。ローブやコートなどの軽めの装備を作ります。私は布や革製品主体で鎧なんかは作れません。ミヤビちゃんの装備も、鎧部分は他のプレイヤーにお願いしました」

「そうんですか。よかったです。僕は重量級防具が装備できないので、重かったらどうしようかと思いました」

「装備制限がある職業なんですか。大変ですね」

「今の所困ってないですけどね」


ずっと初心者装備だったし。

これから困るかもしれないけどね。


「かく言う私も生産職なんで重量制限があるんですけどね。他にも魔法職や後衛職も重量制限があるんですよ。なので、性能以外にステータスを増やす方法はちゃんと用意されてますよ」

「エンチャントですか?」


エンチャントは装備品に特殊効果をつけるやつだ。

ハピネスに持たせてるパチンコの聖属性のように、DEF+XXとかMDF+XXみたいな能力が付与されるんだと思う。


「はい。それ以外にもアクセサリーや装備品に追加で装飾品をつけることで増やせます。ただ、装備品はつければつけるほど重くなっていくから注意が必要です」

「装飾品?」

「はい。私が今持っているものだと、これですね」


うららさんはアイテムバッグから紐のついた丸い玉を取り出した。

丸い玉は普通サイズのビー玉ぐらいで、うっすらと光っている。


「この玉を服などの装備品に括り付けるだけでDEFが+1されるんです。手に持っていても効果は出ますが、武器を持つのに邪魔になります。なので、基本的にはこんな風にします」

「うぇ?!お姉ちゃん?!」


うららさんがミヤビちゃんの脇腹に手を伸ばし、鎧をつなぎとめている部分に紐を結ぼうとしている。

ミヤビちゃんは脇腹がくすぐったいのか、笑いをこらえて少し変な顔になっている。

付けられた玉は鎧から飛び出ているけど、腕を下ろした時に当たってるね。


「お姉ちゃん……玉が腕に、当たります……」

「オキナさんに見せるためだからすぐに取るよ。ミヤビちゃんの鎧に付けづらいのは紐で結ぶ必要があるからです。鍛治職人がクリップ式なんかを作成しているところなのですが、まだ、うまく作れていません」

「鎧に付けづらいのはわかりましたが、普通の服でも同じではないんですか?」


クリップ式が作れてないなら紐で付けるんだよね。

そうなると普通の服でも付けづらいし、邪魔になりそうなんだけど……。


「普通の服の場合、ベルトや紐などをデザイン段階から折り込み、そこに付けることが可能です。さらに、リーブであれば二重構造にするなど工夫ができます」

「なるほど。それでも邪魔そうですけどね」


二重構造はよくわからなかったけど、要はストラップをたくさん付ける感じだよね。

チャラチャラと邪魔になりそうだし、音もうるさそうだ。


「そこは生産職の工夫次第ですね。ポケットに収まるように作ったり、ベルトに装飾品を留められるようします。もっとも、装飾品は全てこの形というわけではないので、形に合わせて装備を作ることも可能です」

「なるほど。わかりました。説明ありがとうございます」

「いえいえ。どういたしまして」

「んふふっ」


うららさんは、ミヤビちゃんに付けた玉を取り外した。

やっぱりくすぐったいみたいだね。


「それで、その装飾品はどうやったら手に入るんですか?」

「えっと、モンスターが時折ドロップする魔石を使います。魔力が宿った石なのでエンチャントしやすいそうです」

「魔石……」


ゼロワンさんと同じ自動人形(オートマタ)を作るために必要なアイテムだね。

人形のためだけのアイテムじゃないとは思ってたけど、こんなに汎用的な物だとは思わなかった。


たぶん魔道具を作るときにも必要になるんだと思う。

魔法を刻み込むって言ってたし、刻む対象に魔力がないとダメなんじゃないかな。

なんでもよければそこら辺にいろんな魔道具があってもいいはずだし。


「魔石はオキナさんも持ってますよね?」

「え?」

「先ほどアイテムバッグを見させてもらったときにあった気がします。色のついたガラス玉みたいなものです」

「えっと……これかな?」


アイテムバッグを開いて、指定された物を選択した。

PK集団が落としていった薄っすらと茶色いガラス玉だった。


名前:ステップボアの魔石

説明:ステップボアを倒した時に獲得した魔石。

魔石の中ではとても小さい。

・取り出す

・ロック


選択したガラス玉は薄っすらと茶色に染まっていた。

ステップボアから出たらしいけど、PK集団が倒して得たのか、PKされた人が落としたのかはわからないけど、これで魔石の見た目がなんとなくわかったよ。

大きさで強さが変わるんだろうけど、色はよくわからない。

魔法の属性かな?


うららさんに見えるよう、ステップボアの魔石を取り出す。


「茶色ということは土属性ですね」

「土属性ですか?」

「はい。魔石は武器に使えばその属性を付与したり、威力を上げることができます。防具に使えば耐性ですね。他にも使い方があるかもしれませんが、今わかっているのはこれだけです。何分正式サービス開始から実装されたものなので、まだわかってないことが多いんです」

「そうなんですか」

「はい。なので、それは高く売れると思いますよ」

「そうなんですか……。まぁ、しばらくは持ってますよ。どうしても必要な人がいたらメッセージください。その時改めて考えます」

「わかりました」


今すぐ使うことはないから売ってもいいんだけど、この後クエスト報告で工房に行くつもりだから、ゼロワンさんに聞いてからにしたい。

さすがにゼロワンさんと同じような自動人形(オートマタ)を作るのに『とても小さい』なんて書かれた魔石でできるわけがないし。


「あの、お、オキナさんは、この後どうするんですか?」

「ん?クエスト報告をするつもりだよ。冒険者協会で受けたのが3つと職業クエストが2つだね」

「も、もう職業クエスト終わったんですか?!」

「そうだよ。モンスターを倒すだけだったから、なんとかね」

「そ、そうなんですか。私のは、シロツキちゃんやトバリちゃんに乗って15分飛ばないとダメなんですけど、MPが持たないんです」

「そうなんだ。マナポーションは使ってる?」


MPの問題は僕にはどうしようもできないからなぁ。

装備か何かで増やせればいいんだけど、それが無理なら回復させるしかないよね。


「えっと、飛びながらは、まだ、その、慣れてないので……」

「そっか。もしかしたら、飛びながら何かをするための訓練かもしれないよ?僕の職業クエストは職業専用のスキルを使ってモンスターを倒すクエストだったからね。スキルや職業に慣れさせるためだと思うよ」


序盤のクエストで達成不可能な物が用意されてるとは思わない。

ただ、慣れが必要なだけなはずだよ。

僕で言う人形の操作方法や繰り糸(マリオネット)の使い方みたいにね。


ミヤビちゃんの場合、大きくした竜の上で何かをする訓練かな。

武器を振ったりするんだろうから、その前に動作が簡単な竜の上でポーションを飲むことをさせたいんだと思う。

それに、PKされた時にMPがなかったのは飛ぶ練習をした結果だと思うから、今後飛ぶことが増えた時のために回復できるようにしてた方がいいんじゃないかな。


「そ、そうなんでしょうか?」

「うん。竜に乗った状態で武器を振ることにもなるだろうし、その前段階で、ポーションを取り出して飲む動作で慣らしたいんじゃないかな」

「な、なるほど!あ、ありがとうございます!」

「いや、あくまで僕の考えだよ?!」


ミヤビちゃんがぺこりと頭を下げてきた。

あくまで僕の考えを伝えただけで、そこまで大げさに感謝されることではないと思うんだけど。

そこまで、行き詰まってたのかなぁ。


「あらあら。またオキナさんに助けられちゃいましたね」

「大げさですよ」

「他の竜騎士(ドラゴンナイト)の方々も、飛ぶことに集中するしかない状態なので、飛びながら何かしようとは思ってないみたいですし、このままだと誰も職業クエストをクリアできそうになかったんです」

「え?ただ、魔力を回復するだけですよね?」

「強い風の中、シートベルトで固定されてるわけではない空の上で、手綱から手を離して飲む必要がありますけどね」

「あぁ……なるほど……それは怖いですね」


意識しないとやれないね。

むしろ、意識してもやれないと思うんだけど……。

そこも何か解決方法がありそうだな……。

何だろう。

竜に風を緩和してもらうとか、体勢を維持してもらうとかかな。


「お姉ちゃん。か、風はそんなに強くないよ。シロツキちゃんとトバリちゃんが守ってくれるから」

「そうなの?」


どうやら風は強くないみたい。

たぶん竜の加護みたいなものか、魔法で緩和してたりするんだろうね。


「うん。だから、手綱から、て、手を離すだけで大丈夫だよ。ちょっと、怖いけど、いつか乗りながら、戦うかもしれないし、わ、私、頑張る!」


ミヤビちゃんが胸の前で両拳を握る。

気合いを入れるポーズなんだね。

似合ってていいと思うよ。


ステータス(時間経過でMP回復)


名前:オキナ

種族:人族

職業:人形使い(ドールマスター)☆5

Lv:4

HP:130/130

MP:107/650

ST:113/113

STR:13

VIT:13

DEF:13

MDF:130

DEX:315

AGI:13

INT:260

LUK:50

ステータスポイント:残り16


スキル

繰り糸(マリオネット)Lv:2〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:1〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:1〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕

スキルスロット:空き1

スキルポイント:残り10


職業特性

通常生産系スキル成長度0.01倍

通常魔法使用不可

武器装備不可

重量級防具装備不可


装備

・武器1:装備できません

・武器2:装備できません

・頭:なし

・腕:なし

・体上:冒険者のローブ

・体下:冒険者のズボン

・足:冒険者の靴

・アクセサリー1:なし

・アクセサリー2:なし

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ